◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/10月11~10月20日

2023-10-12 09:21:21 | Weblog
※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。


コメント (40)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の秀句/10月11日~10月20日

2023-10-12 09:20:05 | Weblog
10月20日(1句)

★椎の実や産土神は遠くなり/桑本栄太郎
この句では厳密に産土神を意識しているとは思えないが、生まれた土地を離れ、都市に生活する者には、故郷は遠くなり、守護してくれる産土神も遠く感じられる。そういうことを、懐かしい椎の実を拾うにつけ遠くなった故郷を思い起すという。(髙橋正子)

10月19日(1句)

★夕月夜世代それぞれ友二人/川名ますみ
夕月夜に居合わせた二人の友と私。二人の友は世代が違う。それぞれの思いをもって夕月夜を楽しんでいる、静かで幸福感のある夜。(髙橋正子)

10月18日(1句)

★刈り取られ匂い立ち居りふじばかま/桑本栄太郎
藤袴は秋の七草のひとつで、今では絶滅が危ぶまれる草であるが、芳香がある。昔、武士が兜の下に入れ、頭の匂いを和らげたということも伝わる。栽培されているものであろうか、刈り取られた藤袴は意外にも芳しく匂っていたのだ。(髙橋正子)

10月17日(1句)

★初鴨や長き水脈引き群れており/廣田洋一
初鴨を見るのは新しい季節の到来でもあるので嬉しい。来るや長い水脈を引いてたくさんの鴨が泳いでいる。元気そうで楽しい。(髙橋正子)

10月16日(1句)

★蜻蛉連れ蜻蛉と歩む池の縁/小口泰與
池の縁を歩くと蜻蛉が親し気に付いてくる。まるでペットを連れ歩いているように、どこまでも付いてくる。池の縁なので、蜻蛉の棲息範囲であるので、作者も蜻蛉の世界に招き入れられたようだ。(髙橋正子)

10月15日(句)
★燈火親し我の映れる宿の窓/弓削和人
宿の窓をふと見ると、「燈火親しむ」自分の姿が映っている。昭和風な宿に泊った者が、燈を手元に寄せて、手紙を書いたり、本を読んだり、書き物をしたりという、景色を想像した。(髙橋正子)

10月14日

※該当句無し。

10月13日(1句)

★窓を開け空一色や秋日和/弓削和人
窓を開けると空は一色。秋日和なので、青空なのだが、秋日和の空の色は、地域によって少しずつ違うのではと思う。北国の青、海辺の空の青など。読み手に空の色を想像させてくれる楽しさがある。(髙橋正子)

10月12日(1句)

★川べりの田毎に匂ふ小さき稲架/廣田洋一
「川べりの田」は河岸段丘のような地形の田であろう。田毎の稲架が小さいのは、掛ける稲束が少ないということ。田が小さいということ。それでも、大きな稲田と同じように、稲架から稲の匂いがしてくる。小さな田も豊の秋である。(髙橋正子)

10月11日(1句)

★鰯雲スワンボートを漕ぎいたり/弓削和人
鰯雲が広がる高い空のもとで、湖でスワンボートを漕いでいるという、爽やかな秋の景色がいい。残念なのは、下五を「漕ぎいたり」と言い流しているのでここに工夫があればもっといい句になる。下五に勝負がある。(髙橋正子)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月11日~10月20日

2023-10-12 09:18:10 | Weblog
10月20日(3名)

廣田洋一
ひらひらと木の葉舞ひ散る暮の秋★★★
イタリアン食べつつ句会暮の秋★★★
渡り鳥餌持ちて待つ村人も★★★

桑本栄太郎
むらさきの憂いまだらに杜鵑草★★★
秋うらら後ろ歩きの人に逢う★★★
椎の実や産土神は遠くなり★★★★

弓削和人
鳶はるか海の真上に留まりて
「鳶」は普通季語となっていませんが、冬とする場合も見受けられます。どの歳時記をご覧になりましたか。(髙橋正子)

真葛原あまつぶ二三降りて止み★★★★
夜空より舞い降りぬべし露の玉★★★
「舞い」が「露」に対して適切かどうか、「露」によく付いた言葉がほしいです。(髙橋正子)

