軍港がもたらした近代化遺産-京都府舞鶴市：舞鶴赤レンガ倉庫群

さてさて、伊根の町で舟屋が立ち並ぶ光景を楽しんだワタクシは、その次に舞鶴市にある舞鶴赤レンガ倉庫群に向かいました。
地理にうるさいワタクシは、ここでちょっと舞鶴市について説明したく思います。少しばかりお付き合いください。

舞鶴市は西舞鶴、東舞鶴と東西二つの地区で構成されています。西舞鶴は古くからの城下町と商港から発展した町なのですが
東舞鶴は明治以降、軍港として発展した軍需都市です。したがって西と東では街の雰囲気や住民の気質にも大きな違いがあり、
かつては東西分離運動も盛んでありました。

ワタクシが足を運んだ赤レンガ倉庫群は、東舞鶴の北吸という地域にあります。


赤レンガ倉庫群は明治３３年（１９００）臨時海軍建築部支部（舞鶴）の直営工事で建設に着手され、
大正１０年（１９２１）までに次々と建てられたものなんです。


現存する赤レンガ倉庫は、レンガ造２階建１１棟、鉄骨レンガ造２階建１棟のうち前者１０棟は倉庫として現役で活躍し、
他の２棟は新たに「赤れんが博物館」「市政記念館」として転活用されています。


このような手付かずのものは、全国的に見て大変貴重で、映画やテレビドラマのロケに使用されることも多いのです。
最近では「男たちの大和」のロケ地になったそうですよ。(ワタクシはその映画を見ていませんが…)


確かにこの椅子に青年士官が座っていても不思議ではないような光景です。


倉庫の中に入ると、ひんやりとした空気が心地よく…


程よい音量でジャズが流れていました。流れていたのはたぶんソニー・ロリンズかな。


あっ、ワタクシの大好きな赤い郵便ポストが…。
これはこれは行かねばならぬ。

使用したカメラ：Canon EOS7D


舞鶴という言葉を聞くと、私はすぐに二葉百合子の『岸壁の母』を思い浮かべてしまいます。
ちょっと気になったので、歌詞を調べてみました。

「母は来ました　今日も来た　この岸壁に　今日も来た
　とどかぬ願いと　知りながら　もしやもしやに　もしやもしやに　ひかされて

　また引揚船が帰って来たに、今度もあの子は帰らない……
　この岸壁で待っているわしの姿が見えんのか……
　港の名前は舞鶴なのに何故飛んで来てはくれぬのじゃ……。
　帰れないなら大きな声で……
　お願い……
　せめて、せめて一言……」

歌詞を見て、切なくなりました。


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