最後の日です

平成31年3月31日。
今日は平成30年度、最後の日です。

明日は、新元号の発表があります。
5月1日より、新元号が発布？されます。

今日は5月にある、
お寺の会計報告の準備をしました。

準備といっても、小さなお寺だから、
内容は、普通の家庭より、小さなものです。

それでも、金額の間違いがないように、気を使います。
会計ソフトを使って、集計。

檀信徒総会に先立って、4月には会計監査があります。

書類の作成と印刷を終えて、一息ついていると、

総会が開催される5月は、
元号が「平成」ではないことに気がつきました。

「5月は、平成31年度ではない」

しまった！
全部、やりなおし・・・。

トホホ・・・。

印刷されたコピー用紙を前にして、
私の心は、悲しみに満ちあふれています。

ps

明日は、ゴンキチの入社式です。
いよいよ、第二の人生が始まります。

学生時代。
社会人時代。

ふたつは、まるで違う世界。

理不尽なことがあることでしょう。
悔し涙をこぼすこともあるでしょう。

でも・・・。

それでも、立ち上がる勇気を失わないでね。

女の子だから、すごく心配。

頑張りすぎずに、頑張ってね。
ゴンキチ・・・。

父ちゃん。
たまには、僕のことも心配してよ。（ナオキチ談）

「フェラーリ」

九州へ、月忌回向のお手伝いに行きました。

最初にお伺いするお宅は、午前8時15分です。
この時間は、檀家さんのご希望です。

距離にして、100㎞。

だから、お寺を出るのは、午前6時30分。
朝もやの中を、出発しました。

一応、ここは観光地です。
バイクの、メッカでもあります。

爆音をとどろかせて走る、リッター・バイク。
リッターっていうのは、1ℓの意味です。

1000㏄以上の排気量のバイクを、昔はこう呼んでいました。
そんなバイクも、最近は外車が多い。

その中で輝く、一台の車に目がとまりました。
フェラーリ。

地を這うような、独特な排気音。
まるで、「F!」そのもの。

でも・・・。

大きな声では言えませんが、ここは田舎です。

法定速度は、50㎞です。。
でも、ここは田舎です・・・。

だから、住民は80㎞で走っています。
夜は、100㎞。

信号も少ないから、スピードもでます。

ここに引っ越してきたころは、信じられませんでした。

だって、高速を走る車を、
並走する一般道の車が、追い抜いていくんだもの。

お年寄りの軽自動車の、速いこと。

「イニシャル D」
北関東にも、負けていません。

だから事故は、大事故になります。

警察も黙っていません。
あちこちで捕まる車や、バイク。

そんな「無法地帯？」を、
法定速度で走る「フェラーリ」。

いつの間にか、後ろには車の列ができてしまい・・・。
後ろから、軽自動車がつついていますよ。

普通なら、ありえない光景です。

異次元の世界。
ゴールデン・ウィークに繰り広げられる、バトル。

仕事をしている人もいるのだから、
事故だけは、勘弁してね。

爆音のとどろく山道を走りながら、
私は九州へと急ぎました。

女性

昨日のゴンキチの、研修の様子を聞いた家内。
すぐさま、ゴンキチの電話をしました。

「最近のあなた、一ヶ月以上グータラしていたものね。
　心も身体も、だらけ切っているから、そうなるのよ。

　夜更かししてるんじゃないの？
　食事、きちんと食べているの？

　本当に、情けない」

興奮して、もう言葉が止まりません。

ゴンキチは？って言うと。

「だって・・・緊張したんだもの。
　ご飯だって、作っているもん・・・」

オイオイ、ゴンキチ。
語尾が怪しくなっているぞ。

合いの手で、
ツッコミを入れたくなるのを、ぐっと我慢しました。

「ねぇ、九州に月忌回向で来たとき、
　夜、ご飯を一緒に食べたいなぁ・・・」

さっそく、泣き言ですか？・・・ゴンキチ。
内弁慶の化けの皮が、はがれていますよ。

でも、ここにも親ばか、ひとり。

『じゃ、お母さんに相談してみるね』

ゴンキチの「悪代官のような微笑み」を思い浮かべながら、
私は言いました。

「甘やかすんじゃ、ないわよ！」
隣で、母ちゃんが怒っています。

『だって、かわいそうなんだもの・・・』
両手で頭をかばいながら、私は言いました。

「お前、いい加減に、その女言葉やめろよ。
　しまいには、殴るぞ！」

か弱い女性。
暴力的な女性。

この世には、いろんな女性が存在します。

「それぞれの春」

ご近所のお寺様に、
鬼子母尊神祭のお手伝いに行きました。

暖かくて、ぽかぽか陽気。
縁側で日向ぼっこができたらら、気持ちがいいだろうな。

そんなことを思い描いていると、
眠気が襲ってきました。

眠気は、法要が終わった後で。
気持ちを引き締めました。

法要の前、ご住職がやってきました。

「昨日、東京に行ってきたよ。
　大学院時代にお世話になった先生が、退職することになって。

　慰労会が、ホテルであったんだ」

『〇〇先生、退職されるんですか？』

僕も学生時代に、お世話になった先生です。
もう、そんなに月日が過ぎたのか・・・。

知っている先生が、大学からいなくなる。

落ちこぼれの僕のことなんか、先生は覚えていないと思います。
でも、それでもさみしさを感じてしまう。

人間、いつかはリタイヤするときがやってくる。

社会人デビューの、ゴンキチ。
退職する、〇〇先生。

春夏秋冬。
季節の中で、僕たちは生きている。

ps

研修初日。
夕方、ゴンキチに電話をしました。

『どうだった？』
電話機の向こうからは、眠たそうな声が聞こえてきました。

「つかれた・・・」
弱々しい声。

「吐き気を我慢するのに、大変だった。
　気分が悪くって・・・。

　血圧が低かったのかなぁ？」

「精も根も尽きはてた」って、感じがしました。

「7時半から、ご飯を作る」

『今からご飯を作るの？
　疲れているのに・・・』

それでも・・・。

そうだゴンキチ。
食べないと、戦えないぞ！

私は、心の中で激励しました。

『お父さんが、お経を読んでおくから。
　心配しないで・・・」

どっちが、新入社員なんだか、わからない。

親ばか父ちゃんを、笑っておくれ。

思うこと

昨日、車のエアコンを入れました。
陽射しが強くて、我慢できない。

全国ニュースでは、桜が満開なんて、言っているけれど、
九州は、まだまだ。

郷里の桜まつりは、
開花予想に、一週間早くしたのに、咲きません。

飲めや歌えの、どんちゃん騒ぎ。

そういえば、大学のころ、
東京の根津神社で花見をしたことがありました。

ゴザをもって、一升瓶を3本持って、
おつまみは、「あたりめ」だけ。

寒風が吹く中、ささやかな宴会。

ほかには誰もいない。

気がつけば、目の前にパトカーが・・・。

先輩が学生証を提示して、平謝り。
未成年だと思ったのね。

田舎者だし、坊主頭だし。
垢ぬけていないものね。

飲めや歌えの、どんちゃん騒ぎ。

そんなことができるのも、学生だから。
あの頃は、そんな考え方ありました。

今は、通用しないけど・・・。
窮屈な世の中になりました。

「昔はよかった」
そんな言葉を、呟いてみる。

今夜は、寒い。
ストーブでもつけましょうか。