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単細胞生物から多細胞生物へ

2016-05-25 10:41:23 | 自然
東京大学や国立遺伝病研究所など内外の共同研究チームが、単細胞生物と多細胞生物の中間的特徴を持つで「ゴニウム」の全ゲノム解析を行ったと発表しました。

これを読んだときはそれほど面白いと思わなかったのですが、単細胞生物として生まれた生命がどうやって動物や植物のような多細胞生物となったかは、生命の不思議の一つかもしれません。

解説によると、最初の多細胞生物が生まれたのは、約10億年前とされています。これでもあまりにも前過ぎてピンと来ませんが、生命の誕生が35億年前ですので、単細胞から多細胞に進化するのに25億年もかかったことになります。この多細胞化という進化が起きなければ、現在の動物や植物の生物社会はなかったわけですから、この多細胞化は大きな変換点と言えます。

多細胞になるためには、細胞同士の接着はもちろん、まわりの細胞との協調が必要となりますので、細胞間での情報伝達が必要となり、こういった機能が発達するのに25億年もかかったということになります。生命が単細胞として生きていくよりは、多細胞化して一つの固体になり、各細胞が色々な役割を担った方が有利というところから多細胞生物が生まれたのでしょう。

そのためには様々な細胞が必要となり、それを分化と呼んでいますが、非常に異なっているように見える細胞でも、その遺伝子は全く同じものを持っているというのは、この単細胞から多細胞化への進化の流れかもしれません。人間も生殖細胞として1個の細胞から始まりますが、これが分裂増殖していくうちに、あるものは心臓の組織になったり、別な物が脳になったりと分化していきます。

この分化の謎を解く手がかりが、単細胞生物から多細胞生物への進化のメカニズムを調べると、なんらかの手がかりが得られるのかもしれません。この共同研究チームは、緑藻の一種であるボルボックスに注目しました。

この仲間は単に偶数個の固体が集まって、一つの固体を形成するという簡単な生物です。そのうちの16個が集まっている「ゴニウム」の遺伝子を解析したところ、細胞周期の調節を行うRB遺伝子と、それを制御するタンパク質が多細胞化の原因であることを突き止めたと言います。

「多細胞化」においてはまず細胞周期を調節する遺伝子群が進化し、その後に多細胞体の増大や細胞の役割分担に関連する遺伝子が増加・進化したことが推測されたと研究チームでは説明しています。これを読んでもよくわかりませんでしたが、こういった単細胞と多細胞の中間のような生物を研究することにより、生命の進化の新しい発見が出てくるのかもしれません。

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