金色銀色茜色

生煮えの文章でゴメンナサイ。

(注)文字サイズ変更が左下にあります。

金色の涙1

2008-05-07 06:08:18 | Weblog
 ドングリ ころころ どんぐりこ、

 お池にはまって、

 ・・・

ころころ、ころりん、ぽっちゃん・・・

 池に落ちたそのとき、出会い頭にタニシに衝突した。
 老衰寸前で、浅瀬でもう三日も動けないままであったタニシ。
ドングリの衝突で、何かが微かに覚醒した。
タニシ一族の遠い記憶にある「生命の不思議」
残った力が淡い緑の光を発生させ、水死しようとするドングリを暖かく包み、
その内部へと侵入をした。衝突で気を失ったドングリに否はない。
ドンクリとタニシは相性が良いようで、副作用を起こす事無く、一体化した。
 ドングリの外見に異変が生じる。奇妙な形状に変化を始めた。
体が巨大化し、つやつやの外殻が硬化し、底部にはへら状の手足が発生した。
体長50センチ強の新種いや珍種「ドングリ・タニシ」の誕生である。
内部で「これは・・・」とドングリとタニシが同時に顔を見合わせた。
 ドングリ・タニシは水中を歩き出した。なんの不都合もない。
100年前からこうであった様な気がした。
 いったい彼の内部で何が起こったのか。
まさしく命の不思議。
 ドングリとしての生は終わったものの、彼の前には新たな世界が開けていた。

 新しい身体に慣れるために遠泳を始めたドングリ・タニシ。
池の奥深くへと足を向けた。
すると、前方で争う影。
 一匹の鯉を大きなナマズが捕まえようとしていた。ナマズには見覚えがあった。
この池で一番の暴れナマズで、何度か喧嘩を見たことがあった。
なかなかの喧嘩上手で、しかもタフ。
 ドングリ・タニシの内部でタニシが「いつものように我れ関せず」と迂回を。
「助けて」
 と、鯉の叫び。思わず振り向いた。
ドングリ・タニシは天使を見た。なんとも美しい雌鯉ではないか。
ドングリは思わず見惚れてしまう。
 ドングリ・タニシが足を止めたと見るや、鯉は素早い身のこなしで、
泳いで来た。そして彼の後ろに隠れた。
ドングリ・タニシが50センチ強なのに対し、鯉は1メートル。
隠れられるわけがない。
「助けてください」
 否応もなかった。ナマズが攻撃してきたのだ。猛烈なタックル。
2メートルのナマズが全体重をかけてきた。
 躱そうとおもえば、躱せるのだが、後ろに鯉を庇っている。
ドングリが「頑張ろう」とタニシに声を掛けた。
タニシは「言葉では簡単に言える」と答えるが、あえて反対はしない。
両足を踏ん張り、正面から受け止めた。問題にならなかった。
一撃でドングリ・タニシは鯉もろとも、大きく弾き飛ばされた。
内部でドングリとタニシが「うぎゃー」と悲鳴を上げた。
強烈な衝撃であったが、硬化した外殻のおかげで怪我はない。
 ドングリ・タニシは鯉を見た。彼女も怪我はないようだ。
二匹して近場の岩陰に隠れた。
 ナマズが追って来た。
「逃がしはしないぞ」
 ドングリ・タニシは鯉に囁く。
「僕が相手してる間に逃げて」
 ドングリの独断だ。
 雌鯉が綺麗な目で見つめた。
「そんな」
 ドングリ・タニシは岩陰から躍り出た。
 ナマズが嬉しそうに身震い。
「よく出てきた。しかし、何だお前は。奇妙な姿をしてるな」
 ドングリ・タニシは黙って相手を見据えた。
その内部でドングリがタニシに「お前に任せた」と声を掛けた。
タニシは「はあー」と・・・答えにならない。
攻撃的な性格でなく、攻撃手段も持たないドングリとタニシ。
譲り合いの精神を発揮した。
 ナマズが激しいタックル攻撃を仕掛けてきた。
ドングリ・タニシは素早く手足を引っ込めた。
 体ごと岩に叩きつけられた。ガツーンと音が響く。
ドングリとタニシが競うかのように「ぎゃー」と悲鳴を上げた。
ここでも硬化した外殻のおかげで怪我はない。
ドングリ・タニシは手足を出して着地し、笑みを浮かべた。
「なんか大丈夫みたい」とドングリ。
タニシが「その前に喧嘩を買うなよ」と怒る。
 ナマズの目が大きく見開かれた。
「このー」
 再びタックル。しかし結果は同じ。それでもナマズは手を緩めない。
幾度もタックルで岩に叩き付けた。
その度にドングリ・タニシは手足を引っ込め、相手の攻撃に身を任せた。
いくら岩に叩き付けられようが、外殻のおかげで怪我はない。
ドングリが「いつまで続くのだろう」と呟いた。
タニシが「終わるまで続くのさ」と冷ややかに言い捨てた。
 怒りでナマズの身体が赤味を帯びてきた。
「お前は手足を引っ込めるだけか」
 ドングリ・タニシは苦笑い。
「まさしく手も足も出ないってね」
「ふざけるな」
 ナマズは勢いをつけて、タックルを再開した。




2009/11/01(日)

どういうわけか文字化けしているところがあります。
 (注:そんなに多くはありませんが・・・)
手直ししようと思ってはいるのですが、その暇がありません。
先に進むので手一杯なのです。
 (そういう分けで、推理してお楽しみください)
ごめんなさい。

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