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ローリー確保し石油の安定供給を急ぐ 西日本豪雨、重機への軽油供給に重点

2018-07-10 06:58:41 | 日記
中四国・九州地方を中心とした西日本で7月5日から続いた集中豪雨の影響について、経済産業省によると7月9日14時現在、製油所・油槽所・備蓄基地などの操業には影響ないものの、昭和シェル石油広島油槽所の周辺道路が土砂崩れで不通になっており、交通インフラの復旧後に出荷を再開する予定。同社系列SSへの燃料出荷については、他社の油槽所がカバーするとしている。
また、被災地域の一部のSSで土砂流入などで営業ができなくなっているものの、全般的に燃料供給に直ちに支障はでていない。一方で通行止め箇所が多発し市外からのアクセスが寸断されている広島県呉市を中心にガソリン・軽油の供給が不足し始めており、経産省と国土交通省との間で調整し道路の早期再開や代替ルートの検討などを進めている。
このほか、燃料だけでなくタンクローリー自体が不足する状況にあるため、車両が陸路から直接アクセスするか、自衛隊の運搬船などで海上から車両を供給するかなどローリーの供給方法などについても検討が進められている。
今回の被害については、集中豪雨により広範囲にわたり交通網が寸断され、車両も土砂に流されるなどの影響を受けたが、石油製品の供給については、今年初めの福井豪雪のように運転中の車両が多数孤立するような状況ではないため、一時的にガソリンや軽油などの需要が急増することはないとみている。
灯油についても不需要期であるため、需給への大きな混乱はないものとみられるが、軽油については今後復旧作業が本格化するにつれて重機への軽油供給が必要になってくるため、油槽所やSSから復旧作業の現場に向かうミニローリーの不足が予想される。2014年8月に広島市北部の土砂災害でも同様の事態が発生しており、燃料供給だけでなく車両の確保が大きなポイントになってくる。
このほかのエネルギーの復旧状況については、供給側のLPガス関連施設に大きな影響はなく、波方ターミナルの周辺道路が寸断され陸上出荷を見合わせているものの、他社の出荷拠点からの出荷で代替している。需要側では一部地域で容器が転倒したり土砂に埋没したりしているケースがあるものの、復旧の手順をふめば利用可能な状態にある。
他方、電力や都市ガスの供給は混乱し順次復旧する見通しであるものの、数日かかるケースもある。

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