10月19日(4名)

廣田洋一
いつの間に水面埋めたる渡り鳥★★★
ぱたぱたと羽をたたみし渡り鳥(原句)
ぱたぱたと羽をたたみて渡り鳥(正子添削) 
川底に木の葉沈みて暮の秋★★★

小口泰與
身にしむや雨の野外の撮影会★★★★
朝寒や水輪のゆがむ山の沼★★★
秋寒や雨の降りたる外仕事★★★

桑本栄太郎
こぼこぼと土管流るる秋の水★★★
山茱萸の赤き実のある葉陰かな★★★
池の辺のもみづり来たる柿一本★★★

川名ますみ
手をとめて釣瓶落としへ向く三人★★★
窓を変え三日月ひとつ見比べる★★★

夕月夜世代の違う友二人(原句)
夕月夜世代それぞれ友二人(正子添削)

10月18日(3名)

小口泰與
なかなかに沼は波立ち赤蜻蛉★★★
山の沼眺むる我に石たたき★★★
落栗を探し当てしや開き毬★★★

桑本栄太郎
稲滓火の煙り真直ぐや今朝の田に★★★
ひつじ穂の微かに稔り傾ぎ★★★
刈り取られ匂い立ち居りふじばかま★★★★

弓削和人
栗飯のほかはいらない夜半かな★★★
団栗の落ちたる葉音で知らせけり(原句)
「団栗の落ちたる」が「葉音」にかかっているので、「何を」知らせているかがわからないのです。(髙橋正子)
団栗の落ちたる葉音耳にあり(正子添削例)

いのこづち我と共する一万歩★★★
「我と共する」の部分を具体的に表現するとよいです。(髙橋正子)

10月17日(4名)

小口泰與
曇天を吹き払いたる懸巣かな★★★
とりあえず秋翡翠を写そうか★★★
飛び出でて銀鱗見せし秋の沼★★★

廣田洋一
京の夜夕餉楽しむ今年酒★★★
青空に紅葉且つ散る桜の木★★★
初鴨や長き水脈引き群れており★★★★

桑本栄太郎
香り来るめまいしそうな金木犀★★★
腰掛けて菜の収穫や秋の畑★★★★
むらさきのすすき穂解け傾ぎけり★★★

弓削和人
たわわなる柿は電線越えにけり★★★
朝顔の蕊より紺のあふれいづ★★★
双花のどちらの芙蓉濡れゐたり★★★
 
10月16日(2名)

小口泰與
蜻蛉の沼いっぱいや丘の朝★★★
伴いて蜻蛉と歩む池の縁(原句)
蜻蛉連れ蜻蛉と歩む池の縁(正子添削)
天の外山は紅葉あふれたり★★★

桑本栄太郎
微風さへ姫ゑのころの靡きけり(原句)
微風にさへ姫ゑのころの靡きけり(正子添削)

知らぬ間にだれか採りたり花梨の実★★★
仰ぎ見る銀杏黄葉や青き空★★★

10月15日(3名)

小口泰與
蜻蛉の忽と向き変え飛び交える★★★
直立の姿勢保ちし曼珠沙華★★★
下り鮎乏しきなれど我が魚籠は★★★

桑本栄太郎
野菊咲く畦に朝のちちろかな★★★
「畦」と「朝」は、一考の余地あり、と思います。(髙橋正子)
穭田のひつじ穂早も実りけり★★★
歩み行く村の梢や鵙猛る★★★

弓削和人
熊鈴を鳴らす人あり木の実落つ★★★

秋風の席残りけり終着駅(原句)
「秋風の席」は、「秋風が座る席」の意味に取れます。(髙橋正子)
秋風に席の残され終着駅(正子添削)

宿の窓映りし我は燈火親しめり(原句)
燈火親し我の映れる宿の窓(正子添削)

10月14日(4名)

小口泰與
蜻蛉の忽と向き変え飛びかえる★★★
直立の姿勢保ちし曼珠沙華★★★
下り鮎乏しきなれど我が魚籠は★★★

多田有花
 <古民家カフェ古陰二句>
秋野菜とりどり入りしランチかな★★★
古時計いまも晩秋の時刻む★★★
 <工楽松右衛門旧居>
海翔けし男の旧居爽やかに★★★

