季節の花と言葉の花束

写真付きで季節の花や言葉の意味をを書くならgooブログ

季節の花の紹介と言葉の花束を書いています。

季節の花「栴檀 (せんだん)」

2019-05-31 04:47:18 | 暮らし
名言名句(639)

「玉に瑕(きず)」『淮南子・説林訓篇』

「あの女は美人だが知性に欠けている」とか、「あの男は頭が切れる

が、出しゃばるところがある」とか、それぞれが「玉に瑕」、つまり、

前者では教養の匂いがするとか、後者では控え目な態度をとるとか

すれば完全である、ということになるのです。しかし、「玉に瑕」

の人間がウジャウジャいるからこそ、この人間世界の人生模様も

面白いのかもしれません。人間は必ず一つくらいの欠点を持って

いる、と考えるところに、人間の面白さがあるのです。完全な

人間ばかり揃っていたら、無味乾燥の世の中になってしまうで

しょう。味気ない世の中は、ドラマのない、つまり、欠点のない

世の中と言えます。

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5月から咲く花「栴檀 (せんだん)」

開花時期は、 5/20 ~ 6/10頃。
・紫色の小さな花。
 花びらは5~6弁。
 竹とんぼが
 回転しているような姿♪
 目立たない。

・秋に楕円形の実が
 枝一面につき、
 落葉後も木に残るさまが
 数珠のようであることから
 「センダマ」(千珠)
 の意で命名された。

・材は建築用装飾、
 家具、木魚、下駄などに
 用いられる。
・漢方では、実、樹皮、根皮が
 駆虫に用いられる。


・”栴檀は双葉より芳し”
 の栴檀は
 この栴檀のことではなく、
 白檀(びゃくだん)という木
 のことを指す。
 (白檀は別名を栴檀と呼ぶ)

 <参考>
 ”栴檀は双葉より芳し”
 (せんだんは
  ふたばよりかんばし)
  栴檀(白檀)は発芽したころから
  芳香を放つことから、
  優れた人物は、
  幼いときから他と違って
  優れていることを
  示すことわざ。


・「妹(いも)が見し
  楝(あふち)の花は
  散りぬべし
  わが泣く涙
  いまだ干(ひ)なくに」
  (楝=栴檀)
   万葉集
   山上憶良
   (やまのうえのおくら)

 「珠に貫く
  楝(あふち)を宅に
  植ゑたらば
  山ほととぎす
  離れず来むかも」
  (楝=栴檀)
   万葉集
   大伴家持

(季節の花300より)






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季節の花「空木 (うつぎ)」

2019-05-30 04:35:23 | 暮らし
名言名句(638)

「信頼の背中合わせに拒絶がある」『光 秋』

ビジネスの世界にもう一度話を戻しますと、取引の交渉が

成立したにも関わらず相手方の誠意がもう一つ欠けていた

ことから交渉が決裂した場合など、もう二度と取引の話に

応じないということになります。取引は信頼で成立します

が、その取引には、一歩間違うと、信頼関係にあったとき

以上の拒絶があるということを考えておかねばなりません。

私は、この言葉が頭脳に浮かんだとき、人と人とのかかわ

りは、慎重に事を運ばなければならないな、とつくづく考

えたものです。

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5月から咲く花「空木 (うつぎ)」

開花時期は、 5/20 ~ 6/ 5頃。
・髄(ずい。茎や根の
 中心にある部分)が
 空洞になっているので、
 「空ろ木(うつろぎ)」
 が変化して
 「空木」になった。
・材質は硬く、腐りにくい。
 昔から、木くぎや、
 神事のときの杵などに使われた。

・”実”は
 「独楽(こま)」のような形♪
 やぶがらしの花のあとに似ている。


・別名
 「卯の花」(うのはな)、
   卯月(旧暦4月)に
   咲くことから。
   「うつぎの花」の略とも。

 「雪見草」(ゆきみぐさ)。
   見た目が雪のよう。


・5月22日の誕生花(空木)
・花言葉は「謙虚」(空木)


・「ほととぎす
  来鳴き響(とよ)もす
  卯の花の
  共にや来(こ)しと
  問はましものを」
   万葉集
   石上堅魚
   (いそのかみのかつお)

 「卯の花を
  腐(くた)す
  霖雨(ながめ)の
  水はなに
  寄る木積(こづみ)なす
  寄らむ児(こ)もがも」
   万葉集 大伴家持

 「卯の花も
  いまだ咲かねば
  ほととぎす
  佐保の山辺に
  来鳴(きな)きとよもす」
   万葉集 大伴家持

 「五月山(さつきやま)
  卯の花月夜
  ほととぎす
  聞けども飽かず
  また鳴かぬかも」
   万葉集 作者不詳

 「卯の花の
  咲き散る岳(おか)ゆ
  ほととぎす
  鳴きてさ渡る
  君は聞きつや」
   万葉集 作者不詳

 「神まつる
  卯月になれば 卯の花の
  憂き言の葉の
  数やまさらむ」
   金槐和歌集 源実朝

 「卯の花を
  かざしに関の 晴れ着かな」
   河合曽良(かわいそら)

 「卯の花や
  妹が垣根の はこべ草」
   与謝蕪村(よさぶそん)

 「押しあうて
  又卯の花の 咲きこぼれ」
   正岡子規(まさおかしき)

 「山里は
  卯の花垣の ひまをあらみ
  しのびねもらす
  時鳥(ほととぎす)かな」
   加納諸平

(季節の花300より)



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季節の花「ベゴニア」

2019-05-29 04:29:57 | 暮らし
名言名句(637)

