kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

第1回中高ハードル練習会4

2022-11-14 | 陸上競技

ここでは感じたことを率直に記録しておきたいと思います。この感覚も重要だと思うので。

 

ここも何度も書いていますが、「誰も来なかったらどうしようか」という不安がありました。どれだけの人数が来てくれるかというのは分からない。実際には15人近くの中学生が来てくれました。比率としては男子が5人くらい、女子が10人くらいです。もう少し色々な方法で告知したら違ってくるのかもしれません。

 

この人数が来てくれたことで「ニーズはある」というのを実感できました。今は「クラブチーム」が増えています。今回の私の取り組みは「お金を取って練習を教える」というものではありません。高体連などからサポートしてもらっていますから。できれば国体の強化部企画として「持続可能」になればいいなと思っています。中学生、高校生の強化は必須です。「協会」が存在するのであれば「強化」はやっていかないといけない。それができないと組織そのものの根底を覆すことになるからです。これが「跳躍」や「投擲」に派生していくと面白くなるだろうなと考えています。ハードルに対するニーズがある程度あるなら他の種目に対してもあると思うからです。意味のある第一歩だったかなと。

 

後は「ハードル選手」が集まってくることでしっかりと練習ができるという部分があります。中学校や高校では「ハードル選手」は各学校に1人か2人くらいしかいません。そうなるとハードルの準備なども大変です。色々なバリエーションのある練習をしようと思ってもハードルを並べるだけで多くの時間を要します。それが人が増えることで「省略」できる。練習の時間の確保ができます。中学生は「どんな練習をしたらいいのか分からない」というのもあると思います。そうであればみんなで集まって「この練習をしよう」とやっていくほうが効率も効果も高くなると思います。

 

一番感じたのは「中学生のために」と思っていた練習会が「高校生の成長の場」になるということ。中学生はまだまだ分からないことが多い。基本的なドリルをやっていたとしてもそれが何かは分からない。高校生は何度も練習会を実施しているので「こうやってやったほうがいいよ」と教えることができます。自分がやっていることの再確認にもなる。中学生と高校生の交流というのは今のご時世殆どありません。世代を超えたかかわりを作り出すことで「新しい何か」が生まれるのではないか。そう感じました。

 

高校生が中学生に丁寧に教える。普段であれば話すことはありませんが、一緒のグランドで話をする。今は中学校まで競技をやっていても高校になる時点で辞めてしまう子が多い。「競技人口」自体が大きく減っています。山口県のような人口が少ない県ではこの部分は致命的なことだと思っています。こういう繋がりを作っていくことで「高校に行ってもやってみよう」と思ってくれる子供たちが増えるのではないか。その「きっかけ」を作る一端を担うことができるかもしれないなと思っています。

 

あとは「保護者」が練習を見る機会を提供できるというのも大きいのかなと。今回は「保護者」の引率で練習会に参加した選手も多くいました。顧問が引率するという部分がこれから先減ってくるのではないかと思っています。日曜日に練習会をやると休む機会がなくなります。土曜日の午後に入れることで「休みも作る」ことができます。保護者が引率して連れてきてくれる形になれば、「練習をするかどうかを選択する」というのもできます。「やりたくない」と言われたら来なければいいだけのこと。「やりたい」と思うなら保護者にお願いして連れてきてもらう。「行くのが当たり前」という状況から変わりつつある今だからこそこういう「選択」ができるのかなと。

 

ありがたいことに選手たちは「笑顔」で練習に取り組んでくれていました。こちらも最大限に気を使いながらやっています。選手が「楽しくない」と思うような練習会であれば「次に行きたい」とは思わないからです。この部分に関しては私が思っているだけなので選手たちが「楽しい」と思ってもらえたかどうかは分かりません。今は昔と比べると「時代」と「価値観」が変わってきています。10年前の感覚で練習ができるかと言われたらできないと思います。子供たちを取り巻く環境が著しく変化しているからです。

 

その中で「退屈しない」という要素も必要なのかなと思っています。「幕の内弁当」のように「適切な量」が「バランスよく」配置されているのを見ると「食べてみよう」と思えます。苦手な料理が入っていてもそれ以外の料理で楽しめる。以前のように「同じことをひたすらやる」というのは中学生には受け入れられない感じがあるのかなと。そうであればこちらも「工夫」をして「意欲的に競技に取り組む」ことができる環境を整える必要があるのかなと。この部分も間違いなく自分の中での変化だと思いますね。これは高校でも同じだと思いますね。これまで通りではなく「今にあった形」を選んでいけたらいいなと。

