昨日の安倍晋三首相との日露首脳会談において、ロシアのプーチン大統領が北方領土問題について、面積を等分する妥協案を示したという。それでまとまれば、日本は歯舞、色丹、国後を自国の領土とすることができ、択捉島の一部もそこに含まれる。安倍首相は思案のしどころであるが、ここで決断すべきではないだろうか。ロシア側はあえて譲歩することで、日本の力を借りたいのだろう。ロシアとの関係を考える上で思い起こすべきは、かつての伊藤博文の主張である。伊藤は日露戦争に最後まで反対した。ハルビンで暗殺されたのは明治42年10月であるが、当時のロシアの財相と会談するためであった。日本にとって、ロシアカードは、最後の切り札である。日本人が平和に暮らしていくためには、軍事費を軽減し、東アジアから撤収しようとするアメリカだけでは、もはや心もとない。ロシアとの関係強化こそが急務なのである。それが本当であれば、一刻も早く決断すべきだろう。尖閣諸島を侵略する野望を露骨にしている中共をけん制するには、それがもっとも有効だ。あくまでも交渉ごとであり、アドバルーンに終わる可能性もある。しかし、膠着状態から脱するためには、日本が北に向かって窓を開くには、それ以外には選択肢がないのである。日本が主権を回復するためにも、日露の平和条約の締結は欠かせない。4島の全面返還から後退することになるが、危機にある日本が生き残るためには、ここでためらってはならないだろう。
←安倍首相は決断すべきだと思う方はクリックを