kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

トランプ砲の標的は日本へ

2018-09-10 06:45:21 | 日記
9月相場はスタートから躓きました。すべての営業日で値下がりし
結局週間ベースでは558円と大幅に下落し8月中旬以降の2週間の
上昇分を帳消しにしてしまいました。台風21号の上陸や北海道で
発生した地震で空の玄関口である関空や新千歳空港が閉鎖され
また道路や鉄道とそれに電力・水道といったインフラが被害を受
け観光業や企業活動への影響を懸念したのも原因です。

それに加え大統領が中国に対して第3弾の高関税適用を準備して
いるとの報道や日本に対しても日米協議に合意しないと大変な
問題になるとの発言も円高・株安を助長したようです。

訪日客の人気の高い観光地を抱える関空と新千歳空港の閉鎖は
インバウンド消費の恩恵をこれまで受けて上昇してきた関連銘
柄への売りという形で日本株全般に影響しました。米中貿易戦
争の先行きが読めず日本に対しても対米貿易黒字削減で厳しい
要求を出してくると予想されるトランプ政権で外需銘柄が買い
にくい状況でした。

インバウンド銘柄は内需系がほとんど占めていることから資金
の逃避先としてこれまで人気でした。それだけに市場では様子
見ムードが一層強まり買い手不在に拍車がかかりました。短期
筋の売りを吸収する投資家が日銀以外不在なのも市場の混迷を
深めました。投資家には改めてインバウンド銘柄にはイベント
リスクがあるということを知らしめました。

もっとも短期的には今回の自然災害で訪日客増加にはブレーキ
がかかるでしょうが、時間の経過とともにおそらく徐々に復調
します。自然災害は予想できませんが、市場が消化するのには
長い年月が必要な訳ではありません。

むしろ市場が気にしているのはどこまで米中貿易戦争が拡大し
どのくらいの期間続くかです。また日米経済協議がどんな結末
を迎えるかです。トランプ大統領は欧州、メキシコそれに現在
協議中のカナダの件が決着すれば日本への圧力を強めるという
のは以前から市場でも想像はついていたでしょう。重要なのは
日本政府が対米黒字削減に向けての決め手を欠いていることで
す。

輸出を減らさず7兆円の貿易黒字を削減するために米国から日
本が輸入できる品目はエネルギー以外見当たりません。米国は
農産物の一層の市場開放を要求するでしょうが代表的な牛肉に
しても大きな譲歩をしても2017年の実績で2000億円ほどです
から対日貿易赤字削減には力不足です。

金額の大きな米国産原油やLNGの輸入拡大余地はありますが短
期間での成果を迫ってくるトランプ政権へのインパクトは大き
くありません。日本が持っている手札が少ないことが市場に何
となく暗い影を落としている要因です。対日赤字削減に向けて
大統領の強硬姿勢もこれまでの言動から予想されます。果たし
て日本はトランプ砲をかわせるのでしょうか。
コメント
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