まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。「1米ドル=99円台の円高局面ですが、今後、どのレベルまで円高が進む?」では・・・
1位:90円 43%
2位:この水準から円安に反転 23%
3位:95円 16%
4位:85円 13%
5位:80円 3%
となりました。1位は「90円」で4割を超える投票があります。一方で2位は「この水準から円安に反転」という正反対のものですね。ただこちらの得票率は2割超に留まっているので、差は2倍くらいあります。
また、95円だの85円だの、それ以外の「円高票」も加えると「円高派」はトータルで8割近くなるわけですから、やはり総論としては読者のみなさんは圧倒的に円高米ドル安を想定しているということですね。チャートの動きを見てみると確かにそうなっていますから、当然の読みだとは思います。
■米ドルチャート(1年)
今後、円安になるのか円高になるのかは分かりませんが、みんなが下がると思っていると本当に下がるのが相場というものであります。「今後、円高だよなー」とみんなが思っている中で、何か悪材料が出てくると「やっぱり」となって下落していくでしょう。ポイントとしてはやはりサブプライム関連で金融機関の破綻が出てくるかどうか、ということになってくると思います。ベア・スターンズ社に続く破綻が懸念される金融機関が出てくるかどうか、ですね。・・・やっぱり出てくるのでしょうね。もう1社か2社か。
そこで結局、公的資金注入となって相場が底入れされ、しばらくもみあった後、やおら上昇に転ずる、というのがメインシナリオですかね。いずれにせよ、少なくとも半年くらいはトレンドは変わることはない、のかもしれません。とは言いつつ、筆者の読みは当たりませんので参考にしないでください(笑)。年末もすっかり円安トレンドに逆戻りかなーと思っていましたしね。
というわけで筆者は、今のところ短期的な相場感は持たず、ひたすらバイ&ホールドを続けています。
サプライズ円安があるとすると、為替介入があるか、日銀が思いきって金利を下げてくるか、ですが、前者はなさそうですし、後者も日銀総裁が空白なことを考えるとやはりないのでしょうね。となると、やはり当面円高という流れは止められそうにないですね。
とは言いつつ、本来的には円高というのは我々にとっていいことですので、ポジティブに考えていきたいですけれどね。
では、投票がまだの方はぜひ投票をお願いします。4月24日まで。
〔投票〕http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=361
〔前回のコラム〕http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=245
さて今回は、その日銀総裁について。
--- Ginkou ---
日銀総裁人事問題、いったいどうなってるの?
http://money.jp.msn.com/columnarticle.aspx?ac=fp2008032401&cc=01&nt=01
2008年03月24日
マーケットは極めて不安定な状況が続く
ついに1ドル100円を割り込みました。これは95年以来約12年ぶりの出来事です。今回の動きは「米ドル安」と「円高」がダブルで効いているため、非常に速いスピードで円高ドル安が進んでいます。つまり、米国の金融システム不安による「米ドル安」と、金融市場全体が不安定なことからキャリー・トレードが縮小していることによる「円高」が、同時に進行しているということです。
米国の状況については、筆者は以前からかなり弱気に見ていましたが、その筆者の予想をもってしてもさらに一段と悪い状態になっているようです。3月17日(月)にはサブ・プライム関連に投資しているヘッジ・ファンド救済にもっとも早く動いていたベア・スターンズが、ついにJPモルガン・チェースに一株当り2ドルで買収されることが決まりました。同社の株価はサブ・プライム問題が過熱するまでは170ドル、今年2月末の時点でも約80ドルしていましたので、ほんの数週間の間に破綻に近いような状態になったということなのでしょう。
こうした事態を受けて、同業の中でもサブ・プライム関連の損失が大きいと見られていたリーマン・ブラザーズ株も3月14(金)、17(月)の両日で30%以上下落、それが18日(火)に市場予想よりも好調な決算を発表すると一気に46%も上昇し両日の下落から完全に回復するなど、極めて不安定な動きとなっています。
ドル高、株高、円安に転ずるには「決定打」が必要
率直に言って金融市場はかなりパニック的な動きになっており、米ドルも株式市場も既にかなり実体経済の悪化を織り込んだ水準になっていると思います。ただ、この流れが止まり反転するためには、何か「決定打」が必要な状況です。それは、米国の金融機関に関する「悪材料出尽くし」や「抜本的な解決策」といったポジティブなニュースです。一部では米国でも公的資金投入があれば流れが変わるという見方もありますが、米国の不動産市況が下げ止まらない中、不良債権による損失がどの程度になるのか全く見積もることができない状況ですから、仮に公的資金のニュースが飛び込んできても、今度は金額が十分かどうかに焦点が移り、すぐに好転するようなことはないように思えます。とにかく今は、不動産市況そのものが下げ止まるような兆しを見せないことには、「決定打」はなかなか見出せないところではないかと思います。
日銀総裁人事問題
さて、世界の金融市場がパニック的な動きとなる中、日本では日銀総裁人事を巡って信じがたい出来事が起きています。この問題のポイントは「中央銀行総裁人事がどれほど重大なことかを日本の政治家がまったく理解していないことが明白になった」ことです。
