草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

イスラエルへのハマスの攻撃はパルチザン理論の実践だ

2023年10月08日 | 国際問題
 もはや戦争の形態が変わってしまったのだ。ハマスのイスラエルへの攻撃は、パルチザンの理論にもとづくものである。宣戦布告もなく奇襲攻撃を加えた。罪もない者たちをも対象にし、殺戮にとどまらず、人道に反する行為を公然と行った。
 これからイスラエル軍がどのように動くかだが、ハマスが行ったことは、カザ地区へのイスラエル軍の反撃を誘発し、そこでもまた罪もない者たちの命を奪うことになるだろう。その意味でも断じて許すことができない暴挙なのである。
 不正規戦の敵と戦うことはかなり困難である。いくら有能な軍隊であろうとも、今回のこの戦争でイスラエルは、かなりの犠牲者を出すことになるだろう。正規軍と呼べないパルチザンであっても、手軽に携帯できる武器によって、最新鋭の戦車や戦闘機を撃墜できる時代が到来してしまったのである。
 カール・シュミットが書いていたように、パルチザンの戦い方とは「公然でない正規でない戦争が90%、公然の軍事戦争が10パーセントという割合」(『パルチザンの理論』新田邦夫訳)なのである。戦争が政治の延長であることは確かであるが、それが極限化されることで、国際法が無視され、敵と認定した者たちには、何をしてもよいという考え方がまかり通ってしまうのである。
 この数日でイスラエル軍がどこまで立ち直れるかが見ものである。満州国が崩壊したような事態にまではならないと思うが、制圧にどれだけの時間がかかるかであり、その報復戦がどれだけの規模になるかなのである。世界は未だに血なまぐさい只中にあるのだ。

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