医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

東京医大、国会議員依頼に便宜 不正不合格さらに109人

2018-12-30 20:38:35 | 医療界
 東京医科大(東京都)の不正入試問題で、同大は29日、第三者委員会の最終調査報告書を公表した。新たに2013年から16年の4年間の入試で女子や多浪の男子を不利に扱う得点操作で計109人が不正に不合格とされていた可能性があると指摘。国会議員の依頼を受けて受験生に便宜を図っていた疑惑や事前に入試問題が漏えいした可能性も明らかになった。

 東京医大はこれまで今年と昨年の医学部の入試で不正な得点操作がなければ合格ラインに達していた受験生は計101人に達すると発表している。

 第三者委が時期をさかのぼって13~16年の入試を調べたところ、一般入試とセンター試験利用入試で女子66人、男子43人が不当に不合格とされていた。内訳は、13年42人(男子27人、女子15人)▽14年24人(男子7人、女子17人)▽15年22人(男子4人、女子18人)▽16年21人(男子5人、女子16人)――だった。

 特定の受験生の優遇は、多くが臼井正彦前理事長(贈賄罪で在宅起訴)と鈴木衛前学長(同)の指示で行われていた。2人の保管する資料からは、特定の受験生への配慮を求める手紙なども見つかり、「2500」などと寄付金を疑わせるメモも含まれていた。

 資料や大学関係者へのヒアリングから、政治家との関わりも浮上した。13年の看護学科の入試では臼井前理事長が担当者に、当時国会議員だった人物から依頼を受けた受験生に便宜を図るよう指示していた。受験生は29人を飛び越えて補欠合格した。医学科では、別の国会議員に対して大学関係者が特定の受験生の名前や受験番号を記したファクスを送っていた。この政治家から何らかの依頼があったとみられるが、調査では合否への影響は分からなかった。

 調査の過程では「試験問題が手に入った」と予備校で話していた受験生がいたとの情報も提供された。受験生の成績は推薦入試の小論文で全受験生のトップだった。大学関係者は漏えいを否定しており、報告書は「問題指摘にとどめ、判断は留保する」とした。

 報告書によると、性別などによる調整は06年の入試を機に当時の伊東洋学長の指示で始まった。元学長は否定しているという。第三者委は「結婚や出産による離職率が男性に比べて高い女性の入学者をできる限り少なく抑える必要がある」との認識が歴代3学長、大学執行部の一部にあったと不正が続いた背景を分析した。【水戸健一】

2018年12月30日2:55配信 毎日新聞

妊娠公表した途端「離島に行かせてやる」 医療業界に残る圧倒的男社会

2018-12-30 20:17:32 | 医療界
 医学部の不正入試が問題となっている。公平性が問われるはずの大学入試で、なぜ不正が黙認されてきたのか? 未だジェンダーギャップから抜けられない、「圧倒的な男社会」である医療業界の現状を追った。

「不正入試は、あってもおかしくないと思っていました」

 愛知県内の大学に通う医学科5年の女子学生(22)はこう話す。各大学の男女比や普段接する医師らを見て、女子に不利な扱いをする学校があることは、うすうす感じていたという。

「圧倒的な男社会なのは学生でも感じます。『家事なんて男はやらない』と堂々と話す男性医師もいます。科によっては、出産した女性はキャリアを諦めるのは暗黙の了解。現場がこんな意識なのだから、入り口で差別があっても不思議はありません」

 12月14日、文部科学省は女子や浪人回数の多い受験生を不利に扱ったり、卒業生の子らを優遇したりしていた9大学を「不適切入試」とする最終報告を出した。先に行われた各大学の会見では、信じられないような釈明も飛び出した。特に女子受験生に不利な扱いをした理由については、理解しがたい理屈が並んだ。

「女子の方がコミュニケーション能力が高く、男子を救う必要があった」(順天堂大)

「女性医師を増やすと、診療科目によって医療崩壊の危機がある」(東京医科大)

 現役の産婦人科医で2児の母でもある宋美玄(そん・みひょん)さんは、こうした大学側の釈明にあきれ返る。

「私も『試験の点数は女子のほうがいいが、あいつらは働き続けない』という男性医師の声をずっと聞いてきました。女性医師自身にやる気はあっても、保育園が見つからないという理由で育休中に解雇された大学病院の医師もいます。女性医師は働かない、使いにくいから敬遠したい意識が医学界の常識であり、女子のコミュニケーション能力うんぬんで減点したというのは、必死で考えた言い訳でしょう」

 12月18日に公表された世界経済フォーラムの報告書では、日本はジェンダーギャップ(男女格差)が149カ国中110位で、主要7カ国では最下位だった。それだけ男女平等が進んでいないという指標だ。

