僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

しばしの別れ

2018年06月30日 | 日記
関東地方は梅雨明けをしたというのに、
九州・山口地方は、梅雨真っ盛り。

深夜にとどろく、雷鳴。
すぐそばに落ちている。

もはや雷鳴ではなくて、
爆弾が落ちてきたような大きな音が、深夜の町に響き渡る。

こわい。
夢の中で、そう思った。

新幹線は止まり、避難勧告発令。
都市高速は、事故だらけ。

そんな中、最後の訪れた檀家さん。
お母さんの突然死の悲しみに、包まれていました。

夕食後、椅子に座ったまま、心肺停止。
救急車も、間に合いませんでした。

「まだ、心の整理がつきません」
娘さんが、涙をぬぐいました。

人の寿命って、儚いものです。
小さな幸せでさえ、手のひらからこぼれ落ちる。

かき集めても、かきあつめても、
波にさらわれて行く。

でもね、僕たちも、いつかは死ぬんだ。
お母さんと同じ場所に、旅立つときがやってくる。

その時まで、お母さんのことを忘れなければ、
お母さんが、きっと迎えに来てくれる。

その時までの、しばしの別れ。

そう信じて、そう願って、生きていきましょう。

もらい泣き。
心の弱い、私です。

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谷中

2018年06月29日 | Wish
私は、大学時代に学生寮にいました。

はるか昔のことだから、上下関係ありの
スパルタ式。

運動部、そのまま。

甘やかされて育った、当時の私にとっては、
地獄のようなところでした。

日暮里駅で乗車して、山手線外回り。
東京駅を過ぎると、九州方面の新幹線線とすれ違いました。

「これに乗れば、家に帰ることができる」
そればかり、思い続けていました。

夕陽に浮かぶ、線路。
九州行きの、夜行列車の姿。

左から右に過ぎ去る、ブルー・トレイン。
山手線の車窓から、私は一人見ていました。

地獄のような、学生寮。
なぜ、僕はここにいるのか?

やめたくても、やめられない。

胸に込みあげてくるものを抑えることができませんでした。

そんな、学生寮が、移転のために終わりを迎えます。
教育方針も時代とともに変わりました。

谷中銀座、根津、千駄木・・・。
先輩たちと肩を組んで、詩を歌った街。

高校生の時に、文通していた女の子に
別れを告げられた、夜。

歩いてきた時間が、思い出に変わる。

桜の花の 咲き誇る
谷中の墓地の 参道で

友と語らい 夢に酔う
あれは一年 最初の春



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夏バテ

2018年06月28日 | 日記
昨日、今日と、二日続きの曇り空。
すごく身体が重たい。

嫌な汗が吹き出す。

今日は、ご近所のお寺様でおこなわれた、
鬼子母尊神大祭の、お手伝いに行きました。

ただでさえ体力のいる、ご祈祷。
気力というか、メリハリというか、力強さがものを言います。

それなのに、正坐から立ち上がると、めまいがしました。

僕は低血圧だから、立ち眩みはよくあります。
でも今回は、いつまでもめまいは収まりません。

この蒸し暑さで、夏バテ?
いけませんなぁ・・・。

「自分自身の怠惰な心を、お祓いしたら?」
家内の皮肉が聞こえてきそう。

ps

ラジオから、70年代の洋楽が流れています。
知らない曲ばかりだけれど、どこか懐かしい気がします。

ネットや携帯もない時代。
それでも、人の心は通い合う。

思い描く情景に、僕は手を差しのべる。

元気でいたかい。

君は、微笑みを浮かべる。

夏の海。
砂浜に、僕らの足あとが続いている。

君は、まぶしそうに、海を見つめた。





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2018年06月27日 | 日記
月忌回向で、いつも迎えに来てくださる檀家さん。
車の中で、楽しい音楽を聞かせてくださいます。

ボサノバ、ジャズ、カントリー・ウェスタンなど・・・。

激しく振り続く、雨。
エアコンのきいた、車内。

冷えた空気に、メロディが流れていきます。

「10月に、熊本で開催されるカントリー・ウェスタンの、
 野外コンサートに訊きます」

ハンドルを握る檀家さんが、うれしそうにお話しされました。
後部座席に座る私は、フロントグラスを見つめながら、耳を傾けました。

こちらのご夫婦は、毎年このコンサートに参加されています。
コンサートが終わると、近くにある温泉に一泊。

お話を聞いているうちに、
なんだか私まで楽しくなってきました。

車内に流れるメロディ。
メトロノームのように揺れる、ワイパー。

カチッ、カチッ、カチッ。
僕の手が、リズムを刻む。

雨に濡れる、車窓。
まるで、コンサート会場にいるみたい・・・。

そんな錯覚を覚えながら、
私は、いつまでも雨の情景を眺めていました

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うつ病

2018年06月26日 | 日記
「今日は早く寝るから、お風呂お願いね」
夕食を食べながら、家内がぽつり。

『疲れているの?』
テーブルの向こうにいる家内に、私は尋ねました。

「うつ病になっちゃった」
野菜炒めをほおばり、テレビを眺がめています。

『お金がないから?それとも、仕事の疲れ?』

「お金がないのは、いつものことよ。
 そうじゃなくて・・・」

かぶりを振りながら、ため息をつきました。
かわいそうに・・・と思いました。

『じゃ、お風呂を沸かして、お布団を敷くから、
 早く寝なさい』j

そう言いながら私は、食器を流しへ持て行きました。

『そうそう、7月1日は日曜日だから、
 7月の「星降る街」は、29日に発送するからね。

 一日早いけど、準備よろしく』

「それが、ストレスの原因なのよ!
 キーッ!」

口からご飯粒を飛ばしながら、暴れる家内。
ストレスの原因は、俺かい?

テレビの前で、毛布にくるまる家内を眺めながら、
飛び散ったご飯粒の片づけをする、私です。

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