まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。「1年半下落し続けている日本の新興市場の株価が本格的に上昇し始めるのはいつ?」では・・・
1位:半年後 22%
〃:1年後 22%
3位:10年後 16%
4位:1ヵ月後 11%
〃:5年後 11%
6位:3ヵ月後 5%
〃:2年後 5%
〃:3年後 5%
となりました。1位は「半年後」と「1年後」ですね。個人的にもそんな感じかなぁ、と思います。昨年の1月から調整が始まって、「半年後」なら丸2年。調整期間としてはまずまずですし、切りもいいですし。また「1年後」なら、ちょうど今期の決算が出揃って、来期の予想が市場に消化されるころです。これまた、ありうべきタイミングかと思います。逆にそれ以降だと、あんまり節目らしい節目はなくなりますね。なので選択しにくいかもしれません。
とは言え、投票自体は結構偏り無く散らばっています。このあたりが株価予想の難しさを表しているのでしょうね。正解がないこともあり、いろいろな意見や予想が、そのまま無秩序に存在しているのが株式市場だと思います。従って株価は無秩序に動き、結果として株価予想はなかなか当たらない、ということになるのでしょう。
ただ中長期的に見れば、企業が収益を上げていれば株主に収益が還元されますし、世界経済が拡大していれば多かれ少なかれ企業は成長しているので株価は上昇します。また、世界の株式市場がこれだけ堅調に上昇していく中で、日本の新興市場だけがいつまでも放置されるとは思えません。
一般的には上がったものは下がり、下がったものは上がるのが株式相場のルールですから、中長期的な投資、という観点から日本の新興市場に投資する、ということ自体は有益だと思います。ただし目先はまだ下がるかもしれませんので、一度にドカっと投資するのではなく、コツコツ小額で、のんびりじっくりやるのがいいでしょうね。
まだの方はぜひ投票をお願いします。6月24日まで。
〔投票〕http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=271
〔前回のコラム〕http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=179
さて今回は、中国市場について。
--- Ginkou ---
中国株(午前):CSI300指数、6.4%安-印紙税引き上げが響く
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=akKbKe3VdZTw&refer=jp_japan
30日午前の中国株式市場では、CSI300 指数が3カ月ぶりの大幅下落となった。政府が証券取引にかかる印紙税を3倍に引き上げたことが響いた。中国では株価上昇を好感して、1日当たり30万人以上の新たな投資家が株式市場に参入している。
上海証券取引所と深セン証券取引所の人民元建てA株に連動しているCSI300指数は現地時間午前11時半(日本時間午後零時半)現在、前日比268.41 ポイント(6.4%)安の3899.88。年初来では約2倍に上昇し、中国株式の時価総額は2兆4700億ドルとなっている。中国証券登記結算によれば、同国の証券口座数は今週、初めて1億件を突破した。
中国の株式市場に関する著作のあるフレーザー・ハウイー氏は「いずれかの時点で中国の株式市場は反落し始め、下落は大幅となり、多くの人が影響を受けるだろう」と述べた。
中国財政省はウエブサイト上で、「証券市場の健全な発展を促進するため」証券取引にかかる印紙税を0.3%に引き上げ、直ちに実施すると発表した。中国人民銀行は今月、今年2回目となる利上げを行い、国民に対し株式投資よりも貯蓄を奨励した。証券会社に対しては、口座開設時に顧客にリスクを認識しているとの書類に署名させるよう義務付けた。
CSI300指数の構成銘柄で、値幅制限いっぱいの10%下落となった約30 銘柄には、中国上場証券最大手、中信証券(600030 CH)や初の上場証券会社、宏源証券(000562 CH)などが含まれる。
インベスコ・グレート・ウォール・ファンド・マネジメントで約2億8400 万ドルの資金を運用する李学文氏は「政府は投機的な動きを抑え、株式相場の過熱を防ぐために現実的な手段を取っている」と指摘した上で、「相場が沈静化しなければ、上昇を抑えるため新たな手段が講じられるだろう」と述べた。
〔 出典:ブルームバーグ 〕
--- Ginkou ---
中国株式市場の話ですが、どちらかと言うとまずこちらが気になるかもしれません。「中国では株価上昇を好感して、1日当たり30万人以上の新たな投資家が株式市場に参入している」、「中国証券登記結算によれば、同国の証券口座数は今週、初めて1億件を突破した」という部分ですね。
日本の場合、ネット証券の顧客の合計が400万人とかそんなものでしたっけ?(うろ覚え) 中国は1日30万人というからすさまじいです。そして累計の証券口座数は何と1億件ですからね。仮に1,000万口座と聞いても、「おぉすごいな」と思うと思いますが、1億口座ですからね。想像を絶します。
しかし中国はまだ社会主義ですよね?資本主義を体現しているような「株」について、どこまで理解しているんですかね?「儲かるから」という安易な気持ちでみんな投資をしていたりするとエライ目にあうかもしれません。
実際今回の記事は、中国当局が、証券取引にかかる印紙税を大幅に引き上げたために株価が急降下した、という話ですね。もちろん、この狙いは当局が中国株式市場がバブルになってしまうことを恐れたためです。では、現状中国株式市場がどんな風にになっているのか見てみましょう。
・上海A株(90日)
確かに5月30日のところでグッと下がっていますが、しかし全体から見れば「なんとも無い」レベルですね。これが今後も下がり続けるのか要注意です。ただ当局の締め付けだけでは、なかなかうまく行かないでしょうね。人間は欲深いものです。
ところで中国と聞くと「私も中国ファンドを持っている!」とドキっとする人も多いと思いますが、これはあくまで外国人が投資できない中国国内の市場の話であって、普通の中国ファンドは香港市場を通して投資します。香港市場は規模も大きく、体制もしっかりしているので、それほどバブルという話は聞きませんのでご安心ください。
・香港(90日)
いや、むしろ下がっているくらいですか?この矛盾もまた中国国内の株式市場の未成熟を表しているのかもしれません。
さて、我々が気にしないといけないのは中国国内の株式市場ではなくて、今回の下落が世界の株式市場にどういう影響を与えるのか、という点ですね。というのも2月末の世界同時株安のキッカケはまさに中国国内の株式市場の大幅な下落だったと言われているからです。どっこい、その時でも中国国内の株式市場はとっとと回復して、右肩上がりに戻っていますけれどね(笑)。
率直に言えば、今回は世界同時株安は起こらないのかな、と思っています。前の時は世界的に株価がずーっと右肩上がりに上昇していて、ゴムがビンビンに伸びきった状態みたいになっていましたよね。下がるキッカケは何でもよくて、それがたまたま中国国内の株式市場の下落だった。で、現在、世界の株価にそういう「緊張感」があるかと言うとないですね。一度調整してしまっているので、「これから上がっていくところ」というような状態かと思います。
と言うわけで筆者は世界同時株安は今回は起こらないと思いますが、果たしてどうでしょうか。
今回のアンケートでは、またもや中国発の世界同時株安は起こる?でいきましょうか。6月30日まで。
■5月末に、中国国内の株式が大幅に下落しましたが、2月末のように「中国発の世界同時株安」は起こると思う?(6月30日まで)■
http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=273
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