「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」 井上淳一監督 ☓☓☓
1980年代若松孝二監督が名古屋にオープンした「シネマスコーレ」を巡る青春を映画にジャックされた若者たちを描いた作品のパート2です。
ビデオが一般に発売され映画界にも多大な影響が予想される頃、映画の魅力を伝えるため若松監督(井浦新)はミニシアターを計画し、その支配人にビデオのセールスをしていた木全(東出昌大)を抜擢します。映画館の営業成績は厳しくピンク映画を上映したり、名画座風のラインアップにしたり木全と若松はぶつかり合いながらもなんとか続けていきます。そんな映画館には映画に関わりたいと思っている若者が集まってくるのでした。
井上監督の青春時代を杉田雷麟(すぎたらいる)が演じています。当時の関係者には胸がときめく内容かもしれませんが一般的にはいかがなものでしょうか。井浦新は若松の表情などかなり研究したのでしょうが、知らない観客が理解できるよう若松監督の作品をタイトルだけでなくさわり程度は見せてくれても良かったのではないかと思いました。
ジェンダーや在日の問題に対する掘り下げかたも中途半端で、今この作品を世に問う意味が今ひとつわかりませんでした。
タバコは、モクモク系で確かに若松監督は喫煙者だったのでしょうが、だからといって健康被害者を増やすことは必要性なし。井上監督はもう少し社会性のある監督かと期待していましたがタバコの幟をバックに写し込む、また、映画館内に門脇麦がタバコを持っているポスターが貼ってあるなどかなり宣伝していました。タバコ会社は大喜びですね。「いくつになっても学ばないと」って映画の中では言っていたような気がするけど・・・。学べよ。