本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

仏の鍵を手に入れる!?

2016-10-24 17:30:35 | 住職の活動日記

カギという字も「鍵」もあれば

「錠」もある。

古い時代には「鑰」(やく)

という字もある。

 

「キーワード」という、

言葉もあるように

何か重要なことをひも解く

カギとなる言葉です。

 

弘法大師もよく使われています。

「般若心経秘鍵」

という般若心経を解く秘密の鍵

ということでしょうか、

『文殊の利剱は諸戯を絶つ』

という文句で始まります。

また、

「秘蔵宝鑰」(ひぞうほうやく)

秘密の蔵を開ける宝のカギ

という意味になるのでしょう。

やはり、読んでいる十地経と同じく

十住心という言葉を使われ、

菩薩の修行の段階を十に分けて

説いておられます。

『生れ生れ生れ生れて

生の始めに暗く、

死に死に死に死んで

死の終わりに冥し(くらし)』

という名文が出てきます。

 

バチカンにある鍵の紋章

二つ交差したものです。

このカギも天国を開くという

鍵なのでしょうか?

 

 

 

 

稲荷大社の左側の狐

鍵を咥えています。

この形が「鑰」といわれるものです。

右側の狐は

 

 

黄金の稲穂を咥えています。

稲荷ですから、稲穂を荷い

それを蔵に納めている鍵を

持っているということを表現したのでしょうか?

 

 

ちょうど実り明日25日は刈取りの儀が

執り行われます。

 

華厳経の十地品に

『信満成仏』という

言葉が出てきます。

信の一念に成仏する、ということで

信の一念に成仏する鍵を握ったと

いうことでしょう。

仏に成るということです。

仏に成るということは、

何も変わったものになる

ということではなく、

本当の自己に帰る、という意味です

本当の自己に帰るカギを握った

ということでしょう。

 

なにもすぐ仏に成る必要はなく

鍵さえ握っておけば、

急いで仏に成る必要なはい。

成れる時に成ったらいい、

鍵を握ることは大事なことですけど

あわてる必要はない

そこに十地という修行の段階が

菩薩道という道があるのです。

 

私たちも心の中には

宝の蔵があるのですが

そのカギを手に入れてないので

宝を眠らせたままに

しているようです。

 

般若心経秘鍵、秘蔵宝鑰

と弘法大師も心血注いで

書いておられるように、

鍵を手に入れる難しさがあるのです。

 

 

 

 

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