麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第740回)

2021-06-27 20:16:49 | Weblog
6月27日

少年少女古典文学館「近松名作集」の、「出世景清」「冥途の飛脚」「博多小女郎波枕」を読みました。詩人・作家の富岡多恵子さんが普通の散文で語りなおしてくれているので読みやすかったです。「博多小女郎波枕」は、この本で初めて読みました。おもしろかったけど、やっぱり西鶴のほうが好きですね。比べる意味はないのでしょうが。

佐藤春夫の文庫新刊が中公から2冊出ています。「田園の憂鬱」「都会の憂鬱」以外はこれまであまりいいと感じなかったのですが、「いまなぜ佐藤春夫?」という驚きだけで2冊とも買ってしまいました。そのうち読むと思います。

日常生活はあいかわらず「苦渋」のひと言です。その「気晴らし」(パスカル)のために、近松なんて自分とは本来縁のない作家を読んだのだと思います。
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生活と意見 (第739回)

2021-06-20 20:47:37 | Weblog
6月20日

来年ぐらいまでにkindle本としてまとめたいと思っている2冊、「世界のしくみ」「夜たちの墓場・絵本 ほか」の表紙を、ある方に頼んで作ってもらいました(いま出ている2冊の表紙も同じ方のデザインです)。とてもいい感じに仕上がったので上梓するのが楽しみです。とりあえず年内に「世界のしくみ」だけでも編集し終えたいという感じですが、どうなりますか。なんにしてもこの創作活動以外は、死体がただ惰性で動き続けているようなもの。――皆さまにおかれましては、これまで同様、才能のとぼしい人間がのたうちまわる姿を最後までご覧いただければと思います。
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生活と意見 (第738回)

2021-06-06 20:37:20 | Weblog
6月6日

岩波文庫の新刊「ゴヤの手紙(上)」を読みました。前に書きましたが、「巨人」という作品に強烈にひきつけられ、サバーサ・ガルシアの肖像画にやられて画集を買いました。今回の書簡集はたまたまその画集と編著者が同じです。すごくおもしろかったです。43歳までの、少青年時代から全盛期といっていい時期までの手紙が収められているのですが、ゴヤはこのあと46歳で聴力を失い、独自の世界を突き進むことになるようです。サバーサ・ガルシアの肖像画を完成したのが65歳。「巨人」が72歳。下巻を読むのが楽しみです。
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