医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

地裁付審判 新潟警察官に無罪判決 対象者にけが「正当防衛」

2018-06-30 21:01:12 | 法曹界
 鎌ヶ谷市初富の路上で2013年、捜査対象の男性(54)にけがをさせたとして、特別公務員暴行陵虐致傷罪で付審判決定を受けた新潟県警警部補の佐藤文彦被告(39)に千葉地裁(岡部豪裁判長)は29日、「暴行は認められるが、正当防衛だった」として無罪判決を言い渡した。検察官役の指定弁護士による求刑は懲役2年だった。

 判決によると、ヤミ金事件の内偵捜査中だった13年12月17日午後1時25分ごろ、男性に不審者として問い詰められた部下を逃がそうとして男性ともみ合った際、男性が転倒して右のすねを骨折した。弁護側は「男性のけがは自ら転倒してことによるものだ」と無罪を主張していた。

 岡部裁判長は、佐藤被告が男性に衣類をつかまれたままの状態で体を反転させる暴行を加えたことを認めた上で「男性が被告人の腕や衣類を執拗(しつよう)につかんだのは違法。暴行はやむを得ず、正当防衛が認められる」と述べた。

 指定弁護士は「判決内容を精査し対応を検討する」とコメント。被告の弁護人は「暴行が認められたのは不満だが、無罪だったことは評価したい」と話、新潟県警の担当者は「適切な判断がされたと考える」とした。

 付審判は捜査機関などによる犯罪が恣意(しい)的に不起訴となるのを防ぐための制度。最高裁によると、1951年以降、他に21件の付審判決定があり、いずれも判決が確定している。

2018年6月30日 千葉日報

元警部に有罪判決 譲渡目的で口座開設

2018-06-30 21:00:40 | 法曹界
 県警を退職後、譲渡目的で金融機関に口座を開設して通帳やカードをだまし取ったして、詐欺の罪に問われた県警捜査4課の警部だった秋本裕次郎被告(47)に千葉地裁(中村海山裁判官)28日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。

 判決理由で中村裁判官は「元警察官として社会に与える影響を認識していたにもかかわらず、ギャンブル資金のためにヤミ金業者から借金を繰り返し、返済に窮して犯行に及んだ」と指摘。一方で「直接生じた財産的損害は大きくない」と述べた。

 判決などによると、昨年3月と5月、千葉市内の金融機関2カ所で、第三者に譲渡する目的で口座を開設して通帳やカードをだまし取り、返済代わりにヤミ金業者に渡した。譲渡目的で少なくとも10件の口座を開設し、実際に別人が口座を利用していたことが確認されている。

2018年6月30日 千葉日報

58歳裁判官を戒告処分 判決文を下書きのまま判決言い渡し 退官の意向示す

2018-06-30 20:57:02 | 法曹界
 岐阜地裁は29日、下書き判決文で判決を下していた山崎秀尚裁判官(58)を名古屋高裁が戒告の懲戒処分としたと発表しました。処分は28日付です。

 岐阜地裁によりますと、山崎裁判官は名古屋地裁岡崎支部に所属していた今年3月までの4年間、担当した36件の民事訴訟事件で下書きの判決文で判決を言い渡していたということです。

 山崎裁判官は「事務作業に追われやむをえなくやった」と認め、辞職する意向を示しています。

2018年6月29日17:23配信 中京テレビNEWS

君津中央病院(2) 判決

2018-06-29 22:03:43 | 傍聴記
君津中央病院の循環器内科に対する医療裁判の判決がありました。医師が不整脈の患者さんに対して心臓カテーテル手術を施したところシースというカテーテルの挿入口を保護する医療器具のストロー状の管を体内に残して手術を終えてしまい、患者さんに後遺症が残ってしまったという事件です。

判決は、被告病院は患者さんに金40万3000円支払えという認容判決です。

原告側代理人 伊藤紘一弁護士(伊藤紘一法律事務所)
被告側代理人 青木浩文弁護士(平沼高明法律事務所)

高岡典子医師 医師法違反 診療報酬詐欺事件 第3回公判

2018-06-21 22:20:10 | 傍聴記
802号法廷(岡田健彦裁判長)午前10時から午後5時まで4人の方の証人尋問がありました。検察側の証人尋問の立証趣旨で、夫である利昌被告との共謀の有無及び詐欺における欺罔行為の故意性に争いがありますので、そちらにも注目をして傍聴しています。

