風の子広場

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司馬遼太郎の言葉(8)自然

2005-05-01 16:01:35 | Weblog
「二十一世紀に生きる君たちへ」より、

昔も今も、また未来においても変わらないことがある。
そこに空気と水、それに土などという自然があって、
人間や他の動植物、さらには微生物にいたるまでが、
それに依存しつつ生きているということである。

さて、自然という「不変のもの」を基準において、人間
のことを考えてみたい。

人間は、自然によって生かされてきた。古代でも中世
でも自然こそ神々であるとした。このことは少しも
誤っていないのである。歴史の中の人々は、自然を
おそれ、その力をあがめ、自分たちの上にあるものと
して身をつつしんできた。

この態度は、近代や現代に入って少しゆらいだ。

二十世紀末の人間たちは、このことを知ることによって
、古代や中世に神をおそれたように、再び自然をおそれ
るようになった。

やはり、自然の力は偉大であり、自然の力を利用させて
もらうという、へりくだった態度が重要ではないかと
思います。

自然に対する威張りかえっていた時代は終わっていき、
自然との共存の時代がやってくるに違いない。