アボルダージュ!!

文芸及び歴史同好会「碧い馬同人会」主宰で歴史作家・エッセイストの萩尾農が日々の思いや出来事を語ります。

もう45周年!舟木一夫!   (萩尾)

2006-12-03 | 人物
飛浪が「調べ好き」ということを書いている。
私も調べる事は好きだ(そうでないと、歴史小説などは書けないし・・笑)。
が、飛浪とちがう所は、私の調べは書物から・・。あるいは、許される限り(これは、時間とお金の許す限り―という意味)現地に行く。簡単に言うと、パソコンに一日中向き合っているのは苦手・・ということかな。
以前は、あちらの書籍、こちらの資料・・と、机いっぱいに広げて調べた事柄も、最近は、パソコンにそれらしき言葉を入力して「検索」をポンとクリックすれば、たやすく詳細な説明文が手に入る。つい利用する・・・これは、いいことか、悪い事か・・??
そういう世の中になっても、やはり、重要なこと、決して、忘れたくない事は、必ず、ペンを持って(パソコンに入力ではなく)、書きとめておくのが、私の「習性」のようだ。
紙に書いたものは、たとえば、停電になっても、ウィルスに侵入されても、消える事は無い。これが、和紙だともっといいのだけど・・。
昔々の記録、幕末どころか、戦国時代の武将の手紙などが残っているのも、和紙に書かれているから・・。現代の紙では、長い時間の果てに消滅してしまう。
そんな風に、心の琴線に触れた事、ふいと胸を熱くしたこと、時には、怒りさえも、書きとめないと、安心(?)できない私は、もう、十年以上も前になるが、
「これは、どうしても、書き残しておかなくてはならない現象だ」
・・そう、ある「現象」を体現して、書き記した事柄がある。
書きとめて、そのまま、記録として、私の手元だけに残しておくつもりが、ひょんなことから、エッセイとして、出版の運びとなった。
それが、歌手の舟木一夫さんを綴ったエッセイ『舟木一夫の歩く道』だった。
これは、その後の数年分を加筆して、再出版にもなったが、再版になったからといって、それで、終わるものではなく、彼が活躍している限りは、書き綴りたい事柄が日々、積もる。
飛浪が以前、自分の「王子様」について、述べていたが、文字通り、私の「王子様」は、ある時、詰襟学生服姿で現れた彼であった。
「何てステキなお兄さん!」
・・と、マァ、いわゆる「初恋」・・かな。
その子供の眼差しが捉えた王子様には、その後、いろいろなことがあり、私も成長とともに、それらに心を痛めたり、届くはずもないエールを心の中で叫んでいたり、そういう私にも、様々な出来事が、結構、これでもか!―と、押し寄せたり・・人生というのは、そんなものだが、あまりに疲れた1992年の頃、ずっと、休んでいた(彼に言わせれば、「寒い所にいた頃」)彼が、また、活動を開始してきていたので、ふいと、見てみた。それこそ、満員の後ろの方の席で・・。
「ナマ彼」は10何年振りだったろうか。が、遥かに、遠いステージにその姿が現れた時、涙がとめどなく、流れた。何だか、ホッとした安心感に似た感情。・・で、あとで、その涙の正体は、迷子になった幼い子供が親を見つけたとたんに、張り詰めていた糸が切れて、ワァッと泣き出す、アレに似ている―と、あとで、気が付いた。その後、本になるに当たって、打ち合わせやら対談やらで会うことになった「王子様」は王子様にしては、言葉使いは乱暴、ぶっきらぼうな言い様・・・これは、彼が、シャイな故であるけど、正直、「ア、王子様が・・消えて行く~」と、ちょっと、思ったことは確か(爆)。
「舟木一夫といえば、暗くてひ弱」というイメージが、単に作られたものでしかない事も知った。実は、男らしい人。それでも、心根は繊細で優しい・・ということも知った。ちなみに「繊細=ひ弱」ではない事を明示しておく(勘違いする人が時々いるので)。繊細だから、心配り、気配りができる・・・と、いうと、シャイな彼は、「買いかぶりだ~!」といいそうだが・・。
そういう、真の彼を発見した中で、前述の、迷子の子供が親を見つけて泣き出した、あの涙と似ていることを言ったとき、一瞬、「?」か「!」との彼の表情の裏には、きっと、
「俺は、そんな年齢(とし)じゃねぇぞ~」(私のような年齢の子供がいるはずないという意味で・・爆笑!爆笑!)という言葉を叫んだのでは・・(大爆笑!)。
そうそう、その迷子の子供の涙の時、隣の席の見知らぬ、その頃、40代だろう男性は、懐かしい『学園広場』の歌になるや、目頭を押さえていた。「アア、この人にとって、青春だったのだろうなぁ、青春は、誰にでもいいものなのだなぁ」と、その時、思ったものだった。
そして、来年、彼は、早くもデビュー45周年になる。
ここまでの道、幼い頃から、本当にいろいろあった(TVで「いつみても波乱万丈」という番組があるが、まさに、ソレ)彼であるが、今、とても良い場所に立った。けれど、望みたいことがある。
「人に対して心を配る分、時には、自分に対しても、優しくなろう・・ね!」
と。
自分の体に対して、乱暴だから・・もうちょっと、自分をいたわってあげて―と、そう、やっぱり、消えてはいなかった私の「王子様」に向けて、望みたい。
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