 

別に「大きなこと」をやろうという気はありません。「みんなが強くなればいいな」と思う中で「どうすればそれができるか」を考えているだけです。これから競技指導をしていく中で「ハードルをやるために高校を選びたい」と言ってくれるようになると最高です。やっとスタートラインに立てました。が、これから先も同じように中学生や高校生が来てくれるかどうかは分かりません。不安はありますができることをやっていきたいと思います。

 

とりあえずまとめておきます。

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第1回中高ハードル練習会3

2022-11-14 | 陸上競技

続きを。

 

とにかくたくさんのことはできないと考えていました。高校生と中学生では「情報量の処理」が全く違います。学校で「専門的なこと」を言われることは少ないと思います。逆に「専門書に書いてあること」のような知識を身に付けてもらっても困ります。実際に必要な動きと教科書に書いてあることは違ったりします。私自身も陸上競技に関する書籍はかなり読んでいます。が、それが全て自分の目の前にいる選手に適用できるかどうかは別問題です。そうであれば「経験的に必要なこと」をしっかりとやるほうがいいと思っています。



最初の段階で「本当に必要な要素」について講義形式で話をしました。かなり多くの保護者の方がいらっしゃってくれていましたが、動画を撮られていました(笑)。いや、そこまでの話ではないのですが(笑)。こうなると恥ずかしいですね。話をしただけで中学生は理解できないかもしれません。そのために資料も準備しています。保護者や顧問の先生方と一緒にこの部分を確認してもらえると話が早いかもしれません。

 

その後、同じ場所で「抜き足のためのストレッチ」を。よく教科書には「股関節・膝・足首」がそれぞれ90度になるようにという感じで書かれています。この動きは「ハードルの空中フォーム」の切り取りなのだと思います。が、実際にそのレベルの動きでストレッチをしていても効果は少ないのではないかなと考えています。別の形でのストレッチを伝えています。私は「抜き足をコンパクトにする」ことが重要だと思っています。子のストレッチの形だと「大きく動かす」ことにならないか。実際の動きの感じに近いストレッチをするほうがいい。よく「股関節が詰まる感覚」という話をしますが、股関節が窮屈になるくらいの抜き足の動きをしたいなと思っています。そのために必要なストレッチです。

 

段階を追って。簡単なストレッチをしてから今度は壁を使っての「股関節回し」です。これも「動的な柔軟性」を高めるとともに「抜き足を立てる」動きの基礎になります。ハードルドリルなどをやるとハードル上で「抜き足を寝かす」感じでやっている選手がいます。これも「教科書通り」なのだと思います。しかし、実際の動きの時には少し体が倒れています。ハードリングで身体が立ちすぎていると上下移動が大きくなりすぎるのでそれは避けないといけない動きだと思っています。それなのに「ハードルドリル」では身体が起きた状態で抜き足を運びます。実際のハードリングのような「抜き足の動き」を真似る。だから「ドリル」と「実際」の動きのギャップが生まれるのだと思っています。間違った動きを最初からやり続けると結局それが「癖」になって残ってしまう。避けたい動きです。

 

ここまでは「マスク着用」で実施しました。こういう状況ですから何かを言われたら面倒なので。高校生と中学生がペアになって教える。高校生は何度か練習に参加してくれているのである程度のことは伝えられます。細かい部分ができないとしても「動きの真似」はできます。「股関節回し」では膝が脇の下に来るように直線的に立てて持ってくる。この状態が「股関節が詰まる」状態です。初めにハードルに足を載せて「立てる」という感じを作りました。この動きをやる時に「後ろから回して持ってくる」選手も出てきます。ここは細かく見ておきたい部分です。「立てて直線的に」というのを徹底したいなと思っています。重要。

 

ここまでで「股関節」に対しての刺激を入れています。そのまま「ハードル股関節バリエーション」を。これは股関節の柔軟性を高めるためにやっています。細かくいうと「接地位置の確認」や「膝締め」なども含まれてきますがこれは後ほどでいいと思っています。1つのことで多くの情報量を詰め込むのは無理。「教えたい」というのがあった頃にはその部分が自分の中にありました。が、色々と経験を積む中で「今はこれだけ」と我慢できるようになりました。私自身が成長させてもらっている部分もあります。ありがたい話です。これも高校生のお手本の中でやっていきました。

