端っこの「お気に入り」プチ感想です。 (前回)
・『西遊妖猿伝 大唐篇』5~6巻
・『西遊妖猿伝 大唐篇』7~8巻
・『西遊妖猿伝 大唐篇』9~10巻(完結)
「大唐篇」はこの新装版10巻で完結となり、「西域篇」につづきます。(第1巻、発売中)
諸星大二郎先生の作品はいろいろ楽しめるものが多く、
いわゆる「作家買い」で作品を購読してしまう作家先生だったりします。
様々なシリーズものはもちろん、短編などにも良作が豊富!
話の内容にふれる部分があります。
『西遊妖猿伝 大唐篇』5~6巻 (諸星大二郎先生)
[あらすじ]
村人を煽動し、盤糸嶺を攻める道士〈百眼道人〉。
虫使いの少女たち〈七仙姑〉と、悟空たちの運命やいかに?
[感想]
「読み出したら止まりません」状態の私でありますが、この2巻もそうして楽しみました。
〈百眼道人〉にしても〈七仙姑〉にしても、そのほかの人々にしても、本作品の登場人物は
各々が各々の思考・目的で行動しており、それがからみ合ってストーリーが展開します。
それは主人公の孫悟空にしても同様であり、彼を中心に多くの人々の思惑が交錯します。
そのような描き方に私は興奮し、「読み出したら止まらない」状態に陥るのでした。
『西遊妖猿伝 大唐篇』7~8巻 (諸星大二郎先生)
[あらすじ]
玄奘の旅は西へ西へとつづき、“人参果”をめぐる道士たちの争いに巻き込まれる。
強力な幻術師・与世同君と悟空の戦い! 諸星先生と藤田和日郎先生の対談もあります!
[感想]
与世同君という、今までとは一味違った強敵の描き方が面白かったですね。
この幻術師の人道からは外れるのだけど、ある目的のために戦っているという行動が、
彼を単純な「敵役」にしていない雰囲気がありました。 やっかいな難敵だし。
しかし、大唐の名将・李靖が・・・あまりに無能なオッサンだー!∑(´Д`;)ヒドス
李勣なんかはマトモなんですけどね(^^;) 彼ものちの則天武后の時代なんかは(以下略)
『西遊妖猿伝 大唐篇』9~10巻 (諸星大二郎先生)
[あらすじ]
ついに大唐篇完結! 女盗賊・羅刹女や、悟空を婿にとねらう少女・一升金、
そのほかにも様々な因縁ある人々が、様々な決着を迎えたり迎えなかったり!
[感想]
今まで悟空に関わった多くの人物たちが、ここに来てそれぞれの結末をむかえるさまは、
まさに「大唐篇」の完結にふさわしい壮大な流れでありました! 最高ぉー!!
あの人物までああなったり、あの人物が“敵”になったり、あーもー興奮するぞー!(^O^)
羅刹女も興味深いのですが、ここでは通臂公ですね。 “虐げられし者の救世主”の存在。
ここらへん今後、玄奘の仏法とどう関わってくるのか? 「西域篇」が、めっさ楽しみです!