ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

ママが泣いた日

2008年04月02日 | 映画レビュー
 これはまた散漫な映画で…。登場人物の誰かに入れ込んで見ないと最後までつきあうのはしんどいようなお話。それでもついつい最後まで見てしまったというのはやっぱりどこかに面白いところがあったのかな? いややっぱりケヴィン・コスナーが見たかっただけかも。四姉妹のお話だから若草物語っぽいところもあるけれど、主役はあくまでママなのだ。すっかり中年になってもまだ口説いてくれる男がいるなんて、羨ましいですねぇ~。

 夫が秘書のスウェーデン人と駆け落ちしてしまったことを知って激怒する妻、テリー。幸い、夫はかなりの資産を残して蒸発してしまったから、生活には当面困らない。しかし、年頃の4人の娘を持つテリーは毎日怒りを爆発させている。一方、夫の友人であり近所づきあいをしている元大リーガーのデニーがテリーに近づき、何かと世話をしてくれるし、次女には仕事の世話をしたりと優しい面を見せてくれる。

 軽いコメディだから、テリーのイライラはまるで更年期障害のように見えて、ちょっと笑える。というか、あまりこういうのを笑うのはタチがよくないと思える。一方、テリーの気まぐれに翻弄される人のいいデニーは、渋いというよりは情けない中年。ケヴィン・コスナーもこういう役が似合うようになったというのはファンとしては喜ぶべきか悲しむべきか…。元大リーガーで今はしがない地方局のラジオパーソナリティのデニーは、けっこう頑固なところもあるけれど、テリーに言い寄るくせに彼女がその気になったら途端に逃げ腰になるという気弱なところをみせる。中年の恋というのはとかくこういうものかもしれない。なかなか男は自信満々にはなれないものかもね。 

 でまあ、なんやかんやとあって、ママ・テリーの不機嫌は治まったりまた爆発したりといろいろ繰り返して、デニーともできちゃったり喧嘩したりといろいろあって、最後は「えっ」とか驚かされておしまい。2週間も経てば内容をすっかり忘れてしまいそうな映画でした。テーマ的には惹かれるし、中年ねらいの映画なのでわたし好みなんだけど、なんでこういう締りの悪い映画になるんだろう? 主役のジョーン・アレンが魅力的に見えなかったことが致命的かも。(レンタルDVD)

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ママが泣いた日
THE UPSIDE OF ANGER
アメリカ、2005年、上映時間 117分
監督・脚本: マイク・バインダー、製作: ジャック・バインダーほか、製作総指揮: マーク・ダモンほか、音楽:アレクサンドル・デプラ
出演: ジョーン・アレン、ケヴィン・コスナー、エリカ・クリステンセン、エヴァン・レイチェル・ウッド、ケリー・ラッセル

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