 

そこから「リズム抜き」を。これはハードルを並べてその間を大きく股関節を動かしながら抜いていく動きです。「速さ」を求めるのであれば膝を締めてコンパクトに持ってくるほうが良いので「狭く」設定しますし、「大きく」股関節から動かしたいと考えるのであれば「広く」設定します。「これくらいならできるだろう」と思って設定したのですがなぜか届きませんでした。ちょっと手間取りました。狭く設定して実施。中学生女子は「低く狭く」して、「股関節を大きく使う」というのを最優先事項にしました。慣れない動きなので最初はできませんが、やっていくうちにできるようになります。

 

この日の練習の初めに中学生には「できなくてもいいよ」と話していました。最初からできるわけがありません。「できない」が「できる」になるのが練習だと思っています。その部分も含めて「やっていくうちにできる」ようになる。恥ずかしがってやらないのではなく「できるようになるまでやる」というのが重要かなと。

 

このあたりですでに中学生はかなりきつかったと思います。ほとんどやっていませんが。それでも「今までやったことがない」というものをやるだけでストレスです。大きな負荷をかけてしまうと故障にもつながります。無理のないように抑えながら。

 

少し休憩を挟んで「ハードル軸ドリル」を。これもどこでもやってそうな練習です。その場でハードルを越えていく。重心移動がない中でやるので比較的やりやすい内容です。ここがベースになるので。サイドの歩行→リズム、前後の歩行→リズム。本当は何セットかやりたいのですが中学生に合わせて1セットだけ。この辺りで活発に話ができる子は「このあたりがやばい」と股関節をお尻の辺りを触っていました。これだけで今回の練習会の意味があったなと思います。この手の動きをやるだけで「股関節周辺の強化」ができます。ハードルを跳ぶというだけではなく「足が速くなる」ためにも必要な要素です。大きな動きを入れるのはここまでかなと。

 

最後に負荷がかからないように「壁ハードル」を。これは「アプローチ」と「抜き足」です。かなり股関節周りに来ているので本当に「基礎の基礎」だけで終わってしまう感じになりますが。ハードルを一切跳ばない中で「ハードル練習会」を行うというのはどうなのか(笑)。とはいえ、必要な事はやっておかなければいけない。それが「アプローチ」と「抜き足」です。

 

壁の広さに限界があるので「段差」を使った「アプローチ」の練習にしました。倒れかかって我慢できなくなったら足を出す。その時にハードルを跳ぶために必要な姿勢を作る。見ていると最初の段階では半分くらいの選手が「足だけ」になるという部分に気づきます。股関節が開いたとしても重心が後ろに残っている状況での姿勢。これではハードルにはつながりません。ここも丁寧に。アームの使い方も指示しながら。途中訳の分からない話をしましたが、ノリで付き合ってくれる高校生もいるのでなんとなく明るくなる(笑)。

 

抜き足は金網のところまで行って手をついて実施。「前まで持ってくる」というのを徹底。この辺りは何人かでやるという感じでしょうか。3人1組になるので。今回の練習会で気を付けていたのは「全員にきちんと指導する」という部分です。競技力が高い選手だけではなく「これから本格的にやってみよう」という選手に対しても教えていきたい。何度も書いていますが「勧誘のための練習会」ではないからです。ここを間違えると本当にめんどくさいことになります。完全に平等とはいかないと思いますが、できない子に対してもきちんと関わるようにしていました。重要なことかなと思っています。(当たり前)。

 

最後に「きんにくん腹筋」をして終わり。2セット。高校生は20秒運動10秒休憩、中学生は10秒運動20秒休憩です。中学生はあまり補強をしないかもしれません。成長段階であればそこまでやらなくてもよいのかも。が、必要最低限の部分はやってもいいと思っています。身体作りの部分も含めてが練習会だと思っています。走る量を増やすのではなく「色々なことやる」というのが重要なのかなと。

 

この中から「山口県を代表する選手」が育ってくれるといいなと話しました。本当にそう思っています。

 

やったことの概要はこんな感じです。感じたことに関してはまた別に書きます。長いですね(笑)。

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第1回ハードル練習会2

2022-11-14 | 陸上競技
ハードル練習会のことを。今回は初めて「正式」に練習会をすることになりました。これまでは何となく「やりたいんだけど」という連絡をしてそれを各高校の顧問に一斉メールで送ってもらう形でやっていました。今回は各方面に話をして筋を通してからの実施。協力してもらえたことは本当に大きなことだと思います。

