折々スケッチ

小さなスケッチブックやハガキに水彩と鉛筆ペン等で描いた絵を中心に、感じたこと等日記代わりに添えています。

鶏足寺の紅葉を見に(3)山里

2018年11月22日 | 近江の旅
  この家の横でコーヒータイム F3

鶏足寺の紅葉を見に行ったのに私の気持ちは周囲の山里の風景の方に惹かれました。
JR木ノ本駅からこの季節だけの循環バスでお寺まで行く20分余りの道中の何でもない風景が
とても良くてのんびりと歩いてみたかった。
駅からお寺までは5・2キロ歩けない距離ではありません(以前なら)
家の造りが落ち着いていて所々に残る茅葺屋根にトタンをかぶせた家も趣があります。
街中のどこの国とも知れない家等はないのです。


鶏足寺の先にある石道寺を過ぎて集落に入ると前にアップの土蔵のある小径に出ました。
歩くのもはばかられる程の家の軒下の小径を行くと畑の端に「コーヒー有ります」の看板が。
小さな台にコンロとヤカンがのっていて傍らには手作りお焼とフルーツケーキ。
簡単なテーブルと椅子があったので一休みしました。
若い奥さんがお焼やケーキを作りご主人がコーヒー担当です。
お焼の具は甘めのサツマイモとサツマイモの茎を煮たもの、一個ずつ買ったお焼はお焼というより
蒸しパンのようでしたが美味しい昼食になりました。

コーヒーをいただきながら目の前の茅葺の家をスケッチして時折お話を伺うと、目の前の茅葺家屋は
友人宅でご自分たちは隣村のやはり茅葺の家に住まわれているのだそうです。
「いいですねぇ ちょっとうらやましい」と言うと。
「いいですよ。でも修理ばっかりして住んでます。雪が降れば雪掻きが大変ですよ」と。
ここは豪雪地帯です。家から道路までは各家庭での除雪は大変だと思います。
紅葉の季節以外は人よりも動物の方が多い地区で周囲の畑は高い柵やネット囲われていてまるで
檻のよう。「ここは人間が檻に入って畑するんですよ」柵の外に植えてあるのは唐辛子ばかりなのは
辛くて動物にも食べられないからのようです。

のどかでも私には無理な暮らしのようです。

 F0

今回のお出かけで大きな収穫がありました。
車を持たない私は少し辺鄙な所へのお出かけが出来ません。絵を描かれる方のブログに登場する
山里の家々はとても魅力的ですが私には無理とすっかり諦めていました。
今回木ノ本の案内所で聞いてみると本数は少ないもののかなりの所までバスが出ていることが
分かりました。最近よく取り上げられる琵琶湖の北の端「菅浦」へも木ノ本から直通バスが
1日2本出ています。2本でも出ていれば行くことは可能です。
調べれば行きたい所へ行くバスが見つかりそう。たとえその機会が来なくても調べているだけでも私は
楽しいのです。
ひとり山道で行き倒れないように、熊の出るところには近づかないように気をつけながら出かけたい。
こんなに気ままなお出かけに付き合ってくれる人はいないけど、一人旅もいいものです。
人それぞれ自分にあったようにが一番だと思っています。

 バス停近くでF3



鶏足寺は今日で終わります また少しブログお休みの予定です (-_-)zzz

鶏足寺へ紅葉を見に(2)地蔵院

2018年11月21日 | 近江の旅
 北国街道 F0 

先月も今月も遠出をしていない。
ネットやテレビでは紅葉の情報が溢れてどこかへ行きたくてたまらなくなります。
紅葉を見るには利用期間が12月10日からの冬の青春18切符では間に合わない。
ネットで見かけた紅葉の名所鶏足寺への行き方を調べるとJR北陸線の木ノ本まで行きあとはバス。
名古屋から木ノ本まで101km。往復202km、良かった!200kmを超えればばジパングの割引が
使えます。前日に名古屋駅の窓口で切符を購入、見てるだけでもうワクワクして・・・!
小さなリュックにスケッチブック、簡単な絵具と椅子を詰めてあとは駅でアンパンとおにぎりを買えば
準備完了!



  

鶏足寺 もっと人は大勢でしたが・・・ F0


名古屋から米原へ、乗り換えて北陸線木ノ本へ。
車窓には刈り取りの終わった田にひこばえが実りの秋のような優しい黄色に色づいてのどかな風景が
続きます。伊吹山を過ぎて琵琶湖の湖面が見え始めるると子供みたいに窓にくっついて見とれます。
木ノ本駅で降りると今度は鶏足寺までバス。ところがちょうど路線バスが出た後で直接鶏足寺行きの
循環バスまでには小一時間。その間に駅近くの北国街道を歩いてみることにしました。

