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ホームがようやく「見える化」された

2017年05月21日 | コンサルティング

京浜急行のオフィシャルサイトによると、2015年の各駅の1日平均乗降客数の順位のトップは横浜駅(31万6千5百人)で、それに次ぐ第2位は品川駅(27万2千5百人)とのことです。両駅ともに他社線との乗替えなどもあり、実に多くの人が利用しています。私も日々品川駅で乗り換えているのですが、この数字を見れば、乗降客が集中する朝・夕をはじめとした、あの混雑も仕方ないのかなと思えてきます。

近年、羽田空港の国際化がますます進んでいるためか、日に日に外国人の旅行客も増えてきていて、大きなキャリーバックを抱えた人が駅のホームいっぱいに広がっている光景を日常的に目にします。

このため、私もホームには立ったものの、乗りたいと思っている場所まで簡単には移動できないということもしょっちゅうあります。

こうした状況の中、長年京急品川駅を利用している私ですが、自分が乗る電車を待っているときに、ホームのどこに並んでいたらよいのがわからないため、いつも困っていました。

2つドア、3つドアの目印は元々あったものの、次に来る電車が2つドアなのか、3つドアなのかがすぐにわからなかったり、電車の始発駅によって停車位置(ドアの位置)が違ったり、電車の種別(快速電車か特急、急行、普通か)によっても異なったりするのです。

このため、ホームにちゃんと並んでいたのに、いざ電車が来てみたらドアの位置がずれていたということが度々あります。結局、後から来た人が割り込むような形で先に電車に乗られてしまうこともしばしばありました。

これらは大きなストレスとは言わないまでも、毎日のことでもあり、長年にわたって小さなストレスの積み重ねになっていたような気がしますし、何とか改善されないものかと以前から考えていたのです。

ところが、先月からようやく冒頭の写真のように、はっきりと止まる場所が示されて「見える化」されたのです。長い間待ち望んでいた改善がなされたわけで、きっと 私のように感じていた人が多かったのではないでしょうか。

おかげで、それ以来並ぶ場所に迷うこともなくなり、改めて「見える化」することの大切さを感じたのでした。

「見える化」とは、問題やルールなどの情報を皆で共有し、一目でわかるようにすることです。

写真のようにドアがくる位置を「見える化」することによって、ホームにやってきた人が迷うことなく乗りたい電車のドアの前に並べようになったことで、多くの人のストレスが減ったのではないかと考えています。

実際、これまでに何度かこれが原因での乗客同士のトラブルを見たことがありますし・・。

話は変わりますが、この「見える化」、職場においてもやり方やルールを見えるようにすることで、多くの問題が解決できます。

しかし同時に、これまで様々な企業にお邪魔してきた経験から言うと、「見える化」に対して腰が重い職場が意外に多いと感じています。

「見える化」は基本的にはソフト面での改善が中心になりますので、内容にもよりますが、それほど大きな費用をかけなくてもできるケースが多いです。それによって問題が解決できる可能性があるのにもかかわらず、やらないことは非常にもったいないことだと感じます。

しかし、品川駅の見える化も実は必ずしも万全ではありません。見える化されたホームに整列乗車をしていても、どこからともなくやってきた人が先に乗ってしまうことは、相変わらずあります。

課題解決に向けたトライは永遠に続くようです。

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