本当に中学生の参加者がいるのかどうか不安な部分もありましたが、15人程度の参加がありました。これは予想以上に大きな話だと思います。本当にありがたいことです。参加者が1名とかになる可能性もあると思っていたからです。元々は3年生が春までに身体を動かすきっかけになればと思っていました。が、長いスパンで考えたときには中学1・2年生に対してもアプローチしておく必要があります。きちんとした動きを身に付けてもらうのはやはり早いほうが良い。そう思っています。高校生も含めて30人超の人数となりました。

最初にogw先生のほうから「開始式」のようなものを。いつもの流れでやると中学生は戸惑うだろうということで。まー普段は適当な流れの中で始めていますから(笑)。かなり真面目な話をしてくれました。いや、真面目(笑)。かなり緊張感が高まったので私が適当に始める(笑)。「練習会」ですが、「軽い感じでやりたい」と思っています。今回は「第1回目」ということで「正式な形」で始めました。これはこれで重要なことだと思います。次はどうなるか分かりませんが。

今回はnsy先生、hsm先生、okn先生に手伝ってもらいました。更に前任校のハードル選手にも。一人で何かをやるというのは不可能です。様々な形で協力をしてもらいながらやらないとできません。せっかく選手に来てもらっても「十分な指導」ができないというのであればやる意味がなくなってしまうからです。「やることに意味がある」という部分は少なからずあります。しかし、どうせやるなら「効果の高いことをしたい」と思っています。この部分は外せません。個人的な感覚の部分もあるかもしれません。中学生に無理をさせないためにも様子を見ながらやっていくという感じでした。

最初は「ハードルの課題」について話を。これも数年前に作った資料を配布しました。様々なカテゴリーがありますが、「高校生に必要な基礎的な部分」という感じでまとめたものです。もっとレベルが上がればそこを求めていく必要もあると思います。しかし、我々が目の前で指導しているのは中学生や高校生です。トップ選手がやるような動きはできません。段階的にそこに近づいていけば良いのかなと思います。それも長年様々な形で高校生や成年選手の指導をさせてもらった部分だと思います。本を読んでとか動画を見てとかではなく「現場で必要だと感じたこと」です。

まずはその部分を資料を使いながら説明させてもらいました。リード足、抜き足、踏切etc.最近特に思うのは「知識過剰」になることを避けないといけないなと思っています。難しい理論的な話をしても中学生や高校生には分からない。その中で指導する側が「理論的な理解」を求めても飽和状態になって選手が混乱します。シンプルに「必要なこと」をやっていく。できるようになってもっと細かい部分が必要になってきた際に「なぜそれが必要か」を考えていく。指導者向けの講習会であれば細かい部分も必要かもしれません。しかし、「中高生」ですから、「やってみる」ことが重要です。とはいえ、「何でそれをやるのか」については少しでも理解してもらわないといけません。

なかなか分かってもらえない部分ですが、ハードルを跳ぶ時の「リード足」を最初から伸ばして跳ぼうとする選手がいます。ハードルの写真などを見ると「空中動作」の場面が載っているからです。ハードルを跳ぶ時には「リード足を伸ばす」というのが「当たり前」だと思われます。リード足を降ろす時には確かにリード足が伸びます。が、踏み切ってからハードルに向かうまでにリード足が伸びてしまうと「持ってくるのが遅くなる」のです。「大きなもの」を振り回そうとするよりも「小さなもの」を動かすほうが力も小さいですし、速く動きます。見た目の動きと比べて実際に意識してほしい動きは違うのです。それを細かく話しても理解できないと思うので、できるだけシンプルに。抜き足も同様。保健体育の教科書に書いてあるような動きをしても抜き足はスムーズにならないと思っています。大きく動かすことになりますし、股関節が使えない状況を生み出すからです。また、どうしても「ハードリング」に着目してしまいますが、実際は「踏切」の瞬間にある程度のことは決まってしまいます。ハードリングの基本はきちんと踏み切ることです。ここができるかどうかも大きい。多くの要素があります。だからこそ「基礎基本」は大事です。この部分を早い段階で身に付ける。もちろん時間はかかります。そうであれば尚更、「正しい動き」について理解しておく必要があります。

うーん。少し長くなりそうです。また別に書けたらと思います。多分。
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