星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

銀色の羽と、、溶岩と、、、それからなぜかヴィンセント・ギャロ。

2005-09-13 | 映画にまつわるあれこれ
夏の間、仕事と学校だった私の
ようやくのなつやすみ、、、

たった2日間だけど。。

選挙の日、東京は大雨にみまわれたそうですが
そんなことも知らず、、雲行きが怪しいのは山の天気だから、かと。
山を下る渓流の絶え間ない水音を聴きながら、、、それでも、つい夜遅くまで開票の結果を追ってしまったのでした。

 ***

翌朝は、、、こんな空。




お天気の具合では、近くの美術館でのんびりしようか、、、と考えていたのですが、あまりのまぶしい陽射しに、、もう少し山の上まで行ってみることに、、、。

ロープウェイに乗って、標高2200メートルへ。
そこからは登山道になりますが、しばらくは私のような軟弱な心臓でも歩ける木道があるので大丈夫。。森林限界を超えると、高山植物と、ハイマツと、いちめんの溶岩の世界、、、。

  岩の隙間にこんな可愛らしい花が咲いています。

吹いてくる風は冷たいのに、尋常ではない陽射しの強さ。東京で浴びる1年分の紫外線を一度に浴びているみたい。。とびかっている沢山のトンボも写真に撮ろうとしたけれど、透き通った羽が銀色にキラキラ輝いているばかりです。

でもとにかく、、、山に還ればただただ嬉しい、、、
岩場を駆け、森を走るエルフ族にもどったみたいに(もどった、じゃないけど)。
本当は、、ちっちゃな子供に追い抜かされる位ゆっくり歩くのだけど、、まだこうやって歩けることに感謝しつつ、、まだまだ大丈夫なのじゃないかしら、って理由もなく心強くなったりもする。



岩場を下りてから、、ほとんど誰も歩こうとしない森の散策路を1時間ほど歩きました。
多くの人は雄大な景色だけ楽しむと、ロープウェイでまた下りてしまうのです。。しずまりかえった森の小道、、、じつはクマさんとの遭遇が一番コワイのですが、、、無事に目的の展望台まで。。ほんとうに何の音もしない世界、、、。
今回は、予定外だったので、街で履くようなスリップオンがいけませんでしたが、そこからさらに2km位先の湖まで、次はぜひとも行ってみたいと思います。

 ***

冒頭の写真は、、、ヴィンセント・ギャロのCD「when」
しばらく前、レポートを仕上げつつ聴いていたもの。。このアルバムが出た翌年?だったかしら、、、品川の原美術館へ、ヴィンセント・ギャロ展を観に行った事、思い出し、あの日も暑い、陽射しの眩しい日だったな、と。

それで、旅から戻ったら見るつもりで、彼の監督作「ブラウン・バニー」を借りておいた。
前半の、車窓を通した風景の光の感じ、少しハレーション気味の陽射し、、レース会場の外の森沿いの道、、、コロラドの山の中の道、、、ロスに近い場所の空と雲、、、それらが余りに旅の光景と繋がっていて、、標高2000mからの私の旅とひとつづきみたいでびっくりした。

・・・あのドライヴの映像が退屈だ、なんて(カンヌでは酷評)、きっと旅をしたことの無い人の感想なんだろう。。

・・・彼は極めて私小説的な作家。。。だけど、美しいものを創る人、、そう思います。彼自身もとても美しい人、、ですしね。
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