五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 最近読んだマンガ1巻感想(後)

2010年07月17日 | ◆「お気に入り」 (旧プチ感想)

端っこの「お気に入り」プチ感想です。 (前回

 

・『ドリフターズ』1巻

・『蒼き鋼のアルペジオ』1巻

・『マンガで分かる心療内科』1巻 (追加)

  

 最近読んだマンガの1巻プチ感想・前編のつづきです。(追加あり)

 前2作品は、どちらも「ヤングキング・アワーズ」連載中で、今後の期待大作品です。

 後2作品は、ずいぶん前に刊行されていましたが、最近ようやく購読できました。

 

(追記)

 記事タイトル変更:「最近読んだマンガ1感想(中)」 ⇒ 「最近読んだマンガ1巻感想(後)」

 本当なら(中)(後)ともに2作品ずつの予定でしたが、まとめて3作品にしてタイトル変更。

 残り1作品を単独感想記事にします。

 

 

内容に触れる部分があります。

 

 

『ドリフターズ』1巻

(平野耕太 先生)

 時は1600年、天下分け目の関ヶ原! 東軍西軍、入り乱れての大合戦。

 名だたる武将数あれど、本作品の主人公は・・・島津豊久!

 乱戦の中、血路を切り拓き、敵将の首を求め戦いぬき、傷つき、たどりついたのは・・・?

 

 と、いきなりクライマックス状態から始まりますが、史実での豊久はここで「死んで」います。

 しかしこの物語は、彼が死なずに、〈異世界〉に放り込まれてからが本番!

 

 この〈異世界〉には豊久のみならず、織田信長・那須与一といった過去の人物たちが

 まぎれこんでおり、彼らはナゾの監視者から「漂流物(ドリフ)」と称されています。

 しかも日本人だけではなく、共和政ローマを苦しめた古の名将やその好敵手、

 さらに“西部”の有名な強盗団(あれはキャシディとキッドか?)などなど、

 歴史上の人物たちが「漂流物」として続々登場!

 

 しかしこのほかにも、ナゾの軍団に所属する者たち(彼らもまた歴史上の有名人)がいて、

 彼らは「漂流物」ではなく「廃棄物」と呼ばれ、黒王なる人物により統率されています。

 そして黒王は、この世界に戦争を仕掛けていて、さらに「漂流物」を根絶やしにしようと

 たくらんでいる様子。

 (この「廃棄物」となっている者たちは、「歴史上、非業の死を遂げた人物」っぽいですね)

 

 ・・・といった感じの話なのですが、これが過激・苛烈なヒラコー(平野先生)テイストで、

 燃える燃える、バンバン燃える!!! 歴史上の人物の事なぞ知らなくたって、豊久はじめ

 個性的な面々の活躍は、それだけで心躍らせてくれるというものです。

 

 本当はもっと長々と、ネタばれ感想書きたいほどの作品。

 今後が楽しみでしかたない!

 

 

『蒼き鋼のアルペジオ』1巻

(Ark Performance)

 「究極のSF海洋戦記」(オビ文より)

 

 世界に突如現れた「霧の艦隊」。

 人類は、その超兵器を有する戦力の前に敗れ、以後海上に出ることができなくなる。

 しかしその17年後、「霧」の力を持つ潜水艦・イ401に乗り込み、戦う者たちがいた。

 

 ・・・というお話で、潜水艦やら戦艦(この巻では巡洋艦ですが)やらがSFチックにドンパチ

 かましまくり、といった要素に燃えられる方ならば、かなり楽しめる作品かと思います。

 さらには大戦時に活躍していた軍艦の知識があると、なおよろし?(中身は別物ですが)

 

 また、SF要素としての「メンタルモデル」が面白い存在。

 これは「霧の艦隊」重巡洋艦以上の艦艇と、主人公たちの潜水艦・イ401に存在する

 意識体のことで、人のカタチをしています。(各艦艇の「個性」を具現化したもの?)

 

 イ401には、イオナという少女のカタチをしたメンタルモデルがおり、

 彼女だけはなぜか人類の味方をしているという設定。

 主人公である艦長・千早群像は、このイオナとコミュニケーションをとることで、

 「霧の艦隊」と戦える潜水艦・イ401をあやつることができるわけです。

 

 などなど軍事的・SF的な要素がゴチャゴチャ入り乱れますけれど、そうしたもの以外にも

 登場人物たちのやりとり、そして何より戦闘の駆け引きなどに大きな魅力があります。

  

 ただ本作品は、物語の導入や展開が今ひとつ説明不足で、読者的には「?」なまま

 読み進めなければならない部分が多く、そこらへんでストレスを感じてしまうかも。

 それでも私はかなり楽しめましたし、用語説明など参照しつつ考えながら読む楽しみも

 あるかと思いますので、興味があれば一読もありかと思いまする。

 

 とにもかくにも、今後の期待大作品!

 ・・・対戦艦戦闘を、早く観てみたいなあ。

 

 

『マンガで分かる心療内科』1巻

(原作:ゆうきゆう 先生  作画:ソウ 先生)

 ウェブ上で公開されている作品ですが、私は紙媒体でも読めて嬉しい限り。

 

 「心療内科の病気のすべてを笑いながら学べる!」とあるように、

 ナース・あすなさんと心理士・療さんが、見事なボケ・ツッコミで楽しませてくれながら、

 ウツや幻聴、認知症、さらにはロリコンのことなどを解説してくれます。

 

 基本、下ネタっぽいネタが多いので、そのあたりの「笑い」がニガテな方にはツライかも?

 でも、あすなさん&療さんのコンビネーションが見事すぎて、下ネタがNGの私であっても

 気にせず笑って楽しめました。(下ネタNG?・・・ウソつきましたスミマセン)

 

 また、「Y医師のよく分かる解説」にて各回の解説がなされていて、内容が真面目(?)に

 フォローされており、安心して読むことができます。

 

 たとえば、ロリコンの話をした回では、

 「ちなみにYはどちらかというと円熟したお姉さま大好き派であり、

 とにかくロリータ万歳というマンガではありませんので誤解なきようお願いいたします」

 とあり、余計な心配もなく楽しめますね!(?)

 

 まあ真面目な話、とかく心理的圧迫を感じがちな社会にあって「気持ちをゆるく保つこと」が

 大切なのだと、お医者先生が自らを道化に模して伝えてくださる作品です・・・たぶん。

 気軽に笑って楽しみながら、心をほぐせる感覚。 面白いです!