午前中は、高岡医院(高岡西洋医学東亜医学医院)で平成28年3月から4月(高岡典子医師の医業停止期間 平成27年10月15日から平成30年10月14日)まで管理医師をされていたA子医師の親しいお知り合いの方が証言されました。
その方の証言によりますと、A子医師には、認知症の疑いがあったのですが、H医師の仲介により高岡医院に勤務することになったようです。しかし平成28年4月28日には、主に仕事が忙しいという理由で船橋の自宅へ逃げて帰って来ました。勤務日が月水金だけの約束が毎日、医院の近くのアパートに住み込みで働かされて嫌になってしまったようです。しかし、高岡被告夫婦が船橋の自宅まで「患者さんが医院で待っているので戻ってきてください」と連れ戻しに来てA子医師は困っておられました。A子医師と以前から親しく付き合っていましたので、代わりにお断りの連絡をする事になり電話をしましたら高岡先生が感情的になって「何を言っているの、あなたに話すことはありません」などと怒鳴られました。
その後もA子医師のところには何度か高岡医師から復職を希望する電話連絡があったようです。あまりにしつこく言われたので、A子医師はまた戻ると言ってしまったようです。
その事をH医師に相談すると、辞めるのなら認知症の診断書と退職願いの提出をしたらどうかとの助言を頂いたので、A子医師と近隣の病院にかかりましたところ認知症に間違いないと診断を受けてすぐに入院することになりました。入院中の5月下旬から6月初旬まで毎日、高岡先生からは電話があったようです。7月には病院を退院して老人ホームに入られました。
(A子医師は裁判所に出頭できないようです)高岡被告側の弁護士からは証人の証言が伝聞証拠になる可能性があると指摘があり裁判所、検察側に何度か注意が入りました。

つづいて午後からは高岡医院に勤めていた方の証言になります。
>平成28年6月頃にA子医師が診察しているのを見たことがありますか?
ありません。しかし診断書、レセプトにはA子医師の名前を使っていました。
そうするように言われていました。
>A子医師の事で他に何か指示されていた事がありますか?
外部からの対応で、誰が高岡医院で診察していますかと聞かれたら高岡医師でなくA子医師がしていますと答えなさいと言われていました。なんで医院を開いているのかと不思議だと思っていました。以前も同じ犯罪で捕まって有罪判決を受けているのに、また同じことをやってしまって犯罪の片棒を担いでいるようでした。患者さんからも苦情が来ていて、保健所に連絡して医院を指導して欲しいと頼みました。
保健所は来てくれて指導はしたのですが、高岡先生は反省をしませんでした。保健所が置いて行った文書も破いてゴミ箱に捨ててしまいました。それ以上保健所が動いてくれないということで、警察に連絡することになりました。1回目は匿名なので警察が動きませんでしたが2回目は氏名を名乗ると警察が調べることになりました。
>リハビリ計画書は、誰が書いていましたか?
オーナー(利昌被告)だと思います。
>誰の名前で書いていましたか?
リハビリを勤めていたKさんの名前です。
Kさんは目が不自由で、診察をすることや病名を書くことは出来ません。
>なぜ医院を続けていたのでしょう?
跡継ぎの為のようです。
>高岡医師と利昌被告との力関係はどうでしょう?
オーナーが上のようでした。

つづきまして、高岡医院に10年ぐらい来ていらっしゃる主婦の患者さんの証言です。
薬を貰いに医院に通院していました、高岡先生は気さくな先生です。以前の詐欺事件の件では迷惑を掛けましたなど謝られました。そんなに悪い風には見えませんでした。
ただオーナーは喜怒哀楽が激しく穏やかでない時にはスタッフや患者さんにも荒く指示をする事がありました。平成28年10月ぐらいまで医院には行っていました。

つづきまして、高岡医院と取引があった金融機関の方の証言です。
平成27年4月から平成29年3月まで取引先としてお付き合いをしていました。
高岡医院は、グループ企業4社がありまして、貸付金が1億円あります。
その毎月の支払の事で時々、医院に伺っていました。
平成28年の1月の事ですが、最初に管理医師をお願いしていたK医師が患者さんから苦情が多くて困っている、医院のために辞めてもらう、次の医師を探しています。と言われたので、こちらとしては返済が滞ると困ります早く医師を探して下さいと言いました。
その後、3月に新しい医師としてA子医師が見つかり、すぐに来てもらうことになりました。それで4月からは返済額を毎月10万円から15万円にする合意をオーナーと致しました。
しかし、6月頃からA子医師が体調を崩していて、非常勤の医師を日当1万円で雇っていると聞きましたが、その医師とは一度も会っていません。12月頃に来年の4月には娘さんが医師として戻ってくるのでそれまでは頑張っていきますと言っていました。
平成29年の1月に警察から調査依頼が来ました。


また7月中に裁判があります。