まほろばの泉

亜細亜人、孫景文の交遊録にある酔譚、清談、独語、粋話など、人の吐息が感じられる無名でかつ有力な残像集です

アメリカよあれが文明の灯だ  抜粋 Ⅳ    2010再 

2024-03-04 14:50:02 | Weblog

津軽弘前 忠魂碑の威容



久坂総三氏 寄稿
部分プリント2 


しかし、云わなければ、云わないままの状態が真実とされる、歴史と決められてしまう。
 云わねばならぬことあれば、云うべきである。
…ウソと私情私然で誇大に叫べば、これもまた、ニセの真実となる。
 全くムヅカシイ事だが、それをなすのが、学者であり、知性人であろう。
 残念ながら、日本では…?

 ウォーナー“カミカゼ”
「“ライフ”一九四四年五月二十二日号 今週の写真は、一ページ丸毎使われていた。アリゾナ州フェニックス市の二十才のナタリイ・リチャードソン(戦時従業員)嬢が、ペンを片手に、卓上の頭蓋骨―日本兵―をウットリと眺めている写真であった。
 
それは、ボーイフレンド、W・F・J・ウィームズ大尉が故郷に送ったもの。
 小見出しに、彼女が、それを贈ってくれたボーイフレンドに礼状を書いていると

説明…
 トラックドライバーらは、ペンキで彩色した頭蓋骨を装飾品として、フェンダーの上に乗せて走った。死骸の歯で作った首飾りが大流行。鎖骨でペーパーナイフが作られた。」 
ウォーナー氏は、この後、大統領が八月十日、戦地からのレター・オープナーの受取を拒否するまで、誰も悪いとは考えている者はほとんど無かったようだ。と書いているが、


 実は、同じルーズベルト大統領が、同じ、“ライフ”誌に、その日本兵の骨で作ったレター・オープナーを手に持って、微笑んでいる写真が、デカデカと掲載され、出版されている。


 それを私も見た。戦時中(私、中学三年生、当時、十七才、 サンデー毎日誌…朝日新聞等大新聞ものせていたと記憶する。
 まァ、これについては、云うべきことも大いにあるが、止めておく。
 ただ、これを云った人も、著者も、敗戦後七十年。まず誰一人として、書いた者も、報じた者も聞いたことがない。
 ただ、小堀桂一郎「宰相鈴木貫太郎」昭和五十七年刊と、平成十五年頃の正論誌上に、西尾幹二氏の戦中問題記に見ただけ、たった二人だけである。

 戦中、コレを狂喧として叫んだ。新聞記者に中野五郎なども、戦後は、全く一筆も、触れていない。他は推して知るべし。
 知らない、知らなかったのではない。
 見ない、ソッポを向き、また否定してきたのである。
 知らざるものも、教へぬものも憐れなるもの哉…

 まァ、こういうことが、アメリカの正義であり、キリスト教の愛と、自由と、慈悲なのであろう。

 





アメリカ人もまたこれに触れたものを聞かぬ。
 ただ、一度、同じアリゾナか、ミネソタ辺りの若い女性が、それを知って、追悼の私的グループ活動をした。それを日本の若い男が知り、愕然とし文通したということを何かの新聞で見たが…ただそれっきりでしぼんでしまったようだった。

  F・B・スレッジハンマー
大学の高類学者、第一海兵分団第五連隊第三大隊○中隊に属し、補充兵として十九才より戦闘 一九八二年「ペリリューと沖縄の懐かしき友たちと共に」を発表、戦友顕彰の記録を残す、がその中にさえ…

 「日本兵は、武士道を基に戦っていた。戦士の道に降伏はない。全く望みの無い事態に立ち到っても、諦めない、実際に、彼らと戦ってみなければ、とても理解できないことです。
 
…段々日本兵をやっつけたくなった…無感動になってしまうのだ。
 
…ペリリューで、初めて日本兵の終をじっくり見た。撃たれていた。戦友らがこの男をバラバラに切り刻み、記念品にするのを見て、本当にたまらなかった。

 兵隊たちは、狩の獣のように、死骸を引きずり廻していた…私は震え上がった。コイツだって人間だってね…でもそういう気持ちは、永く続かなかった。

 日本軍に対する憎しみは、ごく自然に、本能的に出来上がっていく、ドイツ人に対してとは違っていた。

 ペリリュー…沖縄…捕虜を捕まえた。負傷者は殺すな、と、命じられていた。(降伏者からは、情報が取れるからでした。)が…気持ちの上では…まァ、一々尋問すれば、兵隊は、捕虜は殺しちゃいないというでしょうが…つまり、野蛮人だからって…ね。

 訓練所の教官は、我々にいった。「日本人と戦う時、ずるく立廻るのをためらうな。やられる前に、殺れ。

 …私は、必要もなく、負傷日本人を撃ち殺し、口から金歯を抜き取る兵隊を見た。

 私もしようかと思った時もある。
 リンドバーグは、米兵が日本兵を酷い汚い言葉で言っているのに、ゾーッとしたといっている。

 向うも野蛮人なら、私達も正に野蛮人でしたよ。

コメント (1)
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