土木の工程と人材成長

土木建設の工程管理や組織運営、そして人材成長の話題や雑学を紹介します

国連を国統(仮称)へ

2024-01-24 22:07:25 | 工程表
人類は国際連盟を発足させた。それは1920年1月20日に設立された史上初の世界的な、集団安全保障を中心とする平和維持・国際協力機構であった。第一次世界大戦を終結させた19年のヴェルサイユ条約第1編が連盟規約となった。本部はスイスのジュネーヴに置かれた。

そして国際連合は、国際連合憲章の下で1945年10月に設立された国際機関である。 第二次世界大戦の勃発を防げなかった国際連盟の様々な反省を踏まえ、1945年10月24日に51ヵ国の加盟国で設立された。主たる活動目的は、国際平和と安全の維持、経済・社会・文化などに関する国際協力の実現である。

ところが現在国際連合は、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのパレスチナ攻撃など、世界で頻発する紛争を解決できない状態にある。故に、国際統合機関(仮称)を発足させる時期に来ている。

国際連合の課題は、第一に拒否権の問題がある。国際連合安全保障理事会における拒否権は、国際連合安全保障理事会での5か国の常任理事国だけに認められた、自らの国の反対のみによって実質事項に関する安全保障理事会の決定を阻止出来る特権である。これをうまく調整して、次のステップに進む必要がある。

では、次の国際社会に求められる国際統合機関(仮称)はどのような組織で、運営機構はどのようなものになればいいのかであるが、それはケン・ウィルバーの「インテグラル理論」JMAM2019.6.30,P221にヒントが書かれている。

それは、『・・・地球システムには、新たな統治の方法が必要なのだ。【内面的発達と外面的発達】の全体を見渡したうえで、さまざまな国家とさまざまな共同体を統合できるような統治の在り方が必要なのである。現代世界が必要としているのは、歴史上初となる本物の【第二層】の政治哲学であり、第二層の統治なのだ。もちろん、私の考えでは、それは【「全象限、全レベル」】の政治理論/実践であり、その構造とスタイルは徹底して【統合的】なものになるだろう。』である。

ここで【 】の概念は、同書を読んでいただかないと、ここでは書ききれないので、読んでいただきたい。同書は、あらゆる問題解決に不可欠な思考法であり、それにとどまらない哲学でもある。

戦争を無くし地球環境を守る方法-ウィルバーのインテグラル理論ー

2024-01-07 14:09:24 | 工程表
先に本ブログで、竹田青嗣が標記の哲学を構築しつつあると書いた。竹田論は資本主義を進化させる論として、近々の課題解決に向けた提案として有効だと思う。

だが、すでにケン・ウィルバーが明確に21世紀の哲学をほぼ構築してくれていた。それは「万物の理論(原題:A Theory of Everything)」トランスビュー、2002.9.20であり、同書の新訳本として「インテグラル理論」日本能率協会マネジメントセンター、2019.6.30に明確に示してくれている。

曰く、「『私たち、それ、それら』の四象限で考えること」がそれだ。以前のブログで、本書から断片として、ロシアや中国は古代国家であることを紹介したが、迂闊にも統合理論としての神髄である四象限として考えるインテグラル理論の核心を紹介できていなかった。

ここでは拙速を避けるため、要約は控えることとするが、「万物の理論」の訳者である岡野守也は「ウィウバーは、現代の世界の、もっともすぐれた思想家の一人」といい、ウィルバー著の「統合心理学の道」では、序文を書いたジャック・クリッテンデンらが「現代における最も包括的な哲学思想家」あるいは「天才青年」、「現代は三つの選択肢を持っている。アリルトテレスかニーチェか、あるいはウィルバーか」と紹介している。

ともあれ、標記に興味のある方、さらに自身の精神生活を含めて豊かにしていきたいと思っている方には、「インテグラル理論」を是非お勧めしたい。否、地球上に住む全員に読んでもらいたいものである。

指導者に求められる資質

2024-01-01 11:19:23 | 思考
塩野七生「日本人へ―危機からの脱出偏―」文春新書、2013.10.20,P91に「息子が使っていたイタリアの高校の歴史の教科書の中に『指導者に求められる資質は次の五つである。知力。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意志。ユリウス・カエサルだけが、このすべてを持っていた』」と、紹介されている。

さて、安倍晋三、菅義偉、岸田文雄と最近の三人の日本の指導者を比較してみたい。

まず知力であるが、安倍晋三はIQは高かったと思う。故にあとの二人は物足りなく感じてしまうのは否めない。ことに菅義偉は知力の点においては並み以下ではなかったか。私も同じような立ち往生をしたことがあるので、国会で思考停止に陥った菅義偉のことは、よく理解できる。準備をしてきたことは、説明できるのだが、想定外の質問には答えられなくなる。つまり、知のストックが少なく、論理の構築に弱点があるため、臨機応変の応用がきかなくなり、立ち往生してしまうのだ。岸田文雄は「聞く人」だと宣伝していたが、日本の最高指導者が、いちいち聞いていたら間に合わないことが多かろう。最高指導者になる前に聞いておいて、信念を固めておくべきではないか。

説得力は、安倍晋三は知力を駆使して論理を組立て、方向はともかくとして優れていたと思う。後の二者は、知力で述べたとおりのレベルである。

肉体上の耐久力はともかくとして、安倍晋三は精神的な耐久力が足りなかったであろう。

自己制御の能力は、安倍晋三は最低点しかつかないであろう。モリカケ問題をはじめ桜を見る会などなど、あまりにもお粗末は田舎芝居を見せられて、国民はうんざりしたことだった。

持続する意志については、安倍晋三にはあったと思う。しかし、祖父と父の意志に、あまりにも固執しすぎたのではなかろうか。折角の知力を普遍に広げることなく、自己制御に劣っていたために、墓穴を掘ったと言えば言い過ぎだろうか。

カエサルは望むべくもないが、少なくとも日本の政治は、いいかげんに田舎の猿芝居から脱してもらいたいものだ。