桑本栄太郎
京なれや藤袴咲く庭の鉢★★★

柿・栗蜜・柑田舎みやげの秋果届(つ)く
「届く」を「つく」と読ませるのは無理です。(髙橋正子)

うつり香をつれて家路や金木犀
「うつり香」は「ものに移った香」のことを言いますが、何に移った香りですか。何かを思わせていますか。(髙橋正子)


弓削和人
電柱に頼る庭の木刈りし秋★★★
ゆるやかに苔を潤す秋出水
季語としての「秋出水」の意味は、大雨による(主に秋の初めの)洪水、大水を言います。「ゆるやかに」が秋出水の性質を言い表わしているのか、私にはよくわかりません。(髙橋正子)

秋霖や老樹新樹も濡れ染めて 
「濡れ染める」は、「濡れ初める」ではないですね。
「新樹」は、若葉に被われる木立を言います。この辺り、いろいろ問題があります。(髙橋正子)

10月13日(3名)

小口泰與
とどまれば沼に溢れる蜻蛉かな★★★★
鵯やとかく妙義は奇岩にて★★★
噴煙の永久に靡くや秋の利根川(とね)★★★

桑本栄太郎
あおぞらの雲の動かず秋の嶺★★★
水木の葉早も真っ赤ぞもみづれる★★★
生垣の剪られ匂いぬ金木犀★★★

弓削和人
秋うらら倒樹たもとの木の実かな★★★
窓を開け空一色や秋日和★★★★
漣の音や/遥かなり/身に入みて(原句)
漣の音の遥かや/身に入みて(正子添削)

10月12日(5名)

廣田洋一
黒松てふ名札を付けて松手入★★★
川べりの田毎に匂ふ小さき稲架★★★★
物干の半分使ひ吊るし柿★★★

小口泰與
鶺鴒のとどまり難く尾を叩く★★★
秋の沼鋭声おちこち野鳥かな★★★
田の神に礼して刈るる稲田かな(原句)
田の神に礼して刈らる稲田かな(正子添削)

多田有花
<高砂市高砂町三句>
爽やかに飾瓦や申義堂★★★
十月の古民家カフェで昼食を★★★
秋深き窓に瓦のいぶし銀★★★★

桑本栄太郎
(帰省のバスの車窓吟より)
稜線の杉の木立や秋の嶺★★★
草むらの色とりどりや赤のまま★★★
ハイウェイに沿いて明るき泡立草★★★★

弓削和人
秋天へウグイの群れや光る鰭★★★
雨あがり秋澄むいまを胸いっぱい★★★★
映画館出て来る秋の貌ばかり★★★

10月11日(5名)

小口泰與
両手より飛び出しにける胡桃かな★★★
石段の途中は茶店秋の雲★★★
疾く出でて見上ぐる天に秋の月★★★

廣田洋一
総裏の背広を出して冬近し★★★
元の句で間違いはありませんが、「出して」のところに工夫の余地があります。(髙橋正子)
総裏の背広の重さ冬近し(正子添削)

金星と三日月並ぶ秋の朝★★★
全然間違いはないのですが、「並ぶ」が平凡に思われますので、添削例のような句も可能です。(髙橋正子)
金星と三日月澄めり秋の朝(添削例)

連れ立ちて新蕎麦啜る神田かな★★★

桑本栄太郎
(帰省のバスの車窓吟行より)
(日本海の島根半島)
真青なる彼方に半島秋の潮★★★
(高速米子道より二句)
休耕の畑一面や赤のまま★★★
パノラマとなりぬ眼下や秋の里★★★

多田有花
<高砂市高砂町三句>
澄む秋の高砂銀座商店街★★★
交通の移り変わりや秋深し★★★
色変えぬ松の枝ぶり十輪寺★★★

弓削和人
鰯雲スワンボートを漕ぎいたり★★★★
大空を渦巻く鶇の群来たり★★★
熟れ毀つイガグリの実の落ちており ★★★
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする