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残り少ない人生、その楽しい余生のあり方を目下研究中

枯れ尾花(かれおばな)

2014年01月01日 | Weblog
今日は、1月2日 初夢
昔から初夢で1年の吉凶を占う風習がある。
室町時代から、良い夢を見るには、七福神の乗った宝船の絵に「永き世の遠の眠りの皆目覚め波乗り船の音の良きかな」という回文(逆さに呼んでも同じ文)の歌を書いたもの枕の下に入れて眠ると良いとされている。これでも悪い夢を見た時は、翌朝、宝船の絵を川に流して縁起直しをする。


これは、稲(いね)科、ススキ属の尾花(おばな)、その枯れた尾花(おばな)である。恒例の散歩の途中、この枯れ尾花が未だ枯れずに奇麗に残っているのに出会ったのである。諺に「正体見たり枯れ尾花」というのがあるが、小生にとっての正体は、幽霊じゃなく「箱根仙石原一面の薄の草原」なのである。
それは、仙石原は「黄金色の絨毯を敷き詰めたかのように色づいたススキの穂が、日の光を受けてキラキラと輝きます。」と喧伝しているように、其処は素晴らしい草原だからなのである。そして此の枯れ尾花は、その昔の遠い思い出なのである。


尾花(おばな)・稲(いね)科。
・学名 Miscanthus sinensis(ススキ)
   Miscanthus : ススキ属
   sinensis : 中国の

 Miscanthus(ミスカンサス)は
 ギリシャ語の    
 「mischos(小花の柄)
  + anthos(花)」が語源。 
 
・秋の月見のおそなえとして
 欠かせないもの。
 【中秋の名月】(十五夜)には
 収穫物と一緒に供えられるが
 収穫物を悪霊から守り、
 翌年の豊作を祈願する意味がある。
 (【中秋の名月】は下記参照)

・屋根材のほかにも、
 炭俵用、家畜の飼料用
 などとしてもよく利用される。

・ススキの「スス」は、
 葉がまっすぐに
 すくすく立つことを表わし、
 「キ」は芽が萌え出でる意味の
 「萌(キ)」だと言われている。
       
・箱根の仙石原や、
 奈良の若草山で行われる
 「山焼き」は、
 ススキを野焼きすること。
 春先に行う。
 この野焼きをしないと、
 ススキの草原には
 次第に樹木が侵入し、
 ススキの原として
 維持することができなくなるので、
 一年に一度全部焼き払って
 ススキ草原を残すようにしている。

・「常磐(ときわ)すすき」
 という種類は
 「すすき」に比べて
 開花が早いため、
 真夏の頃から穂を楽しめる。

・「すすき」は「芒」とも書く。

・別名 「尾花(おばな)」
   花穂が獣の尾に
   似ていることから。

 「茅(かや)」
   民家の茅葺き屋根
   (かやぶきやね)は、
   この薄などの茎や葉を用いて
   葺(ふ)いた屋根。

・9月7日の誕生花(薄)
・花言葉は「心が通じる」(薄)

            
・「秋の野の  美草(みくさ)刈りふき
  宿れりし  宇治の京(みやこ)の
  仮いおし思ほゆ」(美草=薄)    万葉集 額田王

 「人皆は 萩を秋といふ  よし我は 
  尾花が末(うれ)を 秋とは言はむ」 万葉集 作者不詳  

 「虫の音も  ほのかになりぬ 花すすき
  穂にいずる宿の 秋の夕暮れ」  金槐和歌集 源実朝 

 「狐火の  燃(もえ)つくばかり
  枯尾花(かれおばな)」     与謝蕪村

 「山は暮れて  野は黄昏(たそがれ)の
  芒(すすき)かな」       与謝蕪村
  
  (季節の花300から引用)

  今日の誕生日の花:オモト  花言葉:母の愛、長寿

  今日の一首:正月の二日を働き初めとして万年青の手入れを手伝いにけり  鳥海昭子

  (NHKラジオ深夜便から引用)