シャツのほころび涙のかけら

昔よく聞いたNSPのタイトルを拝借。…趣味や日常を綴っています。基本はガンバレ自分!時々覗いてみてください。

私なりの奇跡

2011-03-14 | 思う事、私の事

被災の状況は、時間を追うごとに被害の拡大を訴えている。
お悔やみ申し上げます。

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さて、土曜日のこと。前日から帰宅困難者になっていた私は、早く帰宅したいので「午前7時頃に高崎線が動く」というニュースを元に、動き始めた地下鉄を使って上野駅に着いたのが7時前。

改札を抜けると・・・掲示板は“準備中”・・・なんで!?おかしい。でも、皆が5・6番線に上る階段下に並んでいたので、私もその列に加わる。

そのうち「7時の予定だったけど、いつになるか分からなくなった」というような放送が流れてきた。皆「エ~ッ!」だ。

しかたがないので、その場で立ちながら待っていたが、30分経ち、1時間経ち、1時間半経っても進展が無い。
寒いし、前夜から寝ていないし、周りに人はたくさんいても一人だし、心身共に疲れが出てくる。「会社に戻ろうか?でも、もうすぐ動くかも!」の葛藤が続く。

2時間経っても変わらない。そのうち京浜東北が動き始めた。人も増えてきてぐちゃぐちゃだ。待って2時間半近くになったころ、流石にこれ以上動かないのなら「とりあえず会社に戻ろう」と決心し、列から離れる。

改札に向かうと・・・中も外もものすごい人・人・人。改札の外に行くのも一苦労だし、ましてや地下鉄に乗り換えるのは大変なことと思えた。「どうしよう!?」と。

その時、「高崎線は9時35分に、5番線から発車します」といきなりのアナウンス。後7~8分後だ。なんということでしょう!
周囲にいた方々は、皆5番線の方に向かう。先ほどの状態でも、既にたくさんの人がホームに待っているわけだから、乗れるわけがない…だけど、結局私も向かった。

並んでいる列は無くなっていた。元の列の反対側から、後ろから押されるままに進む。(思ったより近い位置だ。)階段とエスカレーターの上り口では、「押さないでください!」「危ないですよ!」の合唱。そのうち「押すなって言ってんだろー!」。

「これ以上、上ってもホームもいっぱいです」の声が出始めたころ、エスカレーターに乗ることができ、ホームに行くことができた。
もちろん電車には乗れないし、5番線側に近付くこともできない。6番線沿いに牛歩で前に(落ちないように)進む。

「この辺でいいや」と一歩内側に寄って止まった所は、太陽の陽が指すところ。暖かい。下に居る時は「上は風がモロだから寒いだろう」という声も出ていた。確かにそうだが、陽が当たる所は暖かい。心身的にも持ち直した…と感じた。

とはいえ、次の電車が何番線から何時出るのかも分からない。でも「5番線だろうな~」と周りの声。それはそうだ、私よりも前に来て乗りきれないでいる方々が5番線側に溜まっているのだから。

その際は、たぶん乗れないので次の次の電車待ちとなる。長いな~と思うのだが、ここまできては、会社へ戻ろうとは思わない。それに、ここは暖かい。唯一の心配はトイレだな。とか思っていた。

ところが、何ということでしょう「次の電車は6番線ホームから」のアナウンス!「エッー!」と「ゥオォ!」が混じった。私は「ゥオォ!」の方だ。ほぼ乗り口の前なのだ。これなら必ず乗れる!何故かは分からないけど…奇跡だ!

それからは、よけいにまだかまだかと待った。そして、電車が来た。乗車口は右斜め前。しかも、車内にトイレが見える。万一の事を考え、目指すはトイレの方だ!
ドアがあくまでは長かった(実際に長かった)。

そのドアが開き、一斉に皆が乗りこむ。車内で転びそうになった方を横眼で見ながら私はトイレのドア前に行くことができた。というより、トイレのドアに押しつけられた格好だ。ギュウギュウで身動きできないが、良しとしよう。

10時40分頃発車したと思う。3時間半以上待ったことになる。
スピードは遅く、普段の2倍近くの時間がかかったが、間違いなく進んでいることには安堵。
家に着いた時は、本当に本当に嬉しかった。

コメント
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