作者は、宮原るり先生。 (サイト:ヘッポコロジー)
恋に恋する女子中学生たちによる「恋愛研究」や、
それを活かして(?)、実際に男子と交流する「恋愛実践」などが
面白おかしく、ときに切なくもどかしく、展開する4コマ作品です。
この8巻では、体育祭のために男子から学ランを借りることになった藤女生徒会。
そのためのやりとりが、笑いと共にくりひろげられますが・・・?
【学ランの貸し借りをめぐる、リコとナギの心情】
●男子から学ランを借りよう!
体育祭を盛り上げるためのアイテム、それが学ラン!
今回、その学ランを借りるため、ナギやヤンに話を持ちかけねばならないリコたち。
しかしそこには、一喜一憂の出来事が待っているのでした・・・
なんて内容だったわけですが、
ただ男子の学ランを借りるというだけで、赤面しまくり、妄想はかどる乙女たちが面白い!
とくに、意中の男子がいる2人、リコとエノの反応の初々しさが、
微笑ましくも可笑しなところに、笑いまくりでありましたよ゜(*゜´∀`゜)゜
ところが、リコとナギの関係に亀裂が・・・?
学ランを借りる相談をする前に、「マキオ」の存在をきっかけにして、2人はギクシャク。
もう完全にヤキモチ妬いている状態のナギですが、
リコはそんなことわからずに、むしろナギはマキが好きなのでは? と悩む始末。
こうした2人の“すれ違い”が、わずかに緊張感を醸し出しつつ、
どうなってしまうのか気になる展開は、まさにラブコメ。 なかなか引き込まれました。
真っ向勝負を挑むリコ。
とにかく、ナギの学ランを着たい。
彼以外のものではダメだし、彼の学ランを他の人間が着るのもダメ。
ということで突撃することになりますが、ここでの会話が最高に笑えたのはご愛嬌。
けれども、そこにチョコチョコはさまれる
リコの心情(自分に貸すのが嫌なのではないか?など)が、
彼女の真剣さを感じさせてくれますし、それに応えるナギの
リコの笑顔に対する戸惑いなども、興味深い所でありました。
というか、リコは感情がダダ漏れになってしまうタイプですねえ。
あんな笑顔をみせたら、言葉に出さずとも「嬉しい」という感情が伝わってしまいますよ。
でも自分ではわかっておらず、そんなところも可愛らしいわけですけども・・・
それでも、ナギはリコの感情に気づかない。(もしくはそんなフリをしている?)
これには過去の出来事というのが、関係しているのでしょうね。
まだ何があったのか、よくわかっていませんが、
判明しているのは、ナギがリコにフラれた(らしい)ということ。
ナギはリコにフラれたと思い込み、リコはまるで覚えていない。
このあたりに、誤解やすれ違いがありそうでもありますね。
一方、マキオに関する誤解についてはあっさり解消して、ナギのわだかまりも消えました。
さらにナギが気にしていた問題についても、「昔とは違うのか」と考えていて気になる所。
この学ラン騒動をきっかけに、2人の間の壁が大きく取り払われたような、
そんな予感がするのですが、どうでしょうね? 今後の展開に期待です。
【その他のこと】
●リコの友人・桐山ミカ
本作において特殊な立ち位置にいたキャラクター・ミカ。 (画像は2巻・特典ペーパーより)
特別編では、彼女と、新聞同好会の2人・モモ&ナナについて描かれていました。
ミカはリコの友人でありながら、生徒会の輪には加わらず、
その外側から無自覚に、物語を引っかき回す役割をになってきた人物です。
たとえば・・・ (左:2巻85ページ/右:4巻76ページ)
リコに池澤くん(ヤン)のことを尋ねてきたことで、
リコが男子と接点をもつ方向へ物語が押し進められましたし、
また、本作の重要な転換点となった4巻では、リコの恋愛経験の無さを指摘して、
マキとの関係に大きな変化をもたらすことにもなりました。
このように、現れてはすぐさま去ってゆくわりに、物語を大きく動かす存在だったミカ。
いわば彼女は、話を一定方向へ導くための便利なキャラクターだったわけです。
しかし、この8巻で描かれた特別編で、彼女も本格的に輪の中へ加わることに・・・
もう「外様」ではなく、その枠内に踏み入ってきた彼女は、
今後そのキャラクター像を大きく変化させてくることでしょう。
私は、そのあたりに期待したいですね!
このほかにも、『みそララ』の麦みそこと麦田美苑さんの来訪や、
マキとヤンのやりとり、エノ&サヨの修学旅行、体育祭、アニキーズなど、
色々ありましたが、アニキーズ以外のことは連載時感想をご参照ください。
アニキーズに関しては、もうフビンとしか・・・
とくにエノ兄は最近、ないがしろにされることが多いですね。
エノも生徒会の面々との付き合いから、兄を客観視できるようになってきてますし、
何より“王子様”の存在が、兄離れのきっかけになっているのかも?
また、サヨとユウくんの関係も面白かった!
サヨの「浮気現場」に遭遇した彼とのやりとりには、
もっと恋人同士らしくせーよ、と言ってやりたいですねえ。
などなど、語りつくせぬ面白さ。
アニメも放送が始まりましたし、ますます飛躍していってほしい作品。
8月には8.5巻、9月には9巻が早くも発売予定ということで、今後も楽しみです!
【まんがタイムスペシャル 連載時感想】
この時期、アニメ化決定やアニメ情報なども、ちらほら出てきています。
夏はアニメ『恋愛ラボ』で盛り上がりたいところですね~。
宮原るりスペシャル(2011) : 麦みそ、藤女を訪れるの巻