アメリカが中共をTPP交渉に加えようと働きかけているという。それが事実であるのなら、日本にとって深刻だ。日本を侵略せんとしている国家を、テーブルに着かせようとしているからだ。日本の安全保障上の観点からTPP参加を主張してきた人たちは、一体どう弁解するのだろう。かつてのようなことをアメリカはしかけてくるのだろうか。大東亜戦争の二年前に成立した米内内閣は、対米不戦が旗印であった。これに対して、アメリカは日本を戦争に引っ張り出そうとしていた。中立ではなく中華民国に肩入れをした。米英の軍事顧問団は数百名にも達し、戦闘にまで参加した。そこに追い打ちをかけたのがABCDラインの経済包囲網であり、日本人の在米資産の凍結であった。そのときと同じように、アメリカは中共と組むつもりなのだろうか。原爆などを投下し、日本を廃墟にしたことで、アメリカは得をしたのだろうか。大陸に全体主義国家が出現し、多くの人々がその圧政下にある。朝鮮戦争とベトナム戦争で、おびただしいアメリカ人の血が流されたのは、東アジアでの日本の影響力が後退したからではなかったか。過去の不幸な出来事を忘れ、またまた過ちを繰り返そうとしているのだろうか。これまで日本はアメリカを信じてきた。海洋国家として、利害が一致すると思ってきた。しかし、アメリカが中共を重視するのならば、考えを改めなくてはならない。重大な試練として受け止め、真の独立国家への道を歩むしかないからだ。
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