僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

許さない!

2017年10月15日 | 日記
雨が降っています。

朝5時。空は、漆黒の闇。
夜明け前の街を、私と家内は、車で月忌回向に出かけました。。

いつもは午後にお伺いする、檀家さん。

「12日は、急な用事ができて昼間いないの。
 できれば、朝来てもらえないかしら」

『『午前10時はどうですか?』

「う~ん・・・」

『じゃ、9時は?』

「・・・」

『午前8時・・・いや、7時はどうでしょう?』

「・・・迷惑じゃない?」

『とんでもない! 私に任せてください。
 専属の運転手がいますので、必ず時間通りに、お伺いしましょう』

「ありがとう」

笑顔(どうしてわかるの?)で、電話を切る、檀家さん。

隣り電話を聞いていた家内が、私に言いました。

「ねぇ、専属の運転手って、誰の事?」

睨む、家内。野獣のような醜さ?です。

「お寺から檀家さんの家まで、一時間かかるの知ってるよね?
 あなた、そんなに早く起きれるの?

 朝勤をする時間も入れると、5時起きよ。
 あなたには、無理だって・・・」

『君がいるから、大丈夫。
 だって、僕を朝5時に起こしてくれるのでしょう?』

歯ぎしりをする、家内。
「ウ~ッ」ていう、唸り声が聞こえてきそう。

知らん顔をして、布団の中へ。
早く寝ようっと。

でも・・・眠れない。
コーヒーの飲みすぎ? それとも緊張?

睡眠不足です。フラフラです。

「年寄りは、眠れないって言うからね」
爽快な顔の、家内。

唇が、「さまあみろ」って動いてる。

朝七時の、約束。
到着したのは、六時半。

「どうするのよ?」
微笑む、家内。

『わざと、早く着いたの?』
寝不足の、私。

 「私、今から寝るから、あなたひとりで起きてなさいな。
  私・・・醜い顔した野獣だし。

 眠れるときに、寝ないとね・・・・」

ス~、ス~っと、寝息が聞こえてくる。
僕はひとり、車の中。

『雨が降る。瞳の中に、いつまでも・・・』

「泣いたって、許してあげない!」

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