駅で見どころを聞いてパンフレットをもらい、テクテク・・・
石畳の地蔵坂を登って木ノ本の名前の由来になったという「木ノ本地蔵院」へ。
パンフレットによると675年大阪湾に流れ着いた仏像を祚蓮上人がこの地の柳の木の下に
お祀りしたのが「木ノ本」の始まりとのこと。
地蔵堂のイメージとは違い大きなお寺です。先ず本堂に線香と蝋燭をお供えしてお参り。
本堂脇には青銅製で6mもあるお地蔵様、目の病にご利益があるそうです。


 ネットからお借りした写真地蔵院


駅のボランティアガイドさんお薦めの地蔵院戒壇巡りへ。
ご本尊のお厨子の下、三十三間の回廊を巡りご本尊のお手と結ばれた錠前に触れてお参りします。
本堂脇の入り口に「御戒壇内拝 冥加志納 三百円」とありました。「ん・・・」
財布には200円と千円札しかなくて無人の箱ではお釣りをもらえない。迷わず千円を入れればご利益は
多いかもと思いながらぐるりと回って本堂奥の納経所で両替をお願いしてきっちり三百円納めました。

入り口を入って決まり通り薄暗い中で大きな銅鑼?をひとつたたくと「ボワァ~~ン」と暗闇の中に
反響して違う世界へ入って行く気持ちにさせられます。
日頃は味わうことのない真っ暗闇。
以前に元善光寺の戒壇巡りをした時は大勢だったのでにぎやかでした。この日は1人だけでそろりそろりと
右手で腰のあたりの壁を伝って目指す錠前まで六つの角を数える間が長かった。
やっと出会った錠前の手触りにホッとして、そこで唱えるべきご真言「おんかかーびさんまえそわか」が思い出せない。「おんかかー ・・・?」仕方がないので「なむあみだぶつ なむあみだぶつ」と唱えて
錠前をしっかり握りしめてきました。
戒壇巡りは自分自身を顧みて積み重ねた罪障を取り除くための道場なのだそうです。
暗闇の異界から地上へ戻るような感覚、出口近くで見えた薄明かりの有難さ、外の世界の明るさの中で
この時素直にただ「よかった ありがたいな」と思えました。

地蔵院の前は北国街道木ノ本宿です。
古い街道の建物が良く保存されてそのまま酒屋さん、本屋さん、お菓子屋さんなどになっていました。
時間があればゆっくりのぞいてみたい街道、立ったままチャッとなぐり描きして駅へ急ぎました。

鶏足寺の紅葉を見に (1)

2018年11月20日 | 近江の旅
  

鶏足寺近くの土壁だけになった土蔵の小径

鶏足寺は奈良時代に僧行基等によって開かれたあと衰退し最澄によって再興されたお寺です。
その後も度々の兵乱や火災、時代の変化によって衰退し仏像などの寺宝は地区の村人によって
守られて今では収蔵庫に収められ地区の村人が管理にあたっています。
収蔵庫「己高閣・ここうかく」「世代閣・よしろかく」には奈良、平安時代の重文の仏像も多数
収められていました。

大きな薬師如来立像、十一面観世音立像は堂々として弱い衆生も救っていただけそうなご様子です。
由緒のありそうな仏様が並ぶ中でいくつもの破損仏像がありました。
塗料ばかりか眼鼻や手も欠けていたりするのですがどの方もとても気になる仏さまでした。
しっかりとした形がないところから何かを訴える力がより強くなっている気がします。
ボロボロになった木像も大切にお祀りされてきた村の方の努力にも感動しました。

今回の鶏足寺は紅葉を見に出かけたのです。
ブログを色々見ているうちに「湖東の鶏足寺」という記事に出会いました。
11月17日の写真が素晴らしいのです。
いつか行きたいと思い名前だけ記憶にありました。
いかなくちゃ~・・・「そぞろ神さん」がささやいたようです。


ネットの写真から湖東辺りは山里なので台風被害も少なかったのかと思い華麗な紅葉を想像して
出かけました。
ところが寺への山道の両側には根っこから倒れた大木が何本もあり引きちぎられたような
大枝が残ったままの所もありました。
鮮やかな紅葉のはずが、葉先が縮れてしまって特別に歩かないように囲った「ちりもみじの道」も
カサカサ道でした。
地元の方に聞くと
「今年の紅葉は夏の暑さと台風で仕方ないので、きれいな年にまた来てください」と。
あらまぁ・・・雨女さんが出かけても今日は晴れたのに折角の紅葉が・・・


 「ちりもみじの道」着いた時はまだ人は少なかった

紅葉はともかく平日にもかかわらず人は多かった。観光バスが次々に着いて団体で山道を
続々登ります。私も観光客の一人なのですが、こんなに多いとは思いませんでした。
往きに見かけた無人販売所に山盛りの野菜や果物、帰りにはヤーコンが少しだけになっていました。
道端でお姉さんが「一年かけてうちで漬けたのよ」と売っていた「鮒ずし」小さくて一匹600円、
きっと私には食べられないだろうと迷った末にやめました。
やめたのに先日もテレビで見たし話しの種にでも買えばよかったなぁと今も思っています。
いつも決断できなくて・・・いつも残念な思いをします。

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