味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

人の小童を教ふる、亦益を取る可し。

2018-08-12 09:45:31 | ブログ
第3512号 30.08.12(日)

人の小童(しょうどう)を教ふる、亦益を取る可し。己を絆(つな)ぎて出入せざらしむるは、一の益なり。人に授くること數數(しばしば)すれば、己も亦此の文義(ぶんぎ)を了(りょう)す。二の益なり。之に対するに必ず衣冠(いかん)を正し、瞻視(せんし)を尊(たか)くす。三の益なり。常に己に因りて人の才を壊(やぶ)るを以て憂と為さば、則ち敢て惰(おこた)らず。四の益なり。『近思録』546

 人が子供を教えるとき、教える本人も利益が得られる。自分をつなぎ止めてその場を離れなくする。人にしばしば学問を授けると、自分にもその書物の内容が分かる。これが第二の利益。相手に向き合うときは、衣冠を正しくつけ、目線を高くする。これが第三の利益。これはよくないと思います。自分によって人の才能が壊されはしまいかと、つねに気をつかっていれば、怠けられない。これが第四の利益である。

 【コメント】解説はほぼ良好だと思いますが、教えることは学ぶことだと言われるようにそのとおりだと思います。『礼記』に「教ふるは学の半なり」とあります。

 教えた後で、今の私みたいに、初心者のつもりで必死に書きうつすことが本当の勉強になると思います。少なくともボクシングの会長みたいに思い上がってはなりません。あの西郷隆盛をみてください。極めて謙虚です。

 思いあがるというのは稚拙だということなのです。

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西郷隆盛と勝海舟あるいは山岡鉄舟との間の交渉の話を聞いても、日本人以外の人にはまったく何が何だか理解できないでしょう。これが国の運命をかけた政治交渉であり、また藩の運命をかけた労働協約であるとは思われないほどです。しかし、日本では、現代もなおこの種の交渉が成立するのです。
 それは正直と信頼に基づく交渉であり、時代錯誤というよりも、時代に先んじたものであるからです。

 西郷隆盛と勝海舟などの話を読んだり聞いたりして思うのは、ものの原理に関する部分だけを取り出して考えると、それは誠に簡単で常識的だということがわかります。
 このように<常識的な原理に基づいて行動するのが、真のちえのある人であり、政治家や思想家というものでしょう。
 歳を重ねて終身会長と名乗りたいと思うような人間は、何も分っていないのだという人がいますが、多くはそのようにみているということです。

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 枕崎にお墓参りに行き、ご先祖様に懇ろに合掌して大変よい気分になってきました。
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 昨晩の稽古は子供たちが一人もおいでになりませんでした。最後に山田師範とセーエンチンの型をそれぞれ行いました。山田先生の型は40年の歴史が刻まれた素晴らしい芸術作品でした。
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