「世の中に、なほいと心憂きものは、人に憎まれむ

ことこそあるべけれ」『清少納言』


憎んでいることは、まだ若干の愛の気持ちが残っているものです。

憎しみが全く消えたとき、人間は、対象に対して、無関心になれ

るのです。だから、仮に誰かを憎むことがあっても、憎しみを代

える愛を振り返ってみることも必要です。清少納言は、つづけて、

どんな人間社会においても、愛される人間と、愛されない人間と

があるということは、悲しいことである、と述べていますが、

これも悲しむべき人間模様で、愛されないと分かった時、愛され

る努力を怠らないようにしたいものです。愛されようと努めると

き、その努力の真摯に、、人は打たれるものがからです。

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5月から咲く花「ベゴニア」

開花時期は、 5/15 ~ 11/末頃。
 長い間、咲き続ける。
・ブラジル原産。
・いろいろ種類がある。
 背が高い
 「木立(きだち)ベゴニア」
 という種類もある。

・9月28日の誕生花
    (ベゴニア)
 9月4日の誕生花
    (木立ベゴニア)
・花言葉は
 「幸福な日々」
    (ベゴニア)
 「つりあいが良い」
    (木立ベゴニア)


(季節の花300より)



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季節の花「昼顔」

2019-05-28 04:48:40 | 暮らし
名言名句(636)

「男性は完全でなければならぬ、王さまは金ぱくで

おおわれていなければならぬ」『山田 直』


山田直は、慶應義塾大学教授で、フランス語を講じています。

昼は勤勉な教師、夜は気儘な詩人という二重生活を楽しんで

おり、フランス文学に造詣の深い山田直のウィットに富んだ

「はだかの王さま」の中から、このに行の詩句を採りました。

「なければならぬ」という断定的表現の裏に、「あいにくおうち

にいるパパは/空気が漏れる/黄色いゴム風船で/金ぱくを塗れない

/はだかの王さまだ」というペーソスに溢れた詩句があります。

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5月から咲く花「昼顔」

開花時期は、 5/15 ~ 10/10頃。
・名前のとおり、昼間に開花。
 夕方にはしぼむ。
・晩春から秋まで長い間咲き続ける。

・「昼顔」と「小昼顔」は、
 花のサイズは
 「昼顔」の方が少し大きく、
 葉っぱも「昼顔」の方が
 細長いなどの
 こまかい違いがあるが、
 見分け方が難しいことから
 ページの名前は
 広く「昼顔」としました。
 (小昼顔の写真が
  載っているかもしれません)


・薬効   強壮、疲労回復、
      糖尿病、利尿
・薬用部位 全草
・生薬名 「旋花(せんか)」


・「打日さつ
  宮の瀬川の
  容花(かほばな)の
  恋ひてか寝らむ
  昨夜(きそ)も今宵も」
  (容花=昼顔)
   万葉集

 「高円(たかまど)の
  野邊(のべ)の
  容花(かほばな)
  面影(おもかげ)に
  見えつつ妹(いも)は
  忘れかねつも」
  (容花=昼顔)
   万葉集
   大伴家持
   (おおとものやかもち)

(季節の花300より)




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季節の花「定家葛 (ていかかずら)」

2019-05-27 04:35:24 | 暮らし
名言名句(635)

「その位に在らざれば、その 政を謀(はか)らず」

『論語・泰伯篇』


ある人が、サラリーマンの世界は、人間が意見を述べたり仕事を

したりするのではなく、椅子が意見を述べ仕事をするというこよを

言っていますが、真実味のある言葉です。ここに掲げた言葉は、

部長は部長の、課長は課長の職務がある、ということではなく、

部長、課長ともにそれぞれの職分があるように、互いの分野を犯し

合わないように、ということです。ということは、知らない分野に

ついては口出ししないほうがよい、ということです。お節介な男に

対する忠告の言葉と言ってもいいでしょう。それだけに、従事する

職分については、他から中傷の入らないように、完璧なものとして

おきたいものです。

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5月から咲く花「定家葛 (ていかかずら)」

開花時期は、 5/15 ~ 9/末頃。
 7月頃いったん花は途絶えるが、
 その後
 新しい枝が伸びてきて
 また開花する。
・スクリュー型の変わった形。
・おいしそうな香りがする。

・薬効   解熱
・薬用部位 葉、茎
・生薬名 「絡石(らくせき)」


★謡曲の「定家」に由来する名前。

 京都を旅していた僧侶が
 夕立にあい、雨宿りで
 駆け込んだところが、
 昔、歌人の「藤原定家」
 (西暦1200年頃の人)が
 建てた家だった。

 どこからか現れた女性が、
 その僧侶を、
 葛(つる)のからんだ
 「式子内親王(平安時代の、
  後白河法皇の第三皇女)」の
 墓に案内し、こう語った。

 ”藤原定家は式子内親王を
  慕い続けていたが、
  内親王は49歳で
  亡くなってしまい、
  定家が式子内親王を想う執心が
  葛となって
  内親王の墓に
  からみついてしまった。
  内親王の霊は
  葛が墓石にからんで
  苦しがっているらしい”

 僧侶はそれを聞き、
 内親王の成仏を願って
 墓の前で読経した。

 じつは、先ほどの女性は
 式子内親王本人の「霊」で、
 僧侶が読経してくれたことで
 成仏できて喜んだ。
 そして、この、からみついた
 「葛」に後年、
 「定家葛」の名前がつけられた。


・「石綱(いわつな)の
  またをちかえり
  青丹(あおに)よし
  奈良の都を また見なむかも」
   万葉集

(季節の花300より)



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