まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「超円高の今ですが、実質的な金利差を考えると魅力的な通貨は豪ドルくらいしかない、という指摘もあります。今、投資したい通貨は何?」では・・・
1位:豪ドル 30%
2位:米ドル 15%
〃:今は外貨に投資しない 15%
4位:英ポンド 11%
5位:トルコリラ 7%
〃:むしろFXなどで円買い 7%
7位:ユーロ 3%
〃:人民元 3%
〃:ブラジルレアル 3%
ということになりました。1位は2位以下を大きく引き離して豪ドルですね!すばらしい。約3割の得票になっております。
前回のコラムでも掲載しましたが、豪ドルの為替動向はこのようになっております。
米ドルやユーロが見事に下落している中では、とりあえず為替相場がそれなりに維持されている、という点では確かに豪ドルの可能性を感じます。
さらに金利もそれなりに出ますからね。仮に為替相場が今後も安定しているのであれば金利分だけ儲けが出ることになります。
とは言え、リーマンショックの後でも70円台から90円まで20円近く為替相場は動いていますからね。やはり基本的には利息狙いと言うよりは、今後の為替動向を予想しながら投資すべきなのでしょうね。
もちろん中長期的には、今後ますます高まる資源需要を考えれば、資源大国であるオーストラリア経済がさらに浮揚する可能性は十分ありえます。どうせなら豪ドルも上昇していってほしいものです。
アンケート結果に戻ると、個人的には、同率2位の「今は外貨に投資しない」派がもう少し多いかと思っておりましたので、意外に少なかった感じを受けますね。
日本人の多くは、日本経済の将来に悲観的かと思いますので、「長期円安論者」が多いのではないかと思いますが、筆者は徐々に「長期円高」の可能性を強く意識し始めております。
教科書的に考えれば、インフレの国の通貨とデフレの国の通貨では、デフレというのは「モノの価値が下がり、カネの価値が上がる」状態ですから、デフレの国の通貨の価値が上昇していくことになります。
もちろん日本経済はといえばデフレですね。しかもかなり根深い。
さらに少子高齢化により、ますますみんなモノを買わなくなるとすれば、国内の需要が減る一方で、人口増加が続く国外の需要は増え続けていきます。輸入が減り、輸出が増え、貿易収支の黒字が相当の長期間、維持される可能性があるわけですね。
貿易収支の黒字はもちろん円高要因となります。
そんなわけで、「今後もっと円高が進む」という相場観の元、積極的に「円に投資する」という考え方もあるのではないかと思います。筆者はどちらかと言うとそうでして、最近はFXで、ドルを売り円を買っております。
アメリカ経済やユーロ経済が復調する中で、今の極端な円高は修正される可能性が高いと思いますが、とは言え、繰り返しになりますが、少子高齢化により「長期円高」の可能性があることは、頭の片隅に入れておいた方がいいのかもしれませんね。
まぁ、そんな筆者も、実際に円安が進めば、そんなことはすっかり忘れて、慌てて外貨投資にシフトするかもしれませんが(笑)。
では前回の読者アンケートについて、投票がまだの方はぜひ投票をお願いします。
〔投票〕http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=762
〔前回のコラム〕http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=584
さて今回は、2012年の相場展望について。
--- Ginkou ---
2012年の世界は今年以上に「大荒れ」か。欧州と中東に火種
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE7BM00A20111223/
古代マヤ文明は2012年に世界が終わりを迎えると「予言」し、それに基づいた終末論も、年末年始の読み物として書店には数多く積まれている。世界終末論は別にしても、来年は恐らく、今年と同じぐらい「大荒れの年」にはなりそうだ。
2012年は米国とロシアとフランスで大統領選が行われ、中国ではポスト胡錦濤体制が始動する。欧州はソブリン危機の不透明感が晴れず、民主化の波を受けた中東は政治的動揺が続き、経済の悪化は世界各地でデモなどの混乱を引き起こす可能性がある。足元では、ユーロをめぐる不安が根強く、核開発を続けるイランをイスラエルが軍事攻撃するとの懸念も残ったままだ。
リーマンショックから3年以上が過ぎたが、食品価格の上昇から先進国の景気悪化まで、2011年は経済的問題が政治家たちの話題の中心だった。経済がさらに悪化すれば、国内政治でも国際政治でも、不透明感やこう着感、衝突や対立が深まることは避けられないだろう。
ロンドンを拠点とするコンサルティング会社コントロール・リスクスの世界問題アナリスト、ジョナサン・ウッド氏は「(状況は)好転する前に暗転する。今年起きた出来事を振り返っても、何一つ解決には至っておらず、経済問題の多くは依然膨張している」と述べた。
世界は強いリーダシップを必要としているが、多くのアナリストは、大統領選や指導者交代を控える国では、政治的に行き詰まるリスクが高いと指摘する。米議会の超党派委員会が財政赤字削減策について合意できなかったことは、多くの国でも同様の問題が起こることの前兆かもしれない。
