麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第745回)

2021-08-29 10:16:30 | Weblog
8月29日

「風景をまきとる人」を不定期で連載しようと思います。


インターナショナル新書「カミュ伝」を読みました。すごくおもしろかったです。
卒論でカミュについて書いたころは、まだちゃんとした評伝がなくて、文庫や、「新潮の世界文学」の解説を頼りにするしかなかったのですが、そこで読んだ限りでは、カミュは聖人という印象でした。が、今回の読書でその印象はかなり変わりました。カミュが「不潔」と評したヘンリー・ミラーも真っ青の女好き(ミラーのほうが無邪気なだけましかも)。しかも、「異邦人」では、「おそらく愛してはいないと思われる」などとクールにきめていたのに、実際は「愛してる」をふんだんに使った手紙を書くなど、とても聖人とはいえない事実がたくさん暴露されています。ーー続きは来週にでも。
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生活と意見 (第744回)

2021-08-01 22:50:52 | Weblog
8月1日

すごいことになってますね。いくら東京の人口が多いといっても、3日間で1万人が新たに感染するとなれば、けっこうな確率ですよね。それでも、私の周りではまだ職場で感染者は出ていないし、家族にもいません。だから相変わらず、「漠然とした恐怖」しか感じられませんが。まあしかし、たかがウイルスひとつでこんな世の中になるなんて、いまさらながら不思議な気がします。こういうことって、もうはるか昔に人間の知恵によって克服されたんじゃなかったのでしたっけ? 子どものころにはそう聞いていたような気がするけど。そうじゃなかったんですね。風景は違うけど、実はいまも原始時代なんですね。大人のいうことを鵜呑みにしないでよかったなあ。子どものことからずっと原始人として生きてきた私はそう思います。

サルトル「嘔吐」(鈴木道彦訳)が電子書籍になりました。キンドル版を購入しました。
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