ここでは感じたことを率直に記録しておきたいと思います。この感覚も重要だと思うので。
ここも何度も書いていますが、「誰も来なかったらどうしようか」という不安がありました。どれだけの人数が来てくれるかというのは分からない。実際には15人近くの中学生が来てくれました。比率としては男子が5人くらい、女子が10人くらいです。もう少し色々な方法で告知したら違ってくるのかもしれません。
この人数が来てくれたことで「ニーズはある」というのを実感できました。今は「クラブチーム」が増えています。今回の私の取り組みは「お金を取って練習を教える」というものではありません。高体連などからサポートしてもらっていますから。できれば国体の強化部企画として「持続可能」になればいいなと思っています。中学生、高校生の強化は必須です。「協会」が存在するのであれば「強化」はやっていかないといけない。それができないと組織そのものの根底を覆すことになるからです。これが「跳躍」や「投擲」に派生していくと面白くなるだろうなと考えています。ハードルに対するニーズがある程度あるなら他の種目に対してもあると思うからです。意味のある第一歩だったかなと。
後は「ハードル選手」が集まってくることでしっかりと練習ができるという部分があります。中学校や高校では「ハードル選手」は各学校に1人か2人くらいしかいません。そうなるとハードルの準備なども大変です。色々なバリエーションのある練習をしようと思ってもハードルを並べるだけで多くの時間を要します。それが人が増えることで「省略」できる。練習の時間の確保ができます。中学生は「どんな練習をしたらいいのか分からない」というのもあると思います。そうであればみんなで集まって「この練習をしよう」とやっていくほうが効率も効果も高くなると思います。
一番感じたのは「中学生のために」と思っていた練習会が「高校生の成長の場」になるということ。中学生はまだまだ分からないことが多い。基本的なドリルをやっていたとしてもそれが何かは分からない。高校生は何度も練習会を実施しているので「こうやってやったほうがいいよ」と教えることができます。自分がやっていることの再確認にもなる。中学生と高校生の交流というのは今のご時世殆どありません。世代を超えたかかわりを作り出すことで「新しい何か」が生まれるのではないか。そう感じました。
高校生が中学生に丁寧に教える。普段であれば話すことはありませんが、一緒のグランドで話をする。今は中学校まで競技をやっていても高校になる時点で辞めてしまう子が多い。「競技人口」自体が大きく減っています。山口県のような人口が少ない県ではこの部分は致命的なことだと思っています。こういう繋がりを作っていくことで「高校に行ってもやってみよう」と思ってくれる子供たちが増えるのではないか。その「きっかけ」を作る一端を担うことができるかもしれないなと思っています。
あとは「保護者」が練習を見る機会を提供できるというのも大きいのかなと。今回は「保護者」の引率で練習会に参加した選手も多くいました。顧問が引率するという部分がこれから先減ってくるのではないかと思っています。日曜日に練習会をやると休む機会がなくなります。土曜日の午後に入れることで「休みも作る」ことができます。保護者が引率して連れてきてくれる形になれば、「練習をするかどうかを選択する」というのもできます。「やりたくない」と言われたら来なければいいだけのこと。「やりたい」と思うなら保護者にお願いして連れてきてもらう。「行くのが当たり前」という状況から変わりつつある今だからこそこういう「選択」ができるのかなと。
ありがたいことに選手たちは「笑顔」で練習に取り組んでくれていました。こちらも最大限に気を使いながらやっています。選手が「楽しくない」と思うような練習会であれば「次に行きたい」とは思わないからです。この部分に関しては私が思っているだけなので選手たちが「楽しい」と思ってもらえたかどうかは分かりません。今は昔と比べると「時代」と「価値観」が変わってきています。10年前の感覚で練習ができるかと言われたらできないと思います。子供たちを取り巻く環境が著しく変化しているからです。
その中で「退屈しない」という要素も必要なのかなと思っています。「幕の内弁当」のように「適切な量」が「バランスよく」配置されているのを見ると「食べてみよう」と思えます。苦手な料理が入っていてもそれ以外の料理で楽しめる。以前のように「同じことをひたすらやる」というのは中学生には受け入れられない感じがあるのかなと。そうであればこちらも「工夫」をして「意欲的に競技に取り組む」ことができる環境を整える必要があるのかなと。この部分も間違いなく自分の中での変化だと思いますね。これは高校でも同じだと思いますね。これまで通りではなく「今にあった形」を選んでいけたらいいなと。
別に「大きなこと」をやろうという気はありません。「みんなが強くなればいいな」と思う中で「どうすればそれができるか」を考えているだけです。これから競技指導をしていく中で「ハードルをやるために高校を選びたい」と言ってくれるようになると最高です。やっとスタートラインに立てました。が、これから先も同じように中学生や高校生が来てくれるかどうかは分かりません。不安はありますができることをやっていきたいと思います。
とりあえずまとめておきます。