五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 「お気に入り」 プチ感想66

2010年05月27日 | ◆「お気に入り」 (旧プチ感想)

端っこの「お気に入り」プチ感想です。 (前回

 

・『一緒にかえろう』1巻

・『プレミアム天子様

 

 どちらも「まんがタイムweb」今月の新刊にて、試し読みできます。

 それにしても、なんだか最近「プチ」感想じゃなくなってきたなあ・・・

 

 関係ないんですけど、『コミック大河』今月号が近所の書店で見当たらない(T_T)

 人気薄なのかな~・・・でも私ゃ好きなのさ。(コンビニで購入できました)

 あと、『マンガでわかる心療内科』1巻も見つからない~。早く読みた~い!

 

 

『一緒にかえろう』1巻

(矢直ちなみ 先生)

 小学4年生の夏休みに出逢った「初恋」が、6年後に破れて始まる4コマ物語。

 ガサツだけど思いやりのある時沢春と、どんくさ泣き虫な近藤詩緒。

 そんな少女2人を中心とした学園生活、周囲の人々との日常が描かれます。

 

 コミックス化、待っておりました!・・・な期待作。

 本作品の特徴は、少女(や少年)たちの荒削りながらも繊細な心情の描き方でしょうか。

 そうした要素がとても良い具合に、物語のメリハリをつけています。

 

 まず主軸となるのは、転校してきたばかりの詩緒の心情。

 転校が多かったためか、同級生との距離感をはかることが苦手な詩緒は、

 内心はビクビクしながらも表向きポーカーフェイスな態度で、自分を「守って」います。

 そんな彼女を、幼なじみで「ムードメーカーだけど口が脳と直結型」な春が、

 ガサツな天然ぶりで引っ張ってゆくやりとりが、安心感あふれる感覚。

 

 ポーカーフェイスの「仮面」をかぶっている詩緒が心を許しているのは、はじめは春1人

 なのですが、それがしだいに春の友人である真名、そして男子2人も含めた交流の中で

 ひろがりを見せ、「仮面」が外れてゆく様子は見ていて楽しく、緊張とける心地よさ。

 そして、詩緒にやたらイジワルな態度で接してくる女子・杉山。

 彼女の存在が、作品を単純な仲良し空間にはしない味わいになっていたり、

 杉山本人の心情にも、いろいろ複雑なものがあったりするのが面白いです。

 

 そうした風に、登場人物たちが内心いろいろ抱えながらも、とても真っ直ぐな心情で

 笑いあったり、時にぶつかり合ったり、そして泣いたり、泣いたり、泣いたり・・・

 そんな感情の純粋さがストレートに響いてくる魅力が、本作品にはあります。

 

 以前、4コマ誌の別作品感想でも書きましたけど、やはり矢直ちなみ先生は、

 人と人の間の“距離感”と、それを飛び越えた“ふれあい”の描き方がとても秀逸な作家先生

 だと、本作を読んであらためて感じさせられましたね~。

 基本おもしろ4コマ漫画ですけど、そんなところも趣深い良い作品だと思います。

 

 

『プレミアム天子様

(安堂友子 先生)

 天子様が、人々の願いを叶えます!・・・な笑える4コマ漫画。

 天子様はカップ麺をあけると、ごくまれに出てくる妖精さんであり、願いを叶えてくれる存在。

 とはいえ、そこは4コマ漫画。面白オチがつき、笑える楽しさあふれる作品になっています。

 

 基本的に、天子様をはじめとするフェアリーズが人の願いを聞き、それが予想とは

 ハズれた状況にオチる・・・というネタの連続なのですが、これが不思議と飽きない作り。

 

 そこには、フェアリーズの個性の違いがネタに多くのバリエーションを生み出していること

 もありますが、なんというか「願いの叶え方」にも、「ズレた叶え方」「願った当人のおかしさ」

 「周囲の反応・状況のおかしさ」といった違いがあって、そのあたりに様々な面白味が

 醸し出されている印象。

 

 フェアリーズには天子様のほか、

 ・福美  : ふわふわなスナック菓子の精。「見てみたい」シリーズ・ネタの担当。

 ・三千華 : 「みちか」と読む炭酸飲料の精。 爪がコワイ。けっこう強引。 

 ・小夢  : 乳製品の精。 願いの叶え方がハンパな、自称未熟者のフェアリーズ。

 ・ユキジ : 値引きシールを貼られた菓子パンの精。 幸薄くフビン。単独で行動中。

 といった個性的なメンバーがそろっていて、それぞれがそれぞれに楽しませてくれます。

 

 さらに本作品は、フェアリーズ以外にも準レギュラー的な人々がおり、

 そうした登場人物たちの定番ネタも、飽きさせない魅力となっていると感じます。

 

 本作品は1巻が出ていたはずですけど、今回は「永久保存版」という形でコミックス化。

 この売り上げ次第で続刊の行方が左右される・・・・・・のかどうかはわかりませんが、

 4コマ漫画としての楽しさは、高水準で安定したレベルにある作品かと思いますので、

 ぜひぜひ続いてほしいものであります。