 それを象徴するかのような医学界の現状。医学部不適切入試問題から透けて見えるのは、女性差別をはじめとする医学界の古い価値観だ。

 都内の病院に耳鼻科医として勤務する女性(35)は、「男性社会であることが当たり前」と話す。開業医の父は、家では超がつくほどの亭主関白で、専業主婦の母に「あれを取れ」「これを買ってこい」など指図している風景が日常だった。医師と結婚した女友達の多くも「夫は本当に何もしない」と嘆く。女性自身は長男出産後も仕事を続けたが、上司の男性医師からは「無理して復帰しなくてもいいよ」とさらりと言われた。

「上司に悪気はなかったが、そういう意識が男性医師のスタンダードで、今も変わらない」

 同期の女性医師はパワハラのような物言いをされた。この同期は、妊娠を公表した途端に勤務していた大学病院の教授から「離島に行かせてやる。出産しても辞めさせないからな」と叱責されたという。結局、同期はこうした環境に嫌気が差し、別の病院に移って行った。(編集部・作田裕史、熊澤志保、川口穣)

2018年12月30日8:00配信 AERA dot.

X線室で女児わいせつ 千葉大病院技師を起訴

2018-12-30 20:13:13 | 傍聴記
 勤務先の千葉大病院(千葉市中央区)のエックス線撮影室で、女児に自身の下半身を触らせたとして、千葉地検は28日、強制わいせつの罪で診療放射線技師、福田大樹容疑者(27)=同区星久喜町=を起訴した。

 起訴状などによると、12月7日、病院のエックス線撮影室で、検査を受けに来た県内に住む小学校低学年の女児に、下着を脱いで下半身を触らせるなどわいせつな行為をしたとされる。

 捜査関係者によると、他にも被害者がいるとみて、引き続き調べている。

2018年12月29日 千葉日報

妊婦351人の受診票紛失 木更津の病院

2018-12-30 20:12:21 | 医療界
 医療法人社団志仁会薬丸病院(木更津富士見)と同市は28日、10月に同病院で妊婦検査を受けた人の受診票計604枚(351人分)が紛失したことを明らかにした。受診票には、氏名、生年月日、住所、電話番号、出産予定日などが書かれている。現在のところ、紛失した受診票による個人情報の流出は確認されていないという。

 同病院の調査によると、病院職員が10月分の「医療機関委託妊婦・乳児健康診査受診票」が入ったレターパックを11月8日午後5時半ごろ、木更津駅前の郵便ポストに投かんしたが、その後の所在が不明になった。

 送り先はちば県民保健予防財団で、財団が受診票を確認し、病院へ公費負担分を入金する仕組みになっている。入金がないことが今月22日に分かり、紛失が発覚した。同病院は郵便局に調査を要請し、市や警察に事案を報告。対象者には謝罪文を送付した。

 同病院は今後、郵便局員に手渡しするなど送付方法を改め、再発防止に努めるという。同病院は「患者や家族に心配をかけ申し訳ない」としている。

2018年12月29日 千葉日報

死亡事故で職員減給 市原市

2018-12-30 20:11:03 | その他
 市原市は28日、車を運転中に前方不注意で交通事故を起こしたとして、スポーツ国際交流部の40代男性職員を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にした。

 市人事課などによると、男性職員は昨年4月14日未明、同市川在の市道で、自転車と共に倒れていた同市の男性=当時(67)=を運転していた軽乗用車ではね、死亡させた。

 捜査は任意で行われ、男性職員は自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪で略式起訴され、略式命令を受けて罰金20万円を納付。一方で示談交渉が長期化し、処分が先送りされていた。

 同市の小出譲治市長は「職員による交通事故で尊い命を亡くされたことは非常に残念で、心よりお悔やみ申し上げる。全職員に改めて法令順守と安全運転の徹底を周知する」とコメントした。


消防士の退職承認 市原、住居侵入で不起訴

 市原市は28日、元交際相手の女性の家に侵入したとして住居侵入容疑で逮捕され、不起訴(起訴猶予)となった市消防局の男性消防士(21)について、懲戒処分を行わず、依願退職を承認したと発表した。

 同局消防総務課などによると、男性消防士は女性に会うために無施錠の窓から侵入して逮捕され、保釈後に退職届を提出。社会的制裁を受けていることなどを理由に起訴は見送られた。

 懲戒処分をしない理由は「職員の行為と公務秩序維持の必要性とを比較衡量した結果、公務員の職を辞することにより責任を取りたいという重大な決断があったため」としており、高澤重義消防長は「改めて深くおわび申し上げる。皆さまの信頼を回復できるよう取り組む」とコメントした。

2018年12月29日 千葉日報