花ごよみ

映画、本、写真など・

石つぶて  清武英利

2017-10-22 | 本 か行(作家)

石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの

約15年前に発覚した
「外務省機密費詐取事件」。

国家の聖域である外務省の
「機密費」を追ったノンフィクション。

警視庁捜査二課に属する刑事たちが、
外務省機密費詐取事件の真相を探る。

霞ヶ関の外務省幹部職員による
機密費流用問題を描いていく。

捜査2課の刑事たちは自らの正義に従い
石つぶてであることを自覚しながら
職務を全うする。

使途や明細が不明な機密費、
支出自体を包み隠してしまうことを目的とし、
機密費と称して何十億というお金を
詐欺横領していた事件。

読み始めはノンフィクションとは
知らず、読んでいました。

それほど捜査2課のメンバーたちが、
生き生きと描かれています。

外務省に切り込んでいく、
石つぶたちの姿は魅力たっぷり。

むなしく石つぶてを投げつつ、
捜査に没頭し、罪を暴き、
そして逮捕に行き着くまでの過程、
外務省機密費を暴いた
捜査2課の刑事達の姿を
追っていきます。

この本の著者は読売巨人軍元GMの清武氏。

wowowで11月5日スタートでドラマ化されます。





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月と雷  角田光代

2017-07-24 | 本 か行(作家)

月と雷 (中公文庫)

どこか普通の人とずれている人達。

どうしようもない自堕落で
生活力のない母親。
その子供の智。

子供の頃、普通とは違う環境で、
智と一緒に暮らした泰子。

普通の人としての生活ができないまま
大人になった二人、
智と泰子が再会。

あまやかな気持ち
まったきことをしている。
わくっとした気持ち。など作者は
普段あまり使わない言葉を用います。

泰子は不幸に追いつかれたと思い
智は追いつかれた不幸そのもの。

智は泰子にとって
自分がそのままでいられる楽な男。

父親になるという言葉に
泰子はたじろぎ
不愉快で理不尽な気持ちになる。

生きていく先に、
安定など望めなくても
泰子にとって
とにかく切り抜けるしか
方法はないのだから。

映画化されることを知りました。
泰子役を初音映莉子、
智役を高良健吾、
智の母親を草刈民代が
演じるというこです。





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潮流―東京湾臨海署安積班  今野敏

2017-01-14 | 本 か行(作家)

潮流―東京湾臨海署安積班

いつものメンバーが登場。

東京湾臨海署管内で、
救急車の要請が
立て続けに起こった。

安積の、過去に自ら扱った事件は
もしかして冤罪だったのか?


ハンチョウ安積は、捜査の中で
4年半前の事件を振り返ることになります。
そして間違いを訂正しようとします。

ハンチョウシリーズは、
なんといっても
ハンチョウとその仲間の生き方、
生きる姿勢のようなものに惹かれます。

事件自体は犯人の動機、
怒りのぶつけ方が納得できませんが…

過去の放送していたドラマの登場人物
思い浮かべながら読んでしまいます。

メンバーそれぞれがいい味を出していました。
頼りになれる速水、
野村署長もかっこよかったです。




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坂の途中の家  角田光代

2017-01-05 | 本 か行(作家)

坂の途中の家

裁判員裁判の通知が届いたところから
日々の暮らしに変化がもたらされていく。

みんなが同じ所で、
同時に話を聞いていても
心の持ち方によって、
それぞれが違う思いを持ってしまう。

裁判員に選ばれた主人公の里沙子は
被告となった女性に対し
自分を重ね合わして行く。


自分と被告の境目が見えなくなって
恐怖感を感じるようになってしまいます。

自分は本当に我が子を愛していたのか
自分に自信が持てず
心に猜疑心を抱えてしまいます。

審理に加わることがなかったなら
気づかなかった私ではない私。

蓋をしていた心の闇が
裁判員になったのを機会に
開き放たれてしまいます。

気分が落ち込んでいくような
重い物語でした。

ネガティブな方向にどんどん突き進んで行き
心に不安感が満ちてくる様子が
うまく描かれています。



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はぶらし 近藤史恵

2016-01-27 | 本 か行(作家)

はぶらし (幻冬舎文庫)

NHKBSプレミアムでドラマ化されています。
どういう展開になっていくのか気になって
図書館で借りて、原作を読んでみました。

独身の脚本家である
一人暮しの鈴音のマンションに
長い間連絡も取っていない水絵が
仕事も住むところもないと
子連れで居候を頼みこむ。

ドラマでは内田有紀と池脇千鶴が
鈴音と水絵を演じています。

タイトルになっている『はぶらし』
『はぶらし』という言葉に象徴される行為。
水絵は鈴音にハブラシを借ります。
その後借りた使用済みのハブラシを返して
自分たちは新しいハブラシを買ってくる
あり得ない行い。

意識の相違にストレスが高まっていきます。
水絵の行為、言動にはイライラが募りました。
池脇千鶴は水絵という女性をうまく演じています。

本はドラマとは少し違った
設定になっていましたが
漂う雰囲気は同じ。

事件は起こらなくても
じわっとくる不快さがある物語でした。






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自覚 隠蔽捜査5.5  今野敏

2015-09-04 | 本 か行(作家)

