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この世界の片隅に

2016-11-22 | 2016日本語映画評


「この世界の片隅に」 片渕須直監督 ☓ ☆☆

 こうの史代原作の漫画をアニメ化しました。
 第二次世界大戦下、いつもぼーっとしていますが絵を描くことが大好きな18歳のすず(声 のん)は、相手の名前すらわからないまま勧められて広島から呉に嫁いできます。嫁ぎ先の北條家ではやさしい夫と家族に恵まれ、物がない中あれこれ工夫して日常を過ごしていました。しかし、軍港の呉は次第に空襲が激しくなってきます。空襲の不発弾で、すずは大切なものを亡くしてしまいます。その上実家には新型爆弾が落とされます。そして終戦。庶民がお国のためにすべてを犠牲にして闘ってきた戦争が終わります。その時、すずはある決心をするのでした。
 「反戦」を訴える言葉などは一つもない中で、戦争中の慎ましい庶民の生活を丁寧に描くことで力強い反戦のメッセージを伝えた作品です。同じこうの史代原作で実写映画化された「夕凪の街 桜の国」で、原爆症の主人公が「アメリカは私が死ぬことを望んでいる」といったセリフが印象に残っていますが、それに対して「私は笑顔の器になる。」という今作のすずの言葉が印象的です。声優デビューした「のん(元能年玲奈)」がイメージ通りのすずを演じました。(☆)
 現在も「この世界の片隅で戦下の中、生きている人々」に思いを馳せ、心より平和を願わずに入られません。(☆)
 タバコは、キセルや紙巻タバコが登場し、残念です。(☓)タバコがなければ☆がもう一つ増えたのですが・・・。

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