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医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

731部隊「戦争の狂気」 無数の人体標本、今も脳裏に 95歳元少年隊員「体動く限り証言」

2025-08-13 19:17:42 | 医療界

 無数の人体標本は、今も脳裏に焼き付く。

 戦時中、旧満州(中国東北部)で細菌兵器開発や人体実験を行った旧日本陸軍の関東軍防疫給水部(731部隊)。元少年隊員の清水英男さん(95)は「やってはいけないことを平気でやる。それが戦争の狂気だ」と話し、風化防止へ証言を続ける。

 長野県宮田村の清水さんは1945年3月、地元の国民学校高等科を卒業。教師の推薦を受け4月に14歳で「見習い技術員」として旧満州のハルビンに渡った。「731部隊との説明はなく、『技術員』なのでもの作りの仕事だと思った」  入隊後の約10日間は軍人勅諭を覚えるなどして過ごした。その後「実習室」に配属され、白衣の上官らに囲まれた。目的を知らないまま菌を寒天で培養し、病原菌の基礎知識を詰め込まれた。

 7月ごろ、部隊の本部2階の「標本室」に入った。心臓、肺、脳、体内に胎児が見える女性。部屋には、人体実験のための外国人捕虜「マルタ」の標本瓶が無数にあったという。

 「しっかり見ろ」。上官に言われ、ホルマリンの臭いで目が痛む中、涙を流しながら見た。標本室に入ったのは一回だが「見たものは今も頭の中にある。忘れようと思っても忘れられない」。

 8月9日、旧ソ連が旧満州に侵攻。11日には本部から煙が上った。撤退を控え特設監獄にいた捕虜の遺体を焼いたとみられる。翌日、焼却後の骨拾いを命じられた。「嫌だったが仕方なくやった。骨は重かった」と振り返る。

 終了後は同僚と監獄に爆弾を設置した。部屋の壁には指による血文字で中国語やロシア語が書かれていた。証拠隠滅のため、部屋は爆破された。

 14日朝、上官から自決用の拳銃と青酸化合物を手渡された。拳銃はトランクに隠し、青酸化合物は二重に履いた靴下の間に入れた。夕方から列車で移動を始め、15日には新京(現長春)手前で終戦を知った。翌日に着いた奉天(現瀋陽)では先輩から帰国を告げられ、安堵(あんど)した。拳銃と青酸化合物は釜山から日本に帰る船上で投げ捨てた。

 清水さんは帰国の際、「731部隊の軍歴を隠す」「公職に就かない」「隊員相互の連絡を取らない」ことを命じられた。病院関係の仕事も禁じられたため、帰国後は建築士の資格を取って事務所を開いた。731部隊による人体実験や生体解剖などは、部隊関連の書籍を読んで初めて知った。

 「戦争が続いていれば自分も生体解剖をさせられていたかも」と話す清水さん。現在は地元の中学校を中心に経験を語り続ける。インターネットでは証言への中傷も見られるが「731部隊のような人の道を外れたことが再び起きたら大変だ。体が動く限り証言を続けたい」と力を込める。 

2025年8月13日 時事通信


大川原化工機えん罪 警視庁公安歴代幹部ら19人処分・処分相当

2025-08-10 20:25:02 | 法曹界

横浜市の「大川原化工機」の社長など3人が逮捕され、その後、無実が明らかになったえん罪事件で、警視庁は7日、「公安部長ら捜査の指揮系統が本来発揮すべき機能を果たさず、大きな過ちにつながった」などとする内容の検証結果を公表しました。

また、警察当局は退職者を含む警視庁公安部の歴代の幹部らあわせて19人を処分、または処分相当としました。

横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原正明社長など幹部3人は5年前、軍事転用が可能な機械を不正に輸出したとして逮捕・起訴されましたが、その後、起訴が取り消され、無実が明らかになりました。

社長などは「違法な捜査で苦痛を受けた」として訴えを起こし、東京高等裁判所はことし5月、警視庁公安部と東京地検の捜査の違法性を認めて都と国にあわせて1億6600万円余りの賠償を命じ、この判決が確定しました。

これを受けて、警視庁は副総監をトップとする検証チームを立ち上げて一連の捜査の問題点について検証を進め、その結果をまとめた報告書を7日公表しました。

今回の事件の捜査は警視庁公安部外事1課の管理官ら2人が中心になっていたということですが、報告書では、この2人が積極的に捜査を進める中、捜査員からの慎重な意見に耳を傾けようとせず、捜査方針を再考する機会が失われていたと指摘しています。

