本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

山鹿 「八千代座」

2013-06-17 16:15:36 | 住職の活動日記

 町内のレクレーションで、午後からは

「 八千代座 」  を見学いたしました。

 

 

    

 

八千代座の向かい側には 「 夢小蔵 」  という、

八千代座の資料館があります。

 中には、小道具やら昔の道具類、懐かしい

というよりもっと古い品々が所狭しと展示してあります。

 

   

 

「 玉三郎さん 」  が使っておられた着物です。

 

   

 

八千代座で講演された方々の名札が掛かっています。

  と驚く方もいらっしゃいます。

 

   

 

ここが桟敷席です。

畳敷きなのですが、微妙な角度でスロープ状になっています。

後ろの方への配慮です。

 

   

 

天井は豪華絢爛、よく見るとそれぞれのお店の

コマーシャル看板です。

   

   

 

これは 「 千代の園 」 さんのもの、

昔は個人名で作っていたということです。

 

   

 

ここが 「 花道 」 

よく見ると、切り込みがあります。

「 すっぽん 」  と呼ばれていて、

ここから競りあがってくるのです。

しかし、ここから出てくるのは

人ではなく、妖怪・魔物の類だそうです。

 

   

 

すっぽんの下は、こういう具合で

両脇の人が呼吸を合わせてこの台を持ち上げるのです。

 

   

 

ここが 「 回り舞台 」  上ってみると

よく使い込まれた板が肌に馴染む感じです。

 

   

 

舞台から見る客席、演じる方は

このような目線で踊っていらっしゃるのです。

 ( 向こうに小さく見える方は、今回の旅行で

   最年長の方、右の方が97歳

   左の方が弟さんで88歳、

   とてもお元気で、お風呂も二回も入り、

   昼食も完食、階段も歩いて、

   全工程一緒に参りました。)

 

   

 

ここが回り舞台の下、ひんやりとクーラーが入っていました。

円の外側にはドイツ製の車がついていて、

動き出すと子どもさんでも動かせるということです。

 

   

 

二階の席にも上りました。

ここの畳はとても急勾配で歩くのに要注意です。

が、見る方にはとても見易いように出来ています。

ここの席から  「 成田屋 !! 」  というような

掛け声が掛かるのだそうです。

 

 

   

 

せっま苦しい感じですが、ここが楽屋です。

昔のままに再現して修復されているそうです。

 

 この八千代座のつくりは当院の本堂と同じで

「 木造トラス工法 」  洋風小屋組み、という

天井裏は木を三角形に組み上げて、家全体を支えるという、

そのため、お寺の大きさに比べると柱の大きさが

とても細いのです。

 この時代はこういう作り方が流行ったのでしょうか ??

 

 しかし、八千代座の方々は、この八千代座をとても愛していらっしゃる

その様子がひしひしと伝わってきました。

案内された女性の方も丁寧かつ詳しくお話いただきました。

舞台裏は階段も複雑で狭く、

その付近には 「 段差が違います 」 

「 頭に気をつけて ! 」 と、声が掛かります。

 

 今は、歌舞伎の舞台としてだけでなく、

町のコミセンのような働きもしていて、

小学校の発表会があったりと、地域に根ざした

活動をされているようです。

 熊本市内でもこういう芝居小屋が五つ六つあったそうです。

それが映画館になり、その映画館もテレビに食われ、

段々姿を消していったのでしょう。

 維持していくという、大変さ !

そして何よりも、八千代座を愛してやまない職員の方々の

心が今もって伝わっているという、

そこに、とても熱くなるものを感じました。

 

   また、舞台を見にお邪魔します。

 

 

 

  

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今週の言葉 6/17~6/2... | トップ | 花のうつろい »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

住職の活動日記」カテゴリの最新記事