自覚: 隠蔽捜査5.5

隠蔽シリーズ第七弾。

変人といわれる署長・竜崎伸也。
彼の人間としての妙味が
たっぷり描かれています。

どんな時もぶれない竜崎伸也。
竜崎周囲の人物が主役の
スピンオフ第2弾、
短編集になっています。

「漏洩」
誤認逮捕の可能性、
副署長の貝沼は隠蔽を考えるが…

「訓練」
スカイマーシャルの訓練に
送り込まれた畠山美奈子。
自信喪失の彼女に竜崎は
女の特質を利用せよと。

「人事」
第二方面本部、
野間崎管理官の上司に弓削篤郎が赴任
弓削は竜崎との面談を望むが…

「自覚」
大森署の戸高刑事の発砲は、
適正だったのか。
竜崎の判断は…

「実地」
職質をかけながら窃盗犯を逃した。
地域課と刑事課の責任転嫁。

「検挙」
警察庁から検挙数・検挙率の
アップ指示の通達。
支持撤回のための戸高の行為に
大森署は困惑。

「送検」
伊丹刑事部長は被疑者逮捕を指示。
誤認逮捕の可能性が…

今まで読んだことのある人達が出てきます。
竜崎の周りにいる人々が、
対応を竜崎に相談、
そこで問題解決、という過程で
竜崎の人物像を浮かび上がらせます。




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アクアマリンの神殿   海堂 尊

2015-01-10 | 本 か行(作家)

アクアマリンの神殿 (単行本)

2018年春の近未来、
凍眠から覚めた佐々木アツシ。

彼はかつてメディウム液に浸かり
コールドスリープ「凍眠」していた。

入れ替わり「凍眠」についた
オンディーヌ、日比野涼子。

アツシはAIセンターの跡地の未来医学探究センター、
アクアマリンの神殿で生活。

彼は凍眠システムをメンテナンス。
業務は、センターで眠る、涼子を見守り
それの解除など。

涼子の目覚め解除の時期が迫ってくるにつれ
色々な悩みが起こってくる。

システムの管理を監視する西野。

アツシが通うことになった桜宮市の中学で、
日常生活を送る様子が描かれています。

高校生達が登場する
学園小説のような感じになっています。

麻生夏美、蜂谷、北原野麦のドロン同盟メンバー等
友達との会話が楽しく、
テンポもよくて
思わず笑ってしまうことも…

東城大学の教授になった、
愚痴外来の田口先生と高階先生が
終わりの方に出てきます。





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警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官  梶永 正史

2014-09-12 | 本 か行(作家)

警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官

第12回このミス大賞W受賞作。
W受賞のもう一つの受賞作は
「一千兆円の身代金」 
これも読みました。

こちらは銀行立てこもり事件を描いた警察小説
応募時のタイトルは
「真相をあばくための面倒な手続き」

「一千兆円の身代金」より
スピード感があって面白かったかな。

主役は警視庁捜査二課主任代理の郷間彩香。
数字を糸口に犯人をを追うために
電卓ばかり叩いていて、
電卓女の異名をもつ彼女が犯人から
銀行立てこもり事件の
現場指揮官に指名され、
現場指揮官と交渉役を
つとめるはめに。
背景には政治的な犯罪が…

読みやすい文章。
意外な物語の展開、舞台設定、
子供時代の思い出など
張ってある伏線の拾い方、
登場人物それぞれのキャラ設定も
うまく描かれていました。

このまま映像化されそうな物語でした。







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宰領: 隠蔽捜査5 今野敏

2014-01-09 | 本 か行(作家)


宰領: 隠蔽捜査5

竜崎が署長を務める大森署管内で、
国会議員の誘拐事件が勃発。

神奈川県に犯人の電話、
竜崎は神奈川県警に、
前線本部副本部長として出向し
指揮を執ることになる。

キャリアの竜崎と、
ノンキャリア神奈川県警捜査一課長の
捜査を巡る食い違い。

警視庁と県警の確執。
犯人の身柄の行方。

竜崎の仕事に対しての
効率的で賢明な特性を、
発揮しながらの活躍。
自分の意志を貫く竜崎は、
部下にも評価されていきます。

そんな中での息子邦彦のアクシデント、
家族のエピソードも描いています。

竜崎と伊丹の会話もいい感じ。
今回は相手の意見も大切に扱うなど
竜崎の変人さも気にならない度合いに
なってきています。
竜崎の心も少しだけ
柔軟になってきたのかな。

ゆっくり読もうと思っていても
一気に読んでしまったこの本。

この作品もいつもの隠蔽捜査シリーズと同様
爽快感があって満足のいく本でした。





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サンブンノイチ   木下半太

2013-10-26 | 本 か行(作家)


サンブンノイチ (角川文庫)
ハニーバニーの雇われ店長のシュウ、
ボーイのコジ、常連客・健さん。
借金のためやりくりがつかなくなってしまった
崖っぷちの3人。

この3人が銀行強盗を計り成功。
3分の1ずつ山分けをして
終わる予定だったのに…

タイトルの「サンブンノイチ」は
3人の分け前。

物語は25章から成り立ち
銀行強盗前と強盗後の話を
交互に描いています。

銀行強盗の3人に
奪った金を狙っている他の3人を加えた
6人が大金を巡り
騙し合いをします。

他の3人とは
ハニーバニーのオーナーで
凶悪な男、破魔翔。
通称“川崎の魔女、渋柿多見子、
元女優の茉莉亜。

読み進める毎に状況が変化。
嘘と真実、裏と表
複雑な駆け引きと裏切り
誰を信じればいいか、
もう分からなくなってきます。

以前読み、映画化もされたこの作者の
「悪夢のエレベーター」同様
登場人物もそれぞれが
個性が強い人物でした。

このサンブンノイチも、
監督 品川ヒロシ、
2014年春公開予定で
映画化されています。

キャストは清原修造(シュウ)ー 藤原竜也
小島一徳(コジ)ー田中聖
金森健(健さん)ー 小杉竜一(ブラックマヨネーズ)
茉莉亜ー 中島美嘉
破魔翔ー窪塚洋介
渋柿多見子ー池畑慎之介
見たところぴったりの
キャスティングです。

予測不能な展開、
スピード感もあって、
退屈することもなく
読むことができました。






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