さらに、公安部長ら幹部への捜査状況の報告が形骸化し、実質的な捜査指揮が存在しなかったとしたうえで、「捜査の指揮系統が本来発揮すべき機能を果たさず、大きな過ちにつながった」と結論づけています。

検証結果を受けて、迫田裕治警視総監は7日に異例の記者会見を開き「捜査の基本を欠き、真摯(しんし)に反省しています。逮捕された3人の方々や捜査対象となった会社の関係者の方々に多大なご心労、ご負担をおかけしたことについて、改めて深くおわび申し上げます」と述べて謝罪しました。 

警察当局は7日、3人が逮捕された当時に公安部長を務めていた近藤知尚氏を「警察庁長官訓戒」相当とするなど、退職者を含む警視庁公安部の歴代の幹部らあわせて19人を処分、または処分相当としました。

公安部長と参事官2人、それに公安総務課長のいわゆる「四役」を務めた幹部は10人に上っていて、3人が逮捕された当時に公安部長を務めていた近藤知尚氏は「警察庁長官訓戒」相当、参事官を務めていた中島寛氏は「警察庁長官官房長注意」としました。

強制捜査に乗り出すおよそ2か月前まで公安部長を務めた元幹部を警察庁の「口頭厳重注意」相当としています。

歴代の外事1課長4人も対象となっていて、このうち逮捕当時の課長だった名倉圭一氏は「警視総監訓戒」相当、ほかの3人は「警視総監注意」相当、「警務部長注意」相当などとなっています。

現場の捜査の中心を担っていた外事1課の管理官と係長の2人については、減給1か月の懲戒処分相当としました。

また、取り調べを担当した捜査員3人も処分の対象となり、このうち大川原化工機の取締役だった島田さんを担当した捜査員は「警務部長訓戒」としました。

警視庁は今後、再発防止に向けて、重要事件については公安部長が取りしきる捜査会議を導入するほか、公安総務課に捜査の監督・指導を行う部署を新たに設けるなどの対策を実施するとしています。

19人のうち、10人はすでに退職しているため処分はできませんが、減給1か月の懲戒処分相当となった2人は、減給にあたる額を自主返納したいと話しているということです。

2025年8月7日 NHK


依頼人から和解金など計7600万円詐取・着服、元弁護士に懲役8年求刑…検察側「隠匿工作も悪質」

2025-08-10 20:21:40 | 法曹界

千葉市の歯科医院・元院長が詐欺の疑いで再逮捕 女性患者から約300万円詐取か 千葉県警

2025-08-07 21:09:07 | 医療界

千葉市の歯科医院で患者から現金をだまし取ったとして逮捕・起訴された元院長が別の患者からもおよそ300万円をだまし取ったとして再逮捕されました。

詐欺の疑いで再逮捕されたのは、千葉市にあった「高橋デンタルオフィス」の元院長・高橋仁一容疑者(58)です。

高橋容疑者は2021年2月、患者の女性(50代)に対し、「講演会に女性の症例を資料として使用したい」「講演会の協力金を支払えば、インプラントメーカーから治療費が全額返済される」などとうその説明をして、現金およそ300万円をだまし取った疑いがもたれています。

警察は高橋容疑者が犯行に及んだ理由として、歯科医院の賃料などの負債が膨らみ、自転車操業となっていたことが背景にあるとみています。

取り調べに対し、高橋容疑者は黙秘しています。

高橋容疑者は別の患者の女性から同様の手口で現金200万円をだまし取ったとして今年6月に逮捕され、その後、起訴されています。

警察は高橋容疑者が資金集めのため、これまで1億円以上をだまし取ったとみて、余罪を詳しく調べています。

2025年8月6日 TBSテレビ


弁護士が依頼人から預かった約9000万円の遺産の返還に応じていない疑い 兵庫県弁護士会が公表 調査結果によっては処分も検討

2025-08-07 21:06:31 | 法曹界

 兵庫県弁護士会は4日、会に所属する弁護士が依頼者から預かった約9000万円の返還に応じていない疑いがあると公表しました。現在は調査を進めている段階ということです。

 9000万円の返還に応じていないとされているのは、セントラル法律事務所(神戸市中央区)の岡田清人弁護士です。

 弁護士会によりますと、遺言執行者として指定された岡田弁護士が預かった遺産約9500万円を配分せず、4月11日から連絡が取れないという内容の懲戒請求書が、遺産の相続人から5月に提出されたということです。

 岡田弁護士は会側の調査に応じていませんが、会側から問題を公表する方針を伝えたところ、「預かり金・着手金の返還を進めている。公表は差し控えてほしい」と回答したということです。

 調査結果によっては今後、懲戒委員会が処分を検討するということです。

2025年8月5日 ABCニュース