「身代わり忠臣蔵」 河合勇人(かわいはやと)監督 ◯ 東映
あの忠臣蔵を題材に土橋章宏が書いた小説をムロツヨシの主演で映画化しました。
松の廊下で嫌味な吉良上野介(ムロツヨシ)に刃傷事件を起こしてしまった赤穂藩主は即刻切腹、喧嘩両成敗のはずなのに吉良にはお咎めなし。しかし、実は額の傷だけでなく背中にも傷がありそれが致命傷になってしまいました。相手に背を見せたとバレればお家断絶、家臣すべてが路頭に迷います。慌てた吉良の家臣斎藤(林遣都)はたまたま屋敷に潜り込んでいた吉良の末弟孝証(たかあき ムロツヨシ)を吉良の身代わりとするのでした。そして赤穂の大石内蔵助(永山瑛太)以下47士の討入を迎えますが・・・。
時代劇はSF同様どんな解釈も可能で「こうだったらいいのになあ。」という制作者の願いが反映されます。孝証と大石が過去に出会っていて意気投合していた、という解釈はそれほど奇想天外でもなく、納得できます。武士の矜持たるものへの疑問も描かれ、その上現在の日本社会への一言物申す、という姿勢もあり単なるおバカ話しでは終わっていません。次作ではあの柳沢吉保を主役にコメディ時代劇を期待します。
タバコは、なし。無煙です。