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血管の老化と動脈硬化

2017-12-06 10:43:54 | 自然
今年は私の友人のうち2人が脳梗塞で入院しました。幸い2人ともそれほどひどい症状ではなく、短期間の入院後リハビリも順調にすみほとんど後遺症もなく退院しています。

そこで血管の老化と動脈硬化などについて書いてみます。まず血管は全身に酸素や栄養を送る動脈と、全身から老廃物を回収する静脈に分かれます。

動脈は、血液を心臓から全身に行きわたらせるほどの強い圧力に耐えられるように、内膜、中膜(筋肉層)、外膜の3層構造になっています。このうち、血流に接している内膜と、血管の硬さのもとになる筋肉層である中膜が動脈硬化に大きな影響を与えます。血管の老化が進むかどうかは、これら2層の状態にかかっています。

これに対して静脈は、筋肉層である中膜がない2層構造ですが、逆流防止のための弁がいくつもついています。主に膝から下に、青黒い血管が浮き上がって蛇行したりこぶを作ったりする下肢静脈瘤は、この弁の故障などで発症します。静脈は中膜がないために、動脈硬化が起こりません。

動脈3層構造のうち、内膜は血流の圧力や異物の侵入から血管壁を守るバリヤーとして重要な役割を果しています。内膜にある内皮細胞から放出されるNO(一酸化窒素)には動脈硬化を抑え、血管を広げる作用があります。中膜が十分に活動すると、内皮細胞が刺激されてNO量が増加するといわれています。

人間の体は、血管網が全身に張り巡らされ、毛細血管まで合わせて1本につなぐと、地球2周半ほどの長さになるようです。その血管網で動脈硬化が進むと、さまざまな生活習慣病の引き金となり、さらに血管の病気を引き起こすという悪循環に陥ります。

主な血管の病気には、狭心症、脳梗塞、脳出血、大動脈瘤、大動脈解離などがあります。また血液の化学処理を行う肝臓や、血液の汚れを取って排泄する腎臓の機能低下も起こります。

高血圧や高血糖、脂質異常などにさらされ続けた血管壁(内膜)には、小さな傷ができやすくなります。するとこの傷口から血液中の余分なLDLコレステロールが血管壁に入り込みます。これは血管壁にとって異物の侵入とみなされ、免疫システムが働いて攻撃するわけです。

すると血管壁の中には攻撃の残骸がたまり、血管を狭くしてしまいます。また傷を修復するために、血小板が集まり血液の塊である血栓を作ります。この血栓が何重にも重なったり、別の場所でできた血栓がはがれて流れてきたりすると、血管が詰まってしまうのです。

以上が動脈硬化から血管梗塞がおこるメカニズムですが、歳をとるとこういった変化はやむを得ない気もします。何に気を付ければよいかなどかなり難しい問題のようです。

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