メディアの報道では、どちらかというと民主党寄りの見方である「財務省の次官経験者の天下りに固執する自民党が悪い」との報道が強いように見受けられます。確かにこうした見方にも一理あります。日銀総裁の人事は慣例として日銀出身者と旧大蔵省次官経験者が交代で務めてきましたが、98年に日銀法が改正され「中央銀行の政府からの独立」がより色濃く打ち出され、以降、政策決定のプロセスも非常に透明性の高いものになっています。こうしたことを踏まえると、財務省次官経験者である武藤氏が日銀プロパーである福井現総裁の後に座ることは「旧来の慣習」の踏襲であり、日銀が政府からの独立を果たしているとはいえないという見方ができるからです。
ただ、筆者は2003年から武藤氏が務めている日銀副総裁の仕事振りをみて適任だとずっと考えてきましたので、それが本当の意味で慣習の踏襲とは思わないとの見方をとってきました。おそらく、市場関係者、また外国人投資家の大半の見方も筆者とほぼ同じだと思います。
日銀総裁の任期が終わり交代するというのはもう何年も前から分かっていたことであり、市場関係者の間でも後任についての議論が約1年ほど前から様々になされ、武藤氏はその候補者の中でも一番手として考えられてきました。それゆえに、まさか土壇場で民主党にひっくり返されるとはまったく思っていなかったというのが本音です。
しかしながら同時に、武藤氏指名を拒否された後、自民党が再び財務次官経験者を持ち出してくるとも思いませんでした。田波氏というのは市場関係者の議論にあがったことは記憶の限り一度もない人物で、こうした人を突然に候補に挙げられたことに筆者は(おそらく市場参加者の大半も)戸惑っています。
さて、この問題に関して筆者及びおそらく市場参加者の大半が考えていることを申し上げます。まず民主党には金融政策及び金融市場の合意形成プロセスをまったく無視したことを反省していただきたいです。理由はどうあれ、日本の金融政策が混乱し、世界に日本の政治の未熟振りを見せ付けた最初の原因は、民主党が武藤氏指名に反対したことです。責任の発端は民主党にあるというのが、筆者の見方です。
また、自民党もこうした事態が起こった後のオプションをおそらくほとんど想定していなかったことに対して反省を求めます。武藤氏に副総裁として5年もの準備期間を与えたのは自民党です。そのことは大変立派だと思いますが、そうした努力も、その後の指名で単なる「天下り擁護」に成り下がってしまいました。
いずれにせよ日本の政治家は金融政策及び金融市場の重要性をまったく理解していないということが明らかになりました。これは他でもない、日本国民全員の損失です。
グローバル債券ファンドマネージャー 鈴木 英寿
提供:株式会社FP総研
〔 出典:MSNマネー 〕
--- Ginkou ---
またまた鈴木さんのコラムから引用です。ちょうど日銀総裁人事について書こうと思って、「何か参考になる記事ははないかな?鈴木さんは何かコメントしていないかな?」と一番最初に探しに行ったら、ちょうどバッチリ書いてありました。さすが鈴木さん!?しかも分かりやすく必要十分ですので、もうこれで今回のコラムを終わりにしてもいいくらいですね(笑)。
筆者の感想ももちろん、民主党も自民党もどちらも悪い、という点には変わりありませんが、ロジックが分かりやすいのは民主党の方ですね。「財務省出身の総裁はダメだ」と。福田首相が「財務省出身の人なら、誰であろうとダメだ、というなら乱暴な話だ。」とコメントしていましたが、まさにそういうことだったと思います。財務省出身の人なら誰であろうとダメだ、ということです。
特に国民にとっては武藤氏がどんな人なのか、どれほど才能がある人なのか全然知りませんので、いかにも天下り然とした「財務省出身」というキャリアはネガティブに響きます。そういう意味でも、どちらかと言うと支持を得やすいのは民主党の方でしょう。
ただ民主党がその「拒否権」を明確に発動したのが残り1ヶ月を切ってから、というのはいかにも遅いですね。
また、それを受けての自民党の代替案がまたまた「財務省出身の人」というんですから、それは受け入れられるはずもありません。わざわざ無謀な挑戦をした理由はもちろん筆者のような素人にはさっぱり分かりませんが、考えるとすると・・・
1.人柄や才能、実績にこだわった
2.福田首相が、ヤケを起こした
3.政争の具にしている
というようなことが考えられます。まぁ2はないとして(笑)、おそらく1と3のどちらか、もしくは「両方」なのではないですかね。あくまで人柄や才能、実績にこだわり、「財務省出身者は誰でもダメ」と乱暴なことを言っている民主党に批判が集中することを狙った、ということですね。それで仮に日銀総裁が空白になり批判が高まっても、その非難の矛先が民主党に向かっている限りは自民党にとっては万々歳と言えるわけですね。
ついでに「ねじれ国会」の問題もしっかり浮き彫りになれば自民党に追い風が吹くなんてことまで計算に入れての行動なのかもしれません。
ただ問題は、武藤氏にしろ田波氏にしろ、国民には「人柄や才能、実績」がさっぱり分からないので支持を得られにくいという点ですね。むしろ民主党のロジックの方が分かりやすいです。
そして何よりも問題なのは、どの理由であるにせよ結果的に、日銀総裁という役割より自らの党利党略を優先した、という風に見えるという事実ですね。海外の投資家の間で、日本の政治への不信感が高まったことだけは間違いないでしょう。
しかし日銀にはたくさんの優秀なスタッフがいるのでしょうから、その中から選べば何の問題もないと思うのですが、どうなんでしょうかね?まさに前総裁の福井さんも日銀出身だったわけですが、必要十分な働きだったと思います。日銀職員の士気も上がるでしょうし。
さて今回の読者アンケートは「迷走する日銀総裁人事。あなたが悪いと思うのは自民党?民主党?」でいきましょう。あえて「どちらも悪い」という選択肢はなしにします。二者択一でお選びください!4月26日まで。
■迷走する日銀総裁人事。あなたが悪いと思うのは自民党?民主党?(4月26日まで)■
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