五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月のナポレオン

2016年01月04日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2016年2月号より

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

 

 コミックス10巻は、2月発売! そんな今回、枕元に立つ皇帝陛下。

 夜、就寝しているフーシェの前に現れたのは、ナポレオン!
 陛下自ら、そのような行動をとっていることに驚きますが、
 それもこれも前回、彼らの陰謀を知ったため。

 不倶戴天と思われたタレイランと組み、ミュラを担ぎ上げようと画策していると
 報告を受けたナポレオンに、クビを突きつけられるフーシェでしたが・・・

 

 

 

 しかし、フーシェは自らの有用性を陛下に進言。

 その有用性を証明して見せろと、フーシェに迫るナポレオンでしたが、
 ここで度肝を抜かされることに・・・

 ここでのやりとりは、フーシェの恐ろしさを見せつけられる場面でしたね。
 ナポレオンを激高させつつ、己の命を張った大芝居。
 とはいえ、自分の安全は確保しながらというのだから、とんでもない。

 そして、ナポレオンの行動が、図らずもフーシェへの「信用」となるよう
 仕組んでいるあたりに、底のしれない凄味を感じさせます。
 まさに、クモの糸にとらわれたような、逃げられない心持ちになりますよ。

 フーシェの笑顔が不気味すぎでした。
 もはやパリは、彼自身の帝国ともいえるほど、根が張りめぐされている。
 結果、クビは取り消しとなりますが、そうなるとナポレオンの標的となるのは・・・

 

 

 

 タレイランへの激しい叱責。

 フーシェの共犯とされるタレイランへ、手厳しい“餞別”を贈るナポレオン。
 ありとあらゆる罵詈雑言を浴びせかけ、プライドをへし折る勢いで、
 タレイランを責めまくっています。

 その激烈な言葉の嵐に、ただじっと耐えるかのようなタレイラン。
 ナポレオンの叱責について冷静に分析していた彼でしたが、
 最後の一言には、微かに衝撃を受けていたような表情だったのが印象的。

 この「絹の靴下に詰まった糞」発言は有名ですよね。
 それでも平静を装いながら、ナポレオンについて「残念」とコメントを残すあたり、
 タレイランには、まだまだ余裕があるように見えます。

 

 

 

 オーストリアとの戦い。

 皇帝陛下の代理として指揮を執るのは、ベルティエ。
 ナポレオンからの指示に従い、軍を動かしていますが、
 矢継ぎ早に押し寄せる命令に混乱することに・・・

 このあたり、今月の「大陸軍戦報」に詳細が書かれていましたけど、
 これはさすがに厳しい状況になっていますねえ。
 ベルティエは胃を痛めるし、そりゃ、あのダヴーさんも激怒しますわ。

 そして、ようやくナポレオンが到着。
 これで助かったと安堵するベルティエでしたが、彼を待っていたのは叱責。

 タレイランの時ほどではなくとも、激しい言葉でなじるナポレオン。
 このことは、ベルティエの心情に変化を起こしたのかもしれませんね。
 新兵を眺めるベルティエの視線に、覇気がこもっていない所が気になりました。

 

 

 

 ランヌの到着・・・

 ベルティエの失態を挽回するためには、スペインに派遣されている
 ネイやスルトなどがいないことが「痛い」と考えているナポレオン。
 しかし、ランヌが来れば、その穴を補えるとも思っているようで・・・

 ここで、ランヌさんがマルボさんに「早く結婚して家庭を持て」と
 言っていたのが印象的で、それはランヌ自身が家庭を愛していることと、
 それゆえに、戦争を厭うようになってきていることが、伝わってきます。

 さらに、マルボさんに冒険譚を子供に聞かせてやれ、と述べていたのは、
 マルボさんが子供たちに話し聞かせる昔話へと、つながるものなのでしょう。

 そして、暗躍するフーシェ・タレイラン組と、オーストリア外相メッテルニヒ。
 これが意味することは、フランスへの裏切りなのでしょうけど、
 それでも、それは「平和のため」という大義が前提なのでしょうねえ・・・

 けれど、そのことが衝撃の結果を生むわけですから、
 私としては、この先起こることから目をそむけたくもなります。

 カール大公率いるオーストリア軍との戦いは、
 ナポレオンにとって、大きな損失をもたらすことに・・・
 それがどのように描かれるのか期待しつつ、今後も楽しみです!

 

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