終の信託 (光文社文庫)
「終の信託」「よっくんは今」の
二編で構成された小説。
元々のタイトルは「命の終わりを決めるとき」。
「終の信託」は周防監督によって、
映画化されるということで読みました。
「終の信託」
18年来、自分の担当した患者である
重症の喘息患者、江木秦三に
「最期を、長引かせないで」と依頼され、
安楽死するように操作し、
罪に問われた呼吸器科の医師・折井綾乃。
信頼される医師と患者の関係から、
深い心の絆を結ぶようになった、
折井綾乃と江木秦三。
最期を楽にと患者に願いを託された
彼女が、罪を負うことになる。
安楽死、尊厳死、
彼女の行為は罪なのか?
深刻なテーマについて
書かれています。
検事と被疑者。
裁く側と裁かれる側、
どちらも不完全な人間
でも罪を犯した側は裁かれる。
真実を伝えても採用されなければ
事件の本質は闇に葬られてしまう。
「よっくんは今」
悲しみを流し去るために
愛した人の命を断ってしまった万里。
この本の作者は現役の弁護士で
実在の事件をもとにしたということです。
心の動きが細かく描かれていて
どうしようもなくやりきれない思いになります。
重い物語でした。
それにしてもこの終わり方は…?
判決の結果が書かれていないので
宙ぶらりんな気持ちになってしまいます。
役所広司って像の背中でしたっけ・・
それでも、余命いくばくもない人を
演じていましたよね~
思いテーマの話ですね。予告編でも
それは、感じました。
像の背中よりは、現実的かもしれませんね。
役所広司で象の背中っていう
映画ありましたね~
今回も生命の維持とは、
命の灯火が消える時、
どう対応するのが最良なのか
など問題を提起しています。
重くて難しいテーマですね。