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ガンの血液を用いた検査法

2017-08-09 10:44:25 | 健康・医療
最近血液を用いたガン検査法の開発が色々発表されています。

一つが膵臓ガンを初期段階で正確に検出できる方法というもので、膵臓ガンは進行も早く致命的な疾患となり、見つけにくいガンとして知られています。これはアメリカの研究者の発表ですが、米国では膵臓がんと診断される患者が毎年5万3000人以上に上っており、がんによる死因の第4位となっています。

研究グループは、進行した膵管腺ガン患者の細胞株を幹細胞技術を使って作製し、ガンが進行する時間を巻き戻すことに成功しました。この意味がよく分からないのですが、ガン細胞の初期から末期までのデータを取ったということのようです。研究グループはこの仕組みにより、腫瘍の様々な成長段階でヒト膵臓ガンを検知するバイオマーカー(生体指標)を発見しました。

このマーカーは血漿中の「トロンボスポンジ2」として知られるものと、より後期の段階のバイオマーカーとして知られる「CA19-9」を組み合わせるものです。この2種のマーカーを組み合わせることで、あらゆる段階の膵臓ガンを一貫して正確に特定できるとしています。

今回の検査法については、信頼できるカットオフ値を定めるために研究をさらに行う必要があるものの、原理的には今すぐにでも実際に適用できるとしています。こういったガンマーカーについては未だに信頼の可否について意見が分かれていますが、簡単な検査法ですのでうまく進めてほしいものです。

もう一つが国立がんセンターが開発したもので、これも血液中の「マイクロRNA」を調べるというものです。これは細胞中から血液に分泌されるもので、正常細胞とガン細胞ではこの種類が異なり、一定期間分解されないとしています。

研究グループは、ガン患者ら約4万人の保存血液から、肺、胃、大腸、食道、肝臓、膵臓などの13種類のガンで、それぞれ固有のマイクロRNAを特定しました。血液1滴でガンのステージが比較的早い1期を含めて、すべてのガンで95%以上の確率で診断できたとしています。

しかし保存血液ではマイクロRNAが変質している可能性もあり、臨床研究では患者や健康な人約3000人から提供してもらう新しい血液を使うようです。

今回の検査法では、診断の確定には精密検査が必要になりますが、いくつものガン検診を受ける必要がなくなり、いずれはガンのステージや特徴も分かるようになるだろうとしています。

ガンの早期発見にはガン検診の受診が必須とされていますが、内視鏡など負担が大きいものがあり、こういった血液検査である程度分かるようになれば、早期発見の可能性は高くなりそうな気がします。


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