本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

命があなたを呼んでいる!

2016-09-05 21:34:27 | 住職の活動日記

日曜日に放送された「情熱大陸」

熊本の竜之介動物病院、徳田医師が

取り上げられていました。

一日の時間を惜しむかのように

動物の救済のため奔走されている

ペットといえど一つの命

人権があって動物には

その命の権利はないのか

一つでも命を助けたい

そのためには私(わたくし)は

なくていい、

家庭と仕事は両立しませんよ!

とまで言い切っておられた。

 

相国寺・承天美術館へ

伊藤若冲の『動植綵絵』

     (どうしょくさいえ)

全33幅が展示されている。

釈迦三尊はこの寺の寺宝

動植物が描かれた30幅はコピー

所蔵は宮内省にある

でも本物と寸分たがわず

圧巻である。

 

釈迦三尊を囲むように

なぜこの動植物が描かれたのか

「山川草木悉皆成仏」ということがある

「一切衆生悉有仏性」ともいう

すべての生きとし生けるものには

仏性があるということで

ありとあらゆる生き物には

仏の命があるのだ

ということで、描かれたのか

仏だけが仏でない

仏は身近にいる命ではないか

という意味合いがあるのでしょうか

 

動物たちは自分自身では

自分の命を知ることはできない

しかし、

動物たちは訴えている

自分の命の意味を知ってほしいと

すべての命に仏性有り

というのだから、

動物に代りその意味を見いだすのは

私たち人間の務めではないか

 

徳田医師の働きぶりを見ていると

出来るからやる、

できないならしない、

というのではない

出来るできないを越えて

やるしかない

そういう願いで動いておられる

 

経典には「無量」とか「無相」という

言葉がよく出てくる

それは願いに立って働けば

無量にならざるを得ない

無相にならざるを得ない

ということでしょう。

私が偉くて無量であり無相なのではない

ほかの命から求められているから

無量の命、無相の命から

求められているから

無量になり無相にならざるを

得ないのである。

だから、無量ということは

一切衆生を包むため、

自分のために無量なんじゃない、

無量の衆生とともに

というところに

無量の行ということが

あるのでしょう。

 

徳田医師の働き

そのような言葉とダブって

私の目には映りました。

 

 

 

 

 

 

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