専門家が2012年のリスクの筆頭に挙げるのは、ユーロ圏のソブリン危機。欧州単一通貨ユーロが現在の形を維持するのであれば、ユーロ圏各国は、厳しい経済構造の調整と政治改革に取り組まなくてはならない。今月行われた欧州連合(EU)首脳会議では、財政規律の強化で基本合意したものの、包括的解決策は打ち出せなかった。最悪の場合、2012年は国家の債務不履行(デフォルト)や銀行取り付け騒動などが相次ぐ「無秩序な破綻」を見るかもしれない。
欧州債務問題以外で世界経済のかく乱要因として注意が必要なのは、来年も引き続き中東情勢だろう。民主化運動「アラブの春」の始まりから約1年がたったが、その先駆けとなったチュニジアやエジプトではイスラム政党が躍進、一方でシリアは内戦突入の様相を見せるなど、中東は政治的に不安定な状態が続いている。
また、西側情報機関がイランの核兵器獲得は予想以上に早いと指摘するなか、一部専門家の間では、イスラエルが来年に対イラン軍事攻撃に踏み切るとの見方もある。
政治リスクの調査を手掛けるコンサルティング会社ウィキストラットのチーフストラテジスト、トーマス・バーネット氏は「イスラエルによるイラン核施設への攻撃が大きなワイルドカードだ」と指摘。両国ともに一歩も引かない構えを見せている現在の状況は「恐ろしい」と述べた。
中東の紛争やユーロ圏の崩壊といった事態が避けられたとしても、専門家の間では、経済成長の鈍化と失業率の上昇に伴い、先進国でも発展途上国でも社会不安のリスクが増大し、世界中で政治情勢は難しさを増すと指摘する声は多い。
〔 出典:ロイター 〕
--- Ginkou ---
いよいよ2011年も残すところあとわずかとなりました。今度の土曜が大晦日で、日曜には元旦ですからね。何とも早いものです。
先日お送りしたメルマガにも書きましたが、2011年はとにかく激動の1年でした。10大ニュースを勝手に選ぶとこんな感じです。
・東日本大震災
・近畿の台風被害
・タイの大洪水
・なでしこJAPANのW杯優勝
・ビンラディン氏殺害
・カダフィ氏殺害
・金日正氏死去
・スティーブ・ジョブズ氏死去
・ユーロ危機
・歴史的円高
どれもこれもまさに「歴史的なニュース」でして、仮に10年後、「この10年の10大ニュース」を選ぶとすれば、この中のいくつもがランクインするのではないでしょうか。
しかしこれらの中でも、ぶっちぎりの1位はなんと言っても東日本大震災ですね。未曾有の犠牲者の数も衝撃的でしたが、それに加えて原発事故や、それに伴う電力不足により、被害や影響は極めて広大な範囲に広がりました。
筆者もそうですが、多くの方々の人生観まで揺さぶったかもしれませんね。被災地の1日でも早い復旧・復興を望まずにはおれません・・・。
一方、海外に目を向ければ、多くのカリスマ・アイコンがこの世を去った1年でしたが、経済はといえば、ほぼ「ユーロ危機に始まり、ユーロ危機に終わる」という1年でした。
「経済危機→金融危機→財政危機」というスパイラルは歴史の必然のようですが、今回のサブプライムショック→リーマンショック→ユーロ危機という流れはまさにそれを地で行っているわけですね。
となればこの財政危機が終息すれば、いよいよ世界経済は回復していくのかもしれませんが、まだまだ予断を許さない状態が続いております。上記コラムでは「来年は恐らく、今年と同じぐらい大荒れの年にはなりそうだ」と指摘しております。
ポイントとしては
・米国、ロシア、フランスの大統領選
・中国のポスト胡錦濤体制
・欧州のソブリン危機
・民主化の波を受けた中東の政治的動揺
・核開発を続けるイランをイスラエルが軍事攻撃するとの懸念
と言った点が挙げられておりますね。引き続きヨーロッパ+中東が経済の不安定要因となりそうです。
一方、アジアで気になるのはやはり北朝鮮の動向でしょうか。国内の引き締めのために、対外的に緊張感を高める戦略に出る可能性は十分あります。注意が必要ですね。
そんなわけで、2012年も「大荒れ」になるかどうかは分かりませんが、引き続き暗雲が晴れない状態が続くのは間違いなさそうです。
さて、そんな「大荒れ」だった2011年を振り返ってみると、筆者の公開しているこちらのポートフォリオの運用成績は、この1年間で・・・
http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=583
-14.3%の運用利回りとなりました。あじゃー・・・。
赤字転落から早丸4年。水面下が長すぎて、もはや肺呼吸を忘れ、えらができそうな勢いです。来年こそは少しは浮上してほしいものです。
ただあえて前向きに解釈すれば、この赤字の何割かは円高によるもので、それはつまり我々日本人の購買力がそれだけ増したことを意味しております。「資産は目減りしたが、その分、給料は実質的に増えた」とも捉えられるわけですね。悪いことばかりではありません。
しばらくはそうやって心の傷を癒したいと思います・・・。
ということで今回の読者アンケートでは、「2011年は、東日本大震災やユーロ危機、タイの洪水など市場も大荒れの1年でしたが、投資で儲かった?それとも損をした?」でいきましょう。1月28日まで。
今年の更新もこれで最後となります。読者の皆様、1年お付き合いいただきありがとうございました!
どうぞよい年をお迎えください。
2012年が皆様にとってよい年となりますように・・・。
■2011年は、東日本大震災やユーロ危機、タイの洪水など、市場も大荒れの1年でしたが、投資で儲かった?それとも損をした?(1月28日まで)
http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=764
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