医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

東京女子医大を家宅捜索 特別背任容疑 実態ない職員に給与支払いか

2024-03-30 20:25:11 | 医療界

 東京女子医科大(東京都新宿区)の同窓会組織にあたる一般社団法人「至誠会」から勤務実態のない職員に給与が支払われ、会に約2000万円の損害が生じた疑いがあるとして、警視庁捜査2課は29日、一般社団法人法違反(特別背任)容疑で、大学本部や岩本絹子理事長(77)の自宅など十数カ所を家宅捜索した。捜査関係者への取材で判明した。

 捜査関係者によると、特別背任の疑いが持たれているのは、至誠会が運営する「至誠会第二病院」(東京都世田谷区)の元職員で50代の女性と、病院の元事務長で職員の給与を管理していた50代の男性。2人は2020年5月~22年3月ごろ、女性に病院での勤務実態がなかったにもかかわらず、給与として計約2000万円支払わせ、至誠会に損害を与えた疑いがあるという。

 関係者によると、女性は岩本氏が院長を務める葛西産婦人科(東京都江戸川区)の元従業員で、15年4月から至誠会との間で雇用契約を結んでいたとされる。

 岩本氏は1973年に東京女子医大を卒業。葛西産婦人科を開業して産婦人科医として働く傍ら、08年に東京女子医大の理事に選ばれ、19年4月から理事長を務めている。一方、大学の経営方針を巡り、卒業生の一部が23年3月、理事会の承認を経ずにコンサルタント会社と業務委託契約を結んだり、取引先に多額の資金提供をしたりしたなどとして、背任容疑で岩本氏を警視庁に刑事告発した。

 ホームページなどによると、至誠会は東京女子医大の卒業生らの出資で設立され、23年6月末時点で約4500人の会員がいる。至誠会第二病院の他に、看護専門学校も運営している。

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