五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ ヤングキングアワーズ 感想

2015年06月06日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2015年7月号

 

 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら
 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
 今月の『ドリフターズ』感想はこちら

 表紙は、コミックス14巻が発売中の『それでも町は廻っている』!
 女子高生たちの集団が、さわやかな印象を与えますけど、
 石黒先生によりますと、こういった狙いがあったのだとか(´▽`;) さすがです。
 
 

 『超人ロック ラフラール』 (聖悠紀 先生)

 超能力が使えないテトの選んだ道は・・・?

 大学で、移植用の動植物が適合する確率の高い星をさがしているテト。
 それが彼の「ラフノール復元」という夢への道ということに・・・
 ルームメイトのダグくんが協力的なあたり、ちょっとした安心感がありますね。

 そして、過去ラフノールで起きた出来事。
 ロックが自ら人々の責めを背負い、帝国の魔手からラフノールを守ろうと
 努めているのは、彼らしいというか何と言うか・・・

 そんなロックを慮りつつ、彼に頼り切ろうとする司祭ロニ。
 このあたりの思惑の違いが、どのような方向へ向かうのか、気になります。

 

 『ガーゴイル』 (原作:冲方丁 先生/漫画:近藤るるる 先生)

 松平容保に会い、決意を新たにする土方・沖田・・・

 しかし、土方の身に何か起きると、予知した沖田。
 さらに、沖田自身も能力を使うことで、寿命を縮めているという話が、
 それぞれ不安をかき立てますが、事態はさらなる局面へ。

 新撰組の屯所を訪れた沙門が、八大金剛の居場所を告げに現れ、
 永倉新八との激しい“交渉”の末、決戦準備が整うことに・・・
 永倉と沙門のやりとりに燃えつつ、「最終決戦」の予感に、たぎります!

 

 『ますらお 秘本義経記』 (北崎拓 先生)

 義経一党 vs 那須与一!

 追いつめられたと思いきや、闇夜での与一の弓は脅威!
 相手が義経と知るや、一騎打ちを申し出る与一。
 2人の弓での一騎打ちが、緊張感ある凄まじい内容で、燃えましたね。

 実戦での弓の撃ち合いは、こうしたものなのだろうと感じさせる迫力。
 そして、弓では与一に軍配が上がりそうでしたが、そこで義経一党の絆が
 力を発揮し、義経の“奇策”が活きていたのは、面白かった!

 義経の闇におののく与一。
 なりふりかまわぬ義経と、うろたえる与一の様子が、まさに実戦といった趣で、
 いやはや、ここでいったんお休みとは残念至極! 次シリーズ開幕が待ち遠し!

 

 『リュウマのガゴウ』 (宮下裕樹 先生)

 コミックス7巻、6月30日発売! そんな今回、“初めてのリュウマ”と対決!

 リュウマ&ヤツハと、ジンたちとの対決は続いていますが、
 強敵である“剣士”に対して、リュウマが純粋に好奇心を発揮していて面白い。
 その剣技を真似つつ、わたり合おうとする所が、無謀ながらも頼もしい。

 そして、“剣士”が思い起こすジンとの過去・・・
 そこでのやりとりと、現在のリュウマである少年との重なりが、
 リュウマの継承を確かなものへと、つなげていたのは、素敵でしたね・・・

 

 『スピリットサークル -魂環-』 (水上悟志 先生)

 病に倒れたイーストを救おうとするフルトゥナでしたが・・・

 目的はイーストの病を治すことだったはずなのに、ひたすら研究に没頭し、
 何かに憑かれたようになるフルトゥナが、すさまじかった!

 天才だったフルトゥナが、破門になった理由・・・
 禁忌に手をつけたためということでしたが、天才ゆえに孤独であり、
 孤立を深めてゆく過程が、表向きの気楽さとは対照的に、寂しくありましたね。

 そして、病を治すことよりも、世界の真理に届くこと、天才を証明することに
 没頭しているようにみえるフルトゥナが、ぱかっと頭を開く瞬間の見開きが、
 とんでもなさ過ぎて圧倒されましたよ! コーコの不安は、どこへ向かう?

 

 『MUJIN』 (岡田屋鉄蔵 先生)

 跡目継承の問題で、八郎の周辺も慌しくなっていますが・・・

 武士の間では、大老の井伊直弼がどのようなことをしているかなど、
 世間の動きが大きな話題になっている様子で、その話が面白かった!

 日米修好通商条約の締結から、孝明天皇の反対、そして攘夷運動の高まりと、
 歴史の渦がうねり始めている雰囲気に、引き込まれましたね~。
 そんな時だからこそ、「家」が大事だという話も興味深かったです。

 そして、八郎の他流試合へと話題がうつりますが、その相手がまさかのあの人!
 相手方の道場へ向かう途中、出会った人物もまた有名人・・・
 作者先生の目次コメントに笑いつつ、楽しくなってまいりましたよ!

 

 『夜鳴きのシィレエヌ』 (今村陽子 先生)

 最高位12枚羽根のシィレエヌ、その1人が登場・・・

 と思いきや、今回の主役は、行方不明の猫さがしをすることになったミラン。
 マスターに拾われる前は、スリをしていた少女ですが、猫の飼い主を慮る
 やさしい性格でもあるようで・・・

 そんな彼女の猫さがしは、12枚羽根“死神ククルス”とも関わりをもち、
 死を感じさせる展開となりますが、エリートに対して、おちこぼれのミランが、
 どこまで対抗しうるのか・・・ 楽しみです!

 本作は、マスターを通して、シィレエヌと呼ばれる少女たちにスポットを
 あてた構成になるようですね。 ウルラもミランと関係あるようですし、
 様々なシィレエヌの登場に期待したいです。
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

【コミックス14巻、発売中~!】
●それでも町は廻っている (石黒正数 先生)

 

 修学旅行は、青春模様!?

 北海道へ修学旅行へ行く歩鳥たち。
 その飛行機の中、彼女をつくった鈴木くんに触発されたのか、
 真田くんが歩鳥への告白を決意している様子・・・

 なんて感じに、修学旅行で青春が動き出す予感?
 といったお話だったわけですが、「ポロトコタン(アイヌ民族博物館)」での
 ムックリの演奏など、修学旅行本来の楽しみも、また格別でありました。

 

 

 

 何だかんだと、旅行を楽しむ一同でしたが・・・

 そんな中、真田くんの友人・浅井くんも、海老州さんへ告白を決意。
 海老州さんを呼び出し、緊張しつつも率直に、「好き」と告げている所が、
 たまりませんでしたね~。

 しかし、海老州さんの反応は、予想外のもので、「正直わけがわからねえ」
 と述べる浅井くんに思わず同調してしまいました(^^;

 男子は残念会をひらき、女子は泣いている海老州さんを慰める状況に・・・
 落ち込む浅井くんの姿が悲哀すぎて、ちと可哀想な感じでもありましたが、
 真田くんたちが慰めつつ、面白こと言っていたのには笑ってしまいました。

 そして、思いっきり修学旅行を堪能する歩鳥たちが、楽しかったわけですが、
 ここから、海老州さんがタッツンに相談をしたことで、事態は動き出し・・・

 女子の団結と、その誇らしげな表情が、なんとも小気味良い頼もしさ。
 1つの恋愛が成就する瞬間に生まれる幸福感が、心地よい内容でしたね~。
 と同時に、真田くんの涙が、正直な男心といった趣で、思わず共感(ぇ

 芹沢先生のおっしゃる「修学旅行の良さはリアルタイムではない」なんて言葉に、
 しみじみ感じ入るものを覚えつつ・・・ 今後も楽しみです!
 
 
 
 

【コミックス1巻、発売中~!】
●聖骸の魔女 (田中ほさな 先生)

 

 魔女をもって魔女を制す。

 人間と魔女との戦いに、魔女への対抗手段として「最初の魔女」を
 蘇らせた修道士ニコラは、2人の魔女と契りを交わし、魔女を追う旅へ・・・

 その途上、怒りにあふれる謎の街シビッリーニを訪れたニコラたちは、
 そこで、魔女シビラと遭遇し、彼女を追いつめたかに見えましたが・・・?

 矢で射抜いたはずのシビラは、憤りをあらわにすれど、絶命せず、
 逆にニコラが捕らわれ、絶体絶命の窮地に陥ります。
 そこでシビラ、ニコラを懐柔するとみせかけて、さらなる罠を張る徹底ぶり。

 そんな感じに、ニコラの供である2人の魔女エゼルバルドとウプスラが
 見守る中、事態は深刻な方向へ・・・

 といった内容に、緊張感が高まりましたが、何やら策があるようで、
 ここから反撃に出る雰囲気満載で、次回へ続く!
 なのに、来月号はお休みだとか・・・ コミックス1巻も発売となりましたし、
 これはイヤでも、再来月号が楽しみです!
 
 
 
 

【コミックス1巻、発売中~!】
●ストーリーズ (大井昌和 先生)

  

 『起動帝国オービタリア』をめぐる、もう1つの物語。

 劣悪な環境から逃れ生活する人類をのせた超巨大ロボ・オービタリア。
 その1つ「黒鉄の暫国」に住むアキナケスを主人公にした、
 「白銀の神無国」に追われる少女ル=クィンをめぐる物語となっています。

 「白銀の神無国」のスタニワフによって、ル=クィンを奪われたアキナケス。
 彼女を取り返すべく、ひたすらに敵へと挑む姿は、勇者のごとしでありました。

 しかも、使用した飛行凧が、「蒼の終国」のアヴァロンだったことは、
 前作の読者にとっては、「おっ」となる所だったのではないでしょうか。

 そして、ル=クィンへと迫るアキナケスでしたが・・・
 阻むのは、オービタリアという巨大ロボ! その力の差は歴然!

 ここで面白かったのは、スタニワフがオービタリアを動かす際、
 議員の反対を押し切り、合法的に役人たちの手によって、動かしていた点。
 これはすなわち、オービタリア=国家そのものという描写なのですよね。

 ゆえに、国家 vs 個人という対比がなされ、アキナケスの無力さが実感できる
 わけですが、それでもめげずに、堂々としたふるまいで、笑顔さえ見せながら、
 ル=クィンに希望を持たせるアキナケスが、何ともカッコイイじゃありませんか!

 ここから、いよいよ本番ということになりそうな本作品。
 コミックスも1巻が発売となりましたし、ますます今後も、楽しみです!
 
 
 
 

【最終回!】
●こいコイ!~球場ラヴァーズ~ (石田敦子 先生)

 

 コミックス完結2巻は、6月30日発売!

 最後は、黒田投手の関東初登板となる試合を観戦する恋子さんたち!
 新学期を迎えた恋子さんたちは、新たなシーズンにも期待を膨らませています。

 ジョーくんがものごころついてから、カープが優勝候補になるのは初というので、
 否が応でも、期待したくなるのがファン心理でしょうね~。

 ところが、黒田投手はいきなり打たれまくりで、ジョーくん嘆いてます(^^;
 黒田投手に重ねて、期待されて大変と述べる大野くんと、
 期待されない方がツラいと言うジョーくんと、両者の考えはごもっとも。

 そこで、恋子さんが語る「応援されてやっと動けることもあるかも」
 という言葉が、大切なものに感じられてきましたね。

 

 

 

 そこへ、見たことある女性が登場!?

 買いすぎた神宮名物のウィンナを、食べてくれないかと
 恋子さんたちに頼みに来た女性・・・ あの人ですねえ。

 彼女もまた、黒田投手が打たれたことを残念がってはいましたが、
 「でも、次がある」と言う姿に、確かな希望を感じられた気がします。

 病気で引退した津田投手の話を経て、応援することの意義を語る女性。
 黒田投手の迷いすらも応援したいと語るその心は、迷うからこそ
 次につながることを理解して、それを大切にしていることが察せられましたね。

 「頑張れ」という言葉が、決して無責任なわけではないという想いは、
 応援というものが、ある種の祈りでもあることを感じさせます。

 そして、その祈りこそが、ファン心理ともいえるのではないでしょうか。
 たとえ苦境にあっても、下位に甘んじ続けても、応援するということは、
 本当にそのチーム成なり選手なりが、好きだということの証。

 これって、とても素敵なことじゃありませんか。
 そして、その「好き」を選ぶのは自分自身・・・ 
 なんてことを、しみじみ感じ入る最終回でありました。

 本作は、野球観戦の楽しさはもちろん、それを観ている自分の心にも、
 何かしらのプラス要素を見出させてくれる魅力がありました。
 これはシリーズ通じて、共通している特色なのですよね。

 恋子さんを主人公とした本シリーズは、これにて完結ではありますけども、
 新たな人物を主役に、新たなカープファンが生まれる新シリーズを期待したい所。
 なんて考えつつ・・・ 楽